ボルビティスヒュディロティの育て方|黒くなる・溶ける原因と活着のコツも解説

ボルビティス・ヒュディロティは、美しい深緑の葉を持つ人気の水草です。この記事では、アクアリウム初心者に向けてボルビティス・ヒュディロティの基本的な育て方から、よくあるトラブルの対処法まで詳しく解説します。育成のコツや失敗談も交えながら、誰でもきれいなボルビティスを育てられるよう解説します。

ボルビティス・ヒュディロティの特徴と魅力

ボルビティス・ヒュディロティはアフリカ原産の水生シダ(シダ植物)で、その切れ込みの深い透明感のある葉と濃い緑色が特徴です。葉は細かく羽状に分かれ、波打つような形状をしており、水流に揺られる姿はとてもエレガントです。成長するとボリュームのある茂みになり、水槽にまるで熱帯の水辺のような雰囲気を演出できます。
この水草は陰性水草と呼ばれるカテゴリに属し、弱めの照明でも育成可能でCO2添加なしでも育てられる丈夫さを持ちます。その手軽さと、レイアウト素材(流木や石)に活着して成長する性質から、アクアリウムで非常に人気が高いです。特に中型〜大型水槽の中景〜後景によく用いられ、他の水草では出せない深い森のような景観を作り出せる点が魅力と言えるでしょう。

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ボルビティス・ヒュディロティの育て方

ボルビティス・ヒュディロティは成長が遅いことで有名です。しかし、環境が安定していれば新芽は少しずつ展開してきますので、気長に育ててください。元気に育てるためには、以下のポイントに注意しましょう。

光量(照明)

低〜中程度の光量で育成可能ですが、あまりに暗すぎると成長が遅くなります。理想的には水槽用ライトで一定の明るさを確保しましょう。強すぎる直射日光や過度な照明はコケ(藻類)を招きやすいので避け、程よい光で葉の美しさを保ちます。

水温

23〜26℃前後が適温です。高温には弱く、28℃以上になると「シダ病」と呼ばれる現象(後述)が発生しやすくなります。夏場はファンやクーラーで水温管理をし、冬場も極端な低水温(20℃以下程度)にならないようヒーターで調整しましょう。

CO2添加

二酸化炭素(CO2)の添加なしでも育てられる陰性水草ですが、CO2を少量添加すると成長スピードが上がり、葉も一回り大きく育ちます。大型水槽でより迫力ある姿にしたい場合はCO2添加がおすすめです。ただし初心者でCO2設備がない場合でも問題なく維持できるので安心してください。

水質(pHと硬度)

弱酸性〜中性(目安としてpH6〜7前後)の水質を好みます。水道水がアルカリ性寄りの場合は、ピートやpH調整剤で弱酸性に整えておくと安心です。アルカリ性では葉にコケが生えたり枯れやすくなることがあるので注意してください。また、週1回程度の定期的な水換えは行いましょう。

肥料(栄養)

ボルビティス・ヒュディロティは水中の養分を主に葉や根(根茎)から吸収します。CO2無添加・低光量でも育つ反面、成長が遅い分だけ栄養不足になりにくいですが、定期的な液体肥料の添加は効果的です。不足を感じたら水草用の液肥を少量与えて様子を見ましょう。ただし入れすぎはコケの原因になるため注意が必要です。

水流

適度な水流の維持も心がけましょう。葉にゴミが溜まらないよう水流が行き渡る配置にすると良いです。

流木や石への活着方法とコツ

ボルビティス・ヒュディロティは底床に植えず、流木や石などに根を活着させて育てるのがおすすめです。下記に活着させるための手順を解説します。

  1. 活着させる土台の準備: 使用する流木や石は、あらかじめ水に沈めて十分湿らせておきましょう(新しい流木は浮きやすいため)。素材の形状は、ボルビティスの根(根茎)が安定して接する面があるものがおすすめです。
  2. ボルビティスの下準備: 購入直後の株や他の水槽から移す株は、傷んだ葉や黒ずんだ葉をあらかじめカットして取り除きます。特に水上葉(陸上で育った葉)が付いている場合、水中では溶けやすいので思い切って剪定しましょう。根茎(地下茎)は黒褐色でしっかりしている部分を残し、腐っている箇所があれば削ぎ落とします。
  3. 糸などで固定: ボルビティスの根茎を流木・石の表面に当て、木綿糸や釣り糸(テグス)などで優しく巻き付けて固定します。強く締めすぎると根茎を傷めるので注意しましょう。必要に応じて水草用接着剤を併用すると手軽に貼り付けることもできます。
  4. 水槽に設置して様子を見る: 固定できたら、その流木や石ごと水槽内のレイアウトしたい位置に置きます。植え付け直後は根がまだ活着していないため、水流や魚の動きで浮いてしまうことがあります。念のためしっかり固定されているか確認し、不安定な場合は重りをつけるか他のレイアウト素材に挟むなどして動かないようにします。

