はじめてのアヌビアスナナ|育て方や活着のコツから種類別の特徴まで解説

アヌビアスナナの特徴

アヌビアスナナ(学名:Anubias barteri var. nana)は、アフリカ大陸原産のサトイモ科の水草です。水上葉でも、水中葉でも順応することができる丈夫な種です。深い緑色の丸みを帯びた楕円形の葉を持ち、葉質は厚くて硬く、魚などに食べられにくいのも特徴です。草丈は5~10cm程度と小型で、根茎(こんけい)が横に這うように成長します。

初心者におすすめと言われる理由は、その育成のしやすさにあります。具体的には以下のような点で扱いやすい水草です。

  • 非常に丈夫:耐久性が高く、水質や環境の変化に強いです。多少手荒に扱っても枯れにくく、病気にもなりにくい傾向があります。
  • 広い水質・水温範囲に適応:上記に関連して、外部環境への適応範囲も広いです。弱酸性~中性付近の水質を好みますが、多少アルカリ性に傾いても順応します。水温も22~28℃付近が適温ですが、18~29℃と幅広い範囲に耐えられます。熱帯魚水槽の一般的な水温で問題なく育成できます。
  • 低光量で育つ:陰性水草と呼ばれ、強い光を必要としません。極端に暗すぎなければ、部屋の明かり程度の弱い照明下でも成長します。
  • CO2添加が不要:二酸化炭素の追加投入をしなくても育成可能です。自然光や魚の呼吸で供給されるCO2量で十分光合成できます。ただし、CO2を添加すれば成長はやや速まり葉も大きく育ちます。
  • 成長がゆっくり:新しい葉が出るスピードが非常に遅く、数週間~数ヶ月かけて1枚展開するほどです。そのため頻繁なトリミング(剪定)が不要で、手間がかかりません。放っておいても水槽内で増えすぎることなく、じっくり景観を維持できます。
  • 活着が可能(水槽レイアウトが容易):アヌビアスナナは底砂に根を下ろさなくても、流木や石に自ら根を貼り付かせて成長できます。レイアウトの自由度が高く、レイアウト素材に縛り付けるだけでレイアウトに組み込めるため、初心者でも扱いやすいです。

以上のように、アヌビアスナナは「水草初心者でも失敗しにくい」要素が揃った優秀な入門種です。

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アヌビアスナナの育て方

水質と水温

アヌビアスナナは水質の適応力が高く、pH6.0~7.5程度の弱酸性~中性の水域で健全に育ちます。極端な硬水・アルカリ性でなければ家庭の水道水で問題ありませんが、理想を言えば若干軟水~中硬水の環境が望ましいでしょう。水温は22~28℃程度が適温とされます。耐寒性も比較的あり、18℃程度までなら成長が緩慢になる程度で枯れません。ただし15℃を下回るような低水温下では生育不良や葉の損傷が起こる可能性があるため、冬場はヒーターで加温しましょう。逆に30℃を超える高水温も負担が大きいので、真夏は水槽用ファン等で水温上昇を防ぐと安心です。

照明(光量)

強い光を必要としない陰性水草で、弱め~中程度の光量で十分育成できます。水槽用LEDライトで言えば、いわゆる「水草育成用」の高光量タイプでなくても、観賞魚用のライトで問題ありません。ただし真っ暗な場所ではさすがに育たないので、照明は必ず点灯しましょう。

また、強すぎる光はコケの発生を招き、葉にコケが付着しやすくなります。アヌビアスナナは葉にコケが生えやすい傾向があるため、むしろ控えめな光量で他の陰性水草と合わせてレイアウトする方がキレイに育てやすいです。

CO2添加

特別なCO2システムがなくても問題なく成長します。もともと成長が遅く二酸化炭素の要求量が少ないため、魚がいればその呼吸で供給されるCO2や水中の成分で足ります。もちろん、少量でもCO2を添加すれば光合成が促進されて葉数が増えたり新芽が出やすくなったりするメリットはあります。しかし初心者で機材を揃えない場合でも十分育てられるので、CO2無しでまずチャレンジできるのがこの植物の良いところです。

