ニードルリーフルドウィジアの育て方|植え方、増やし方から赤くならない理由と対策まで徹底解説
ニードルリーフルドウィジア(学名: Ludwigia arcuata)は、細長い赤い葉が美しい人気の水草です。比較的育成が容易で、初心者でも水槽レイアウトに鮮やかな赤色のアクセントを加えることができます。本記事では、ニードルリーフルドウィジアの基本的な育て方から、赤く美しく育てる方法、水上葉と水中葉の違いまで詳しく解説します。

目次
ニードルリーフルドウィジアの特徴と基本情報
ニードルリーフルドウィジアは北米原産の有茎水草で、ルドウィジア属に分類されます。同属のルドウィジア・ブレビペスとよく混同されますが、ブレビペスの方がやや葉が大きめです。名前のとおり葉先が針のように細長く尖った形状をしており、葉の長さは約2~3cm程度です。水中で育成すると茎と葉がオレンジ~赤色に色づき、強い光量下ではより鮮やかな赤い発色を見せます。最大で高さ50cmほどに生長しますが、成長速度は比較的ゆっくりめなので扱いやすいでしょう。


レイアウトでの魅力と役割
ニードルリーフルドウィジアは水槽レイアウトにおいて赤い差し色として重宝されます。細く繊細な赤系の葉は緑の水草とのコントラストが強く、配置するだけで一気に水景が華やかになります。特に群生させると密生した赤い茂みとなり、レイアウトの後景や中景のアクセントとして存在感を発揮します。小型の葉を持つため小型水槽でも迫力を損なわず使用でき、トリミング次第では前景から中景への繋ぎ役としても活用できます。
また、生長が爆発的に速いタイプではないためレイアウトの形を維持しやすく、定期的なトリミングで綺麗な草姿を保てます。他の水草(例えば明るい緑色のロタラ類や前景のパールグラスなど)との色彩バランスを取る目的で取り入れると、水景に奥行きと変化を与えることができます。初心者レイアウトでも一本赤系の水草を入れるだけで一段と映えるため、ニードルリーフルドウィジアは入門に適した赤系水草と言えるでしょう。
ルドウィジアの種類と特徴~育て方から増やし方まで解説~はこちら
育て方の基本
ニードルリーフルドウィジアを元気に育てるための基本環境について、以下にポイントを整理します。
水温・水質
ニードルリーフルドウィジアは水温や水質の適応範囲が広く育て方は容易な部類です。水温は20~28℃程度が適し、pHは弱酸性~中性域(5~7前後)で問題なく育ちます。極端な軟水よりは適度に硬度(ミネラル分)がある水を好み、純水に近い極端な軟水環境では生長が停滞することがあります。必要に応じてミネラル添加剤等で硬度(GH/KH)を少し補うと良いでしょう。
光量
強めの照明を好みます。弱い光だと茎が間延びし、下葉が落ちやすくなるため、できれば水槽サイズに見合った高光量ライトを用意しましょう。目安として60cm水槽なら20W蛍光灯3本以上(またはそれ相当のLED照明)など、明るめの環境が望ましいです。
CO2(二酸化炭素)
添加なしでも育成できますが、CO2添加があると成長が早まり発色も良くなります。特に美しく赤く育てたい場合はCO2の添加がおすすめです(60cm標準水槽で1秒に1滴程度が目安)。CO2無しでも緩やかに育ちますが、その場合は光量や肥料バランスを調整し、コケの発生に注意します。
底床
特別な培養土でなくても育ちます。ソイル(土系底床)なら栄養豊富で成長が早まりますが、富栄養ゆえにコケが出やすく下葉が痛むことがあります。大磯砂や川砂などの場合は、水中肥料(固形肥料)や液体肥料で補いましょう。根からの養分吸収もしますが、水中の養分にもよく反応するため、底床の種類にはそれほど神経質にならなくて大丈夫です。
肥料
肥料切れには注意しましょう。ただし硝酸塩が多すぎる環境では緑色が強まり赤みが出にくくなるため、適度に栄養をコントロールすることがポイントです。鉄分を添加するのも有効です。魚が多い水槽では過剰な硝酸塩が蓄積しないよう適度に水換えを行います。新しく立ち上げたばかりの肥料分豊富な水槽より、安定した水槽環境の方が調子良く育つ傾向があります。
ニードルリーフルドウィジアの植え方
ニードルリーフルドウィジアの植栽方法(植え方)について、手順とコツを説明します。初めて植える際は以下のステップを参考にしてください。