活着が成功すると、1~3ヶ月ほどで新しい根が流木や石に貼り付いていきます。その頃には巻き付けた糸を外せるくらいに安定するでしょう。一度活着してしまえば、その後は簡単に外れません。注意点として、ボルビティスの根茎は底砂の中に埋めないようにしてください。根茎が埋まると酸素不足で腐ることがあり、「溶ける」原因になります。私も初めてボルビティスを手に入れた際、何も知らずに砂に植えてしまい、数株枯らしてしまった失敗があります。この経験からも、流木や石などに活着させれ育てるのが上手な飼育のポイントと言えるでしょう。

よくあるトラブルと対処法

ボルビティス・ヒュディロティは比較的丈夫な水草ですが、環境や管理によってはいくつかのトラブルが発生することがあります。ここでは、初心者が陥りがちな症状と原因、および対策を解説します。

葉が黒くなる場合

葉が黒く変色する場合、大きく2つの原因が考えられます。一つは古い葉が枯れて劣化した状態で、もう一つは黒髭コケなどのコケが付着して黒く見えている状態です。古くなった葉は光合成能力が落ち、徐々に黒っぽく変色して枯れていきます。この場合はトリミングで古い葉を根元からカットし、新芽の成長にエネルギーを回しましょう。
一方、葉表面が黒い産毛のようなコケで覆われているなら黒髭ゴケの発生です。これは水槽内の栄養過多やCO2不足、照明過多などで発生しやすいコケです。対策として、水換えを増やして栄養の過剰な蓄積を防ぐ、照明時間を短縮する、またはヤマトヌマエビやオトシンクルスといったコケ取り生体に食べてもらう方法があります。黒くなった葉は復活しないことが多いので、見た目が悪い場合は思い切ってカットし、新しい葉に更新していくと良いでしょう。

葉が茶色く溶ける(シダ病)の場合

葉が茶色く透けて溶けていく現象は、通称「シダ病」と呼ばれます。比較的新しい葉が茶色く変色し崩れていくのが特徴で、高水温や水流不足、株の過密といった環境ストレスが原因です。対策としては、水温を下げ(25℃以下を目安)、茂りすぎている場合は株を間引いて水通しを良くし、発症した葉は早めに取り除きましょう。それでも症状が止まらない場合、根茎だけ残して全ての葉を切り落とすと思い切った方法で新芽を促すこともできます。

全体的に枯れてしまう場合

ボルビティス全体が元気を失い枯れる場合、光量不足・栄養不足・水質悪化・根茎の腐敗など複数の要因が考えられます。ボルビティスは陰性植物とはいえ、照明が暗すぎると葉が小さく弱ってしまうため、より明るい場所に配置するか照明を見直します。栄養が足りない場合は液肥を適量追加し、逆に肥料過多でコケが蔓延している場合は水換えを増やすなど調整しましょう。pHの急変や有機物の蓄積にも注意が必要です。定期的な水換えとフィルター清掃で水質を安定させてください。また、根茎が傷んでいるとそこから腐敗が広がるため、腐った部分は早めに取り除き、健康な部分を救出して再活着させると回復の見込みがあります。

ボルビティス・ヒュディロティの増やし方(株分け)

ボルビティス・ヒュディロティは成長するにつれて根茎が横に伸び、枝分かれして新しい芽が出てきます。一定の大きさまで育ったら、株分け(根茎の分割)によって増やすことが可能です。
増やすタイミングとしては、元の株から子株がしっかりと2〜3枚以上の葉を付けているときが目安です。ハサミで根茎を切り離す際は、各株に十分な葉と根(細かい根)が付いている状態で分けましょう。切り離し後はいったん成長が止まることがありますが、環境が良ければやがて新芽が展開してきます。
増やすときの注意として、あまりに小さいうちに分割すると子株が体力負けして溶けてしまうことがあります。株分けは一度に株数を増やしたいところですが、焦らず十分に成長した株を見極めてから行いましょう。また、株分け直後は環境変化で一時的に成長が滞ることもあるため、水質を安定させストレスを減らしてあげることが大切です。

レイアウトに活かすポイントと配置例

ボルビティス・ヒュディロティはレイアウト次第で水槽の雰囲気を大きく変える存在感を持っています。配置場所としては、中景〜後景にボリュームを出したい場合に最適です。高く伸びる葉を活かして、流木の枝先や岩の上部に活着させると、水槽内で自然なアクセントになります。60cm以下の水槽では後景の主役、90cm以上の大型水槽では中景のアクセントとして使うとバランスが良いでしょう。複数株を配置する場合は、少し間隔を空けておくことで成長後に適度な広がりを持たせられます。
レイアウトのテクニックとして流木と組み合わせるのが定番です。枝状流木の先端や股の部分にボルビティスを活着させると、あたかも流木からシダが自生しているようなナチュラル感が出ます。また、同じ陰性水草であるウィローモスやアヌビアス・ナナなどを一緒に活着させると、質感の違う緑が加わり立体感が増します。葉が大きく広がる分、水草の下に陰影ができやすい点にも注意しましょう。放置すると周囲を覆ってしまうことがあるため、古い葉を適度に間引いて光が通る隙間を作るように心がけてください。綺麗に育ったボルビティスは単体でも存在感抜群なので、水景のテーマに合わせて配置を工夫し、美しい景観を目指してみてください。