肥料(栄養)

アヌビアスナナは水中の養分を主に葉から吸収します。植え込みタイプの水草のように底床肥料は必須ではなく、基本的に肥料添加は不要とされています。水槽内の魚のフンや餌の残りから出る養分や、定期的な水換えで供給される微量な成分で十分育ちます。

それでも、新葉が小さかったり全体的に黄色味がかって栄養不足を感じる場合は、市販の液体肥料をごく少量だけ添加して様子を見る程度で構いません。成長が遅い分、過剰な肥料はかえってコケを誘発しがちなので控えめにします。また、根からの吸収もゼロではないため、もしソイル(水草用土)があれば底床からある程度の栄養供給も期待できます。

いずれにせよ、肥料よりも定期的な水換えで水質を清潔に保つことの方が、この水草を元気に育てるコツと言えるでしょう。

植え方・設置位置

基本的にアヌビアスナナは流木や石に活着させて使用するケースが多いです(活着の方法は後述)。活着させることでレイアウトの自由度が高まり、底床掃除の際にも移動が容易になるメリットがあります。また、砂利やソイルに「直植え」することも不可能ではありません。その場合は根茎(太い茎の部分)を埋めないよう注意します。根茎さえ底床の外に露出していれば、根は下方へ伸びていき自ら底床に活着していきます。逆に根茎まで土に埋めてしまうと酸素不足で根腐れを起こし、植物体全体が溶ける原因になります。

底床に植える場合は、根茎を砂利の上に横たえるように置き、上から少しだけ砂利を被せて固定するか、小石に根茎をくくり付けてそのまま底床に置く方法がおすすめです(結果的にそれも活着の一種になります)。

設置場所は、水槽内のどこでも構いませんが、強い直射の当たる場所はコケが生えやすいためできれば避け、他の流木の陰や、水槽の隅のやや薄暗い場所に配置すると調子よく育ちます。また、適度な水流が当たる場所だと葉に汚れが付きにくく、水の循環の面でも好ましいです。フィルターの水流が直接当たる必要はありませんが、淀んだ環境よりは水が動いている環境を好みます。

なお、お店ではたいてい小さなポットにウレタン(ロックウール)と一緒に植えられて販売されています。水槽に入れる前にポットとウレタンを外し、根に付いたウレタン材を丁寧に取り除きましょう。その際、複数株が一緒のポットに入っていることが多いので、株分けしてバラしておくと後の成長がゆったりして葉詰まりを防げます。作業中に葉や根が折れてしまった場合は、その部分をハサミで切り取って取り除いてください。折れた傷口から雑菌が侵入し、そこから腐敗が広がる恐れがあるためです。古く傷んだ葉や黒ずんだ根も同時にカットしておくと、新しい成長が促進されます。準備ができたら、次のセクションで述べる方法で流木や石に固定してレイアウトするとよいでしょう。

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アヌビアスナナが枯れる・溶ける原因とその対策

「丈夫なはずのアヌビアスナナを水槽に入れたら葉がドロドロに溶けてしまった…」という経験をする初心者の方も意外と少なくありません。古くから枯れにくい水草として親しまれてきたアヌビアスの仲間ですが、それでも環境次第では導入直後に溶けてしまうケースがあります。ここでは、アヌビアスナナが枯れる・溶ける主な原因と、その対策方法について解説します。

原因①:水上葉から水中葉への移行失敗

ショップで販売されているアヌビアスナナは、多くが水上で育成された「水上葉」を付けた状態です。これを水槽に入れて水中環境に置くと、水上の葉はそれまでと環境が変わるため、一旦枯れてしまうことがあります。特に導入から1週間前後で根元がドロッと溶け、葉がポロポロ取れてしまう現象は、水上葉が水中葉へ転換できずに腐敗した可能性が高いです。対策としては、枯れた葉や溶けた部分は早めに取り除くことです。根茎や根がまだしっかりしている場合、新しい環境に適応した葉(=水中葉)が再び生えてくることがあります。水中葉が展開し始めれば、その後は枯れにくくなるので、導入直後に葉が多少落ちても慌てず様子を見ましょう。また、お店で購入する際にすでに水中化(水中葉展開済み)の個体を選ぶことが予防になります。