株の準備: 購入時にポット(鉢)入りの場合はポットから慎重に取り出し、根についたロックウールを流水でほぐしながら取り除きます。バラの束で購入した場合は、巻いてあるウレタンや重りを外し、1本1本に分けましょう。水上葉の状態で売られている場合も多いですが、そのまま植えて問題ありません。(水中葉として馴染むまで、初期は葉が溶ける可能性があります。)
下葉の処理: 茎の下部(植える部分)についた葉は、傷んでいたり埋まってしまう場合があります。植え込む際に土に埋もれる葉はあらかじめ取り除き、茎だけの状態にします。そうすることで埋まった葉が腐って水を汚すのを防ぎ、茎が直接底床に触れて発根しやすくなります。
植栽(植え付け): ピンセットを使って茎の根元を挟み、底床に差し込みます。深さは1~2cm程度埋まるようにして、茎が安定するまでそっと差し込みましょう。あまり浅いと浮きやすく、深すぎると新芽の展開が遅れるので注意します。複数本植える場合は、茎同士を少し離して(5mm~1cmほど隙間を空けて)植えると、光が当たりやすく根づきも良くなります。最初はまばらでも、成長すれば隙間を埋めるように繁茂します。
固定と初期ケア: 植えた直後は根が張っておらず浮きやすいです。もし植えてもすぐ浮いてしまう場合は、おもりをつけて沈める方法も有効です。鉛など金属製のテープは水質に影響を及ぼす可能性もあるため、リングろ材などに挿すのがおすすめです。植栽後しばらくは強い水流を直接当てないようにし、新芽が展開して根付くのを待ちます。水上葉のままの葉は環境変化で溶けたり枯れたりする場合がありますが、新しい水中葉が出てくるので心配いりません。古い葉が傷んできたら早めに取り除き、新芽の成長を促しましょう。
増やし方・繁殖方法
ニードルリーフルドウィジアの増やし方は、一般的な有茎草と同様にトリミングした茎を差し戻す方法が中心です。具体的には、十分に成長して高さが出てきた茎をハサミでカットし、その切り取った上部の茎を新たに底床に植え直します(差し戻し)。切り戻された元の株(下部の茎)は、切り口付近の節から新しい芽(脇芽)を出して再生しますので、そのまま残しておけば横に枝分かれして茂みがボリュームアップします。差し戻した上部も根付けば新たな一本として成長するため、1本の茎をカットすることで2本に増やすことができます。
このようにトリミングと差し戻しを繰り返せば、徐々に株数を増やしつつ密度の高い美しい赤い茂みを作り出すことができます。成長速度が適度なので、放っておいてもジャングルになる心配は少ないですが、計画的に差し戻しを行うことでレイアウトのボリューム調整や形作りがしやすくなります。
トリミング方法とコツ
トリミングもニードルリーフルドウィジアの育成管理では重要な作業です。適切なトリミングによって草姿を整え、健康的な新芽の成長を促すことができます。ニードルリーフルドウィジアは剪定に非常に耐性が高い水草です。切れば切るほど脇芽が増えて、何度でもトリミング可能です。
- タイミング: 茎が水槽の高さに達したり、密生して下の方の葉が光不足で落ち始めたりしたらトリミングのタイミングです。放置すると水面を覆って横に広がったり、水上に顔を出してしまったりします。定期的に切り戻しましょう。目安として、高光量+CO2環境では数週間~1ヶ月に一度、低光量無添加環境なら成長に合わせて1~2ヶ月に一度程度です。
- 切り方: 清潔でよく切れる水草用ハサミを使い、葉の付け根(節)より少し上の位置でカットします。節のすぐ上で切ることで、残った下部の節から脇芽が出やすくなります。長く伸びすぎた場合は一度に半分程度の高さまで大胆にカットしても構いません。切り口が潰れたり角度が斜めにならないよう、ハサミでスパッとまっすぐ切るのがコツです。
- トリミング後の処理: 切り取った上部は増やしたい場合は差し戻します。もう増やさない場合や本数を間引きたい場合は処分してください。トリミング後しばらくは下部から複数の新芽が出てきて枝分かれし、より茂みがボリュームアップします。密生しすぎて光が届かない部分が出てきたら、適宜間引きや追加のトリミングを行いましょう。こうすることで下葉まで光が当たり、全体を健康に保てます。
ニードルリーフルドウィジアを赤く育てる方法
ニードルリーフルドウィジアが赤くならない場合に考えられる原因と、赤くするためのコツを以下にまとめます。
- 強い光を当てる: 赤系の水草全般に言えることですが、光量が弱いと十分に発色しません。ニードルリーフルドウィジアも、強い照明下で育成することで葉がより赤く色づきます。照明時間は8時間前後、光量はできるだけ確保しましょう。