初心者がやりがちな失敗と回避策

ボルビティス・ヒュディロティの育成で初心者が陥りやすい失敗例と、その対処法をいくつか挙げます。同じ轍を踏まないよう、事前にチェックしておきましょう。

  • 根茎を砂に埋めてしまう: 繰り返しになりますが、根茎を埋めると腐って枯れてしまいます。つい他の水草と同じように植え込んでしまいがちですが、なるべく流木や石に固定して育ててください。
  • 活着が不十分で浮いてしまう: 糸の巻き付けがゆるかったり、活着前にレイアウトを頻繁に動かすと、せっかく固定したボルビティスが浮かんで流れてしまうことがあります。活着が完了するまでは触らず安定させること、また浮いてきてしまった場合は面倒でも再度しっかり固定し直すことが大切です。放置するとそのまま調子を崩してしまいます。
  • 夏場の高水温対策を怠る: 特に初心者は水槽用クーラーまでは用意していないことも多く、真夏に水温が30℃近くまで上がってシダ病で全滅…というケースが少なくありません。ファンでの送風やエアコンで室温管理をする、こまめな水槽の水温チェックをするなど、夏は想像以上に水温が上がる点に注意しましょう。
  • 強すぎる光でコケだらけに: 早く育てようと強力な照明を当てすぎたり、直射日光が当たる場所に水槽を置いてしまうと、ボルビティスの葉にコケが繁茂してしまいます。一度コケだらけになると見栄えが悪く管理も大変なので、適度な光量と照射時間に留めること、またコケの予防・対策(オトシンクルス、やヤマトヌマエビの導入など)が重要です。
  • トリミングと清掃の怠り: 成長がゆっくりなため放置しがちですが、古い葉のトリミングや葉表のコケ・汚れ取りは定期的に行いましょう。放置すると前述のシダ病の誘発やコケの蔓延につながります。葉をカットしてもまた新芽が出てきますので、怖がらずメンテナンスしてください。

以上の点に気を付ければ、初心者でも失敗を大幅に減らすことができます。特に夏場は管理が難しく、調子を落としやすいので注意して下さい。

他の水草との比較と相性

ボルビティス・ヒュディロティは単体でも魅力的ですが、他の水草との組み合わせを知っておくとレイアウトの幅が広がります。同じく流木や石に活着するミクロソリウム(ナローリーフやトライデントなどの種類あり)やアヌビアス・ナナは、ボルビティスと並んで陰性水草の定番です。これら3種は「陰性水草の御三家」的な存在で、相互に相性が良いです。ミクロソリウム、アヌビアス・ナナは葉姿が異なる様々な種類があり、ボルビティスの細長い葉とうまくなじませたり、対照的なコントラストを生んだりすることが可能です。
また、最近人気のブセファランドラ類も活着する陰性水草として相性抜群です。ボルビティスの足元にブセファランドラを配して大小の葉の対比を楽しむレイアウトも面白いでしょう。明るい緑の有茎水草(ロタラやハイグロフィラなど)とも競合はしませんが、ボルビティスの葉陰になりやすいので配置には工夫が必要です。
他の水草との比較詳細については当ブログの「水草図鑑」にも掲載していますので、興味があれば参考にしてみてください。各水草の特徴や育成条件を知ることで、ボルビティスとの組み合わせ方が見えてくるはずです。

購入方法とおすすめの入手先

ボルビティス・ヒュディロティは、水草専門店やアクアリウムショップで購入できます。店頭では水上葉や流木付きの活着済みセットとして売られていることもあります。価格は1株あたり1000円前後とやや高価ですが、状態の良いものを選べば長く増やして楽しめるでしょう。購入の際は、葉が黒ずんでいないか、根茎がしっかりしているか確認してください。
また通販を利用する方法もあります。国内の大手通販サイトでは、品質管理された水草を迅速に届けてくれます。ただし、夏季や冬季の配送では水草が傷みやすいため、発送時期や梱包に配慮しているショップを選ぶと安心です。
入手したボルビティスは、できれば水槽に入れる前に軽く水洗いしてスネール(小型の貝)や異物が付着していないか確認するとベターです。いずれの方法で入手するにせよ、手に入れた株を大切に育て、ぜひ自分の水槽で立派に成長させてみてください。

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まとめ

ボルビティス・ヒュディロティは、その美しい深緑の葉と独特な存在感で、レイアウト水槽を格上げしてくれる水草です。初心者でもポイントを押さえれば十分育成可能ですが、成長がゆっくりなぶん管理のコツや根気が求められます。本記事で紹介した育て方の基本やトラブル対策、レイアウト術を実践して、ぜひあなたの水槽でもきれいなボルビティスを茂らせてみてください。適切なケアを続ければ、新芽が次々と展開し、やがて水槽内に“小さな森”が出現することでしょう。その達成感と癒しの景観を味わえるのも、ボルビティス育成の大きな醍醐味です。楽しみながらチャレンジしてみてください。

他の水草の育成情報も知りたい方はこちらをご覧ください。

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