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原因②:水質がアルカリ性に偏っていた

アヌビアスナナは弱酸性~中性を好む水草です。pHが8以上など極端なアルカリ性の水質だと、新環境に適応できず調子を崩す場合があります。特に日本の水道水は地域によって弱アルカリのこともあるため、導入直後に溶けが出た場合は水質を疑ってみましょう。対策としては、pHを弱酸性~中性に保つことです。具体的には、水換えで新鮮な水を入れて徐々に中性付近に近づけたり、アマゾニアなど酸性寄りになる底床を使う、流木やピートで水を軟化させる、といった手段があります。

ただし無理に薬剤で調整するより、水換えによる自然な安定を目指す方が無難です。また、水質以外に導入時の急激な環境変化(水温・水質の急変)もストレスになるため、しっかり水合わせを行ってから水槽に入れるようにしてください。

原因③:照明が暗すぎた/光合成不足

「弱光で育つ」とはいえ、完全に照明を当てない状態や極端に暗い環境では光合成が追いつかず、徐々に弱ってしまいます。先述の通り観賞魚用ライト程度の明るさは必要です。例えば、日中にライトを点けず部屋の薄明かりだけで飼育していると、光量不足で葉が黄ばんだり溶けたりする恐れがあります。対策はシンプルで、適切な照明を設置することです。1日あたり6~8時間程度ライトを点灯させ、植物が光合成できる時間を確保しましょう。逆に強すぎる照明も前述の通りコケの原因になるため、明るさは控えめ~中程度で十分です。葉が十分緑色を保ち、新葉がゆっくりでも出ているようなら光量は足りています。

原因④:水流が滞っていた

アヌビアスナナ自体は水流の強弱にうるさい植物ではありませんが、極端に水が淀む環境だと腐敗しやすくなります。特に根元や葉の周囲にゴミが溜まったり、コケが付きやすい状況だと、そこから溶けが広がることがあります。対策としては、適度に水流を当てることです。外部フィルターやエアレーションなどで水槽全体に緩やかな循環を作り、葉の表面に新鮮な水が行き渡るようにします。また、定期的にプロホース等で根元の汚れを吸い出し、水を清潔に保つとよいでしょう。溶け始めた葉や根がある場合、それが他の健全な部分に広がらないよう早めに取り除くことも大切です。腐った部分をそのまま放置すると周囲のアヌビアスにも伝染するように広がるケースが報告されています。見つけ次第ハサミでカットし、切り口が健康な緑色の茎になるまで除去してください。

原因⑤:根茎を埋めて植えてしまった

初心者にありがちなミスとして、アヌビアスナナを他の水草と同じように底床に深植えしてしまうケースがあります。前述の通り、根茎(地表を這う太い茎部分)を砂やソイルに埋めてしまうと、そこが酸欠状態になり腐敗してしまう場合があります。根茎が腐ると株全体が急速に溶けてしまうため注意が必要です。もし植え込んでいた根茎が茶色く腐っていたら、残念ながらその部分は助かりません。腐った箇所は諦めて切り落とし、まだ緑色の健全な部分が残っていれば、そこから仕切り直して活着させ直しましょう。

対策としては最初から根茎は底床の外に出し、活着か浅植えに留めることです。「それでもどうしても砂に植えたい」という場合は、根茎ごと小石に固定してから砂に半埋めにする手もありますが、基本は流木や石に付ける方法が安全です。

アヌビアスナナの活着の仕組みと流木・石への付け方

アヌビアスナナ最大の特徴の一つが「活着」能力です。活着とは、岩や流木などの表面に根を張り付かせて定着することを指します。野生下でもアヌビアスは川辺の岩にしっかりと根を絡めて成長していますが、水槽でも同様に流木や石に固定して育成することが可能です。では、その活着の方法について具体的に見ていきましょう。