- 硝酸塩を抑えめに: 水中の硝酸塩濃度が高すぎる環境では、葉が緑っぽくなり、赤色発色が鈍くなります。魚が多い水槽や餌やり過多、水換え不足だと硝酸塩が蓄積しやすいです。赤く育てたい場合は、適度に硝酸塩を制限しましょう。ただし、極端に不足させると成長不良や枯死を招くため、バランスが重要です。
- 鉄分などを与える: 赤い色素の合成には鉄分などの栄養素が関係しています。定期的に鉄分強化系の液肥を添加することで、発色をサポートできます。特に硝酸塩を控えている場合、他の栄養が不足しないよう適切に補給しましょう。
- CO2添加: CO2がある環境では光合成が活発になり、新芽の展開スピードが上がります。結果として光量と栄養をフルに活かせるため、CO2無しより発色が良くなる傾向があります。赤色を目指すならCO2添加は強い味方です。
- 新芽に期待する: 一度緑っぽく育ってしまった既存の葉を真っ赤に変えるのは難しいです。環境を整えてもすぐには赤くならない場合、新しく出てくる新芽に注目してください。環境改善後に展開した葉こそ赤くなりやすく、古い葉との違いが出てきます。赤くするには多少時間も必要で、条件を揃えて根気強く育成することで徐々に赤みが増していきます。
水上葉と水中葉の違い
ニードルリーフルドウィジアに限らず、多くの水草は水上葉(陸上や水面上で育った葉)と水中葉(水中で育った葉)で姿が大きく異なります。本種の水上葉と水中葉の主な違いは次のとおりです。
- 水上葉: 空気中で育った葉。厚みがあり丸みを帯びた形状で、色は緑色~淡い橙色です。茎は地を這うように横に広がり、節ごとに根を下ろして増殖します。環境によっては小さな黄色い花を咲かせることもあります。水上葉は陸上の環境に適応しているため、葉質がしっかりしており丈夫ですが、水中ではそのまま長く生存できません。
- 水中葉: 水中環境で展開した葉。ニードル(針)の名のとおり細く長い線状の葉になり、色もオレンジ~赤が強く出ます。水中葉は柔らかくしなやかな質感で、密生すると繊細な草姿になります。光量が十分なら葉と葉の間隔も詰まり、美しい茂みを形成します。

ショップで購入する場合、「水上葉」で育成された株は水槽に入れてから水中葉へ形態が変化するまでに時間がかかります。水上葉のままでは緑色であまり赤くありませんが、環境に慣れて新しく出る葉は次第に赤く細い水中葉に変わっていきます。最初のうちは古い水上葉が溶けたり枯れ込んだりしますが、これは自然な移行プロセスです。焦らずに新芽が展開するのを待ち、枯れた葉は適宜取り除いてください。水上葉から水中葉への変化を楽しめるのも育成の醍醐味です。
その他のよくあるお悩み
茎がちぎれやすい
ニードルリーフルドウィジアの茎や葉はやや繊細でちぎれやすい側面があります。特に水中葉は柔らかいため、植え込み時やレイアウト変更で引き抜く際にポキッと折れてしまうことがよくあります。また、根が張る前の状態では少し触れただけで茎ごと浮いてしまうこともあります。これは本種に限らず細い有茎草全般に言えることですが、扱う際は優しく丁寧に行うことが大切です。もし茎が折れてしまっても、折れた先端を差し戻せばまた根付きますので落ち着いて対処しましょう。特にトリミング直後や植え替え直後は不安定なので、強い水流や生体による引っ張りに注意し、早めに根付かせることでちぎれにくくなります。
植えてもすぐに浮いてしまう
植えてもどうしても浮いてきてしまう場合、おもりを使う方法があります。上手なおもりの使い方は以下の通りです。
- 重りを用意: リングろ材や鉢巻きタイプの水草用おもりを用意します。
- 束ねて挿す・巻く: ニードルリーフルドウィジアの茎を2~5本まとめて束にし、リングろ材に挿すか、根元付近に重りを優しく巻き付けます。一度にあまり太い束にせず、茎を潰さない程度の力加減で扱うのがコツです。
- 底床に沈める: 重りを巻いた部分ごと底床に埋め込みます。重りが見えると見栄えが悪いので、底床の中に隠れるように沈めましょう。重りの効果で浮かずに安定します。
- 根付いたら外す: 植えた茎にしっかり根が生えて固定されたら、重りは外しておく方が無難です。
まとめ
ニードルリーフルドウィジアは、適切な環境とケアを行えば初心者でも美しく育てられる水草です。 赤く色づいた繊細な葉は水槽の景観を一層引き立ててくれるでしょう。ぜひチャレンジしてみてください。


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