ウォーターダイヤ(ルドウィジア・セドイデス)は浮かべると枯れる?植え方・育て方・赤くする方法まで初心者向けに徹底解説
ウォーターダイヤは、トランプのダイヤ形にも似た小さな菱形の葉が円形に連なる美しい水草です。日本ではウォーターダイヤの他、ルドウィジア・セドイデスなど別名でも流通しています。一見すると浮き草にも思えますが、根を土壌に張る「有茎水草」です。この記事では、ウォーターダイヤの特徴と育成方法、増やし方や注意点について解説します。
目次
ウォーターダイヤの特徴
- 分類・学名:アカバナ科チョウジタデ属(Ludwigia sedoides)。
- 流通名:ウォーターダイヤ、ルドウィジア・セドイデス、モザイクプラント(Mosaic Plant)と呼ばれることもあります。
- 大きさ:葉のサイズ約1cm、茎の長さ10cm以上。水面に葉を広げるため、横方向への広がりも含め直径15cm前後のボリュームになります。
- 育成難易度:簡単です。特に屋外の陽射し下では育成しやすいです。
- 成長速度:速いです。条件が整えば次々と新芽を展開して増えていきます。
- 適したレイアウト:1株で主役級の水草で、単独でビオトープ(水鉢)に浮かべて観賞するのに最適です。広がった葉陰はメダカなど小魚の隠れ家にもなります。水槽レイアウトでは水面を飾るアクセントになります。
- 葉の特徴:葉は水面に放射状に広がり、環境によって葉色が緑から赤に変化します。特に強い光を当てると葉先が赤く染まり、美しい紅葉のような姿になるのが魅力です。
- 花:コンディションが良い株は水上に直径1~2cmほどの黄色い花を咲かせます。開花期は夏(5~8月)頃が中心です。可憐な花ですが開花期間は短く、見つけたら貴重な瞬間として楽しみましょう。


ウォーターダイヤの育て方
ウォーターダイヤを元気に育てるには、「強い光」「豊富な栄養」「適温の維持」の3つがポイントになります。それぞれ詳しく解説していきます。
水槽よりビオトープ向き?屋内外の育成環境
ウォーターダイヤは屋外のビオトープ環境で特に育てやすい水草です。太陽光の下では旺盛に成長し、大きな葉を展開します。その反面、屋内水槽での育成は難易度が上がります。室内の照明環境では光量不足になりやすく、葉が小型化して溶けてしまうケースも多いです。
屋外で育てる場合は、直射日光の当たる場所で育てるのが理想です。半日陰では調子を崩しがちなので、「日なた」に思い切って設置して問題ありません。ウォーターダイヤは特に暑さや光に強く、経験上めったなことでは葉焼け等も起きません。ただし最近の真夏の気温と日差しは、さすがに耐えられない場合もあると思いますので、水量のある容器を使ったり日中は簾(すだれ)で遮光したりして対策をすると安心です。
照明と光量
ウォーターダイヤの