活着のメリット

活着させることで、根茎を底床に埋めずに済むため根腐れのリスクを避けられます。また、水槽内でレイアウト素材(流木・岩)に固定できるので、レイアウトの変更や掃除の際にも株を移動しやすくなります。複数の流木に付け替えたり、レイアウトのアクセントとして自由に配置できるのも魅力です。

活着の方法

基本的な手順は、アヌビアスナナの株を流木や石の表面に仮固定し、時間をかけて根が素材に絡むのを待つだけです。仮固定の方法はいくつかあります。

そのまま置く/挟む

一部のレイアウトでは、素材に縛らず置くだけで活着させることもあります。例えば岩と岩の隙間に根茎を挟み込んだり、小石の重みで根茎を押さえつけて沈めておく方法です。うまく安定していれば数週間で根が伸びて固定されます。ただ、この方法は流木・石から落下しやすいので、やはり糸か接着剤で仮止めしておく方が無難です。

糸やテグスで縛る

最もオーソドックスな方法です。水草用の黒糸(木綿糸)や透明のテグス(釣り糸)、ビニールタイなどを使って、根茎の部分を流木や石に軽く押し当て、動かないよう巻き付けて固定します。木綿糸は時間が経つと自然に分解するため、後で糸を外さなくても勝手に消えて便利です。テグスやビニールタイは分解しないので、根が活着したらハサミで切って取り除きます。固定する際は、強く締めすぎないことがポイントです。きつく縛りすぎると茎や葉を傷つけてしまうため、株がずれない程度の適度な強さで巻き付けましょう。

接着剤で貼り付ける

最近では水槽用の瞬間接着剤で直接流木等に貼り付ける方法も一般的です。やり方は、流木や石の付けたい位置を決め、根茎の下面にごく少量のゼリー状接着剤を付けて数秒間押し当てます。ポイントは接着剤の量を最小限にすることと、葉に付けないことです。根茎部分が少しでも付けば後は根が伸びてしっかり活着しますので、盛り付けすぎないよう注意します。貼り付け後は数分で固着するので、そのまま水槽に沈めてOKです。

アヌビアスナナを流木に活着させた例です。写真のように根茎部分を流木に当てて固定すると、数週間~1ヶ月ほどで白い新根が木に貼り付き始めます。その後は糸がなくても自力で活着し続けますので、固定に使った糸やビニールタイはそっと取り除いてください。活着が成功すれば、流木ごと自由に配置換えもでき、水槽レイアウトの幅が広がります。

活着させる際の注意点

活着作業をする前に、植物に付着した不要物を取り除いておくことも大切です。ショップで購入したアヌビアスナナは農薬(殺虫剤)が付着している場合があります。エビや魚などの生体に悪影響を及ぼさないよう、流水で十分にすすぐか、専用の中和剤で処理してから水槽に入れましょう。折れた葉や傷んだ根も前述の通り取り除いておくことで、活着後のトラブルを予防できます。

アヌビアスナナの株分け・増やし方ときれいに育てるコツ

株分けによる増殖方法

アヌビアスナナは株分けで増やすのが一般的です。成長は遅いものの、順調に育てていると徐々に根茎が横に伸び、新しい芽が増えて株が大きくなっていきます。この根茎をカットして分割することで、新たな株として増やすことができます。具体的な方法は、根茎が5cm以上に伸びて葉を5~6枚以上付けるようになったら、清潔なハサミまたはカッターで根茎を切断します。2~3枚以上の葉と根が付いた部分を1単位として切り分けると安心です。それ以下だと光合成量が足りず活着に失敗する場合があります。

切断する際は、葉と葉の間の節の部分(節から根や芽が出ます)でスパッと切り離してください。切り口からバクテリアが入るリスクを減らすため、切断面に市販の植物用活力剤(メネデール等)を塗っておくとより安全です。分けた株は、改めて先述の要領で流木や石に活着させれば、新しい個体として成長していきます。株分け直後は一時的に成長が止まりますが、環境になじむと再び新芽を出し始めます。なお、一度活着した根は石などから外すときに切れてしまっても問題ありません。根茎が健康ならまた新しい根を出します。

美しく育てるコツ

アヌビアスナナは手がかからない反面、放置していると葉にコケが生えたり、いつの間にか調子を崩すこともあります。長期間きれいな状態で育成するポイントを押さえておきましょう。

コケ対策

最大の敵は葉に付くコケ(藻類)です。特に硬くて成長の遅い葉には、緑の斑点状コケ(スポット苔)や黒ひげ状のコケが付きやすい傾向があります。予防策としては、強すぎる光を避けること、そして適度に水流を当てることです。先にも述べたように薄暗い環境で他の陰性水草と一緒に育てればコケは生えにくくなります。

また、水槽内にヤマトヌマエビやオトシンクルスなどのコケ取り生体を導入するのも効果的です。彼らが常に葉の表面を掃除してくれるため、コケの発生を抑えられます。すでに付着してしまったコケは、放置すると拡大するので、早めに対処しましょう。

古い葉の剪定

時間が経つと下葉が徐々に傷んだり、黄色くなる葉が出てきます。そうした劣化した葉は早めに取り除くようにしましょう。ハサミで根元からカットすれば、新しい芽に栄養を回すことができます。葉が茂りすぎて重なり合う場合も、適度に間引いてあげると下の方の葉にも光が届き、全体的に調子が良くなります。もっとも、成長が遅いので頻繁なトリミングは不要です。半年~1年スパンで様子を見て、傷んだ葉だけ摘み取るくらいで十分です。

適度な栄養供給

基本的に肥料なしで育つとはいえ、長期維持していると水質が栄養枯渇気味になることがあります。葉が薄い黄緑色になったり、新葉が小さく出た場合は栄養不足かもしれません。そんな時は液肥を少量添加してみましょう。ただし、くどいようですが入れすぎは禁物です。目安としては説明書の半分以下の量を1~2週間おきに入れる程度に留めます。肥料添加よりも定期的な水換え(例えば週1回1/3交換)で水槽水をリフレッシュする方が、コケの発生を抑えつつ栄養補給できて安全です。

環境の安定

アヌビアスナナに限らず水草全般に言えることですが、環境変化が頻繁に起こるとストレスになります。レイアウト変更や照明時間の極端な変更、水質の急変はなるべく避け、安定した環境を維持しましょう。特に一度活着したアヌビアスナナは動かさずそのままにしておく方が根をしっかり張り巡らせて健康に育ちます。掃除の度に持ち上げたりしないよう注意します(流木ごと動かす分には構いません)。

これらのポイントを押さえれば、アヌビアスナナは驚くほど手間いらずで美しい緑を長期間楽しませてくれるはずです。

アヌビアスナナの種類(ナナプチ、ゴールデン、バルテリーなど)

アヌビアスナナには、さまざまな品種(カラーバリエーションやサイズ違い)が存在することも人気の理由です。また、同じアヌビアス属の別種も含めると大型~小型まで多彩です。ここでは代表的な種類を紹介します。

アヌビアス・ナナ(標準種)

一般的なアヌビアスナナです。濃い緑色の厚い葉を持ち、葉径3~4cmほど。高さ5~10cm程度にまとまります。丈夫さは折り紙つきで、初心者がまず手にする基本種でしょう。流通量も多く価格も手頃です。迷ったらまずこのナナを選べば間違いありません。

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アヌビアス・ナナ “プチ”

ナナの極小タイプで、「ナナプチ」と呼ばれます。通常のナナよりさらに小型です。葉っぱは1~2cm程度と小さく、全体の高さも3~5cmほどにしかなりません。極めて成長が遅いですが、その分レイアウト維持が容易です。小型水槽の前景や流木の先端にちょこんと付けるアクセントに最適です。同じく丈夫で育て方は通常のナナと変わりません。

アヌビアス・ナナ “ゴールデン”

葉の色が明るい黄緑色になる改良品種です。ゴールデンの名の通り水槽内で映えるライトグリーンの葉色が特徴で、通常の濃緑のナナと寄せ植えするとカラーコントラストが美しいです。サイズや形状は通常のナナとほぼ同じで、育成条件や丈夫さも変わりません。水槽を明るい印象にしたい場合に取り入れてみると良いでしょう。

アヌビアス・バルテリー

ナナの原種であり大型版とも言える存在です。葉は楕円というよりやや細長く大きく、20~40cm程度の高さに育つこともあります。大型水槽の中景~後景で活用され、流木に活着させてダイナミックなレイアウトを作るのに向いています。葉が大きい分、ナナ以上にコケが付きやすい点は注意ですが、基本的な育成要件はナナと同様でとても丈夫です。ナナより入手性難易度はやや上がりますが、水草専門店などで見かけます。

その他のアヌビアス属

アヌビアスの仲間は他にも数多く存在します。例えばアヌビアス・コーヒーフォリア(アヌビアス・バルテリー “コーヒーフォリア”)は葉脈が凹凸してコーヒーの葉のような質感を持つ品種で、中型サイズの人気種です。アヌビアス・グラキリスやアフゼリーといった細長い葉の種類もあり、ユニークな葉姿でコレクション性があります。また、葉に白や黄色の斑が入る斑入りアヌビアスも観葉植物的な美しさで珍重されています。ただしこれらは流通量が少なく上級者向けかもしれません。まずは手に入りやすいナナやナナプチから育て、余裕が出てきたら他の品種にもチャレンジすると良いでしょう。

アヌビアスナナのレイアウト例

丈夫で扱いやすいアヌビアスナナは、様々なアクアリウムレイアウトで重宝されています。ここではアヌビアスナナを使ったレイアウトの一例と、レイアウト時のポイントを紹介します。

まず、典型的なのは流木に活着させてレイアウトの主役にする使い方です。流木に複数株のアヌビアスナナを括り付けておけば、それだけで水草レイアウトの骨格ができあがります。流木の枝ぶりに沿ってナナの葉が茂れば、水中に沈む倒木に新芽が芽吹いたような、自然かつ趣深い景観を演出できます。特に陰性水草レイアウトや熱帯雨林の水辺をイメージしたアクアスケープによくマッチします。また、ナナプチなど小型の品種は流木の先端や細かい枝分かれ部分に付けることで、より繊細なレイアウトを楽しめます。

次に石(岩)への活着も定番です。岩にナナを固定すると、硬質なレイアウト素材に柔らかな緑のアクセントが加わり、レイアウトにメリハリが生まれます。岩の隙間にナナを配置することで、殺風景になりがちな石組みに自然感をプラスできます。濃い緑色の葉はレイアウト全体の引き締め役となり、水槽内に落ち着いた雰囲気を与えてくれます。また、アヌビアスナナはレイアウト素材に固定してあるため掃除の際も動かしやすく、水槽管理が楽になるメリットもあります。このように初心者でも扱いやすいナナを上手に配置すれば、シンプルながら美しいレイアウトを長期間維持できます。

他にも陰日向のバランスを取る脇役として使う方法もあります。たとえば明るい照明下で有茎草(水草レイアウトの主役となる茂る草)を育てている水槽でも、陰になる部分にナナを植えることで空間を埋めつつコケ防止に役立てるというテクニックがあります。ナナは陰でこそ力を発揮するため、グロッソスティグマなどの前景草で開けたエリア以外の、石と石の間や流木の根元など光の当たらない隙間に配置するのにうってつけです。こうすることでレイアウト全体に統一感が出て、かつ水槽内のあらゆる層に植物が行き渡る豊かな景観になります。

また、アヌビアスナナはアクアテラリウムやパルダリウムといった水上レイアウトでも活躍します。湿度の高い環境下であれば岩や流木に活着したまま水上葉を展開し、陸上植物のように育てることも可能です。水中と水上、両方で楽しめる柔軟性もこの植物の魅力と言えるでしょう。

まとめ

以上、アヌビアスナナに関する育成ガイドでした。初心者でも扱いやすいとはいえ、最初は戸惑うこともあるかもしれません。本記事のポイントを参考に、ぜひアヌビアスナナを元気に育ててみてください。

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他の水草の特徴や育て方も知りたい方は、総合解説ページである「水草図鑑」もぜひご覧ください。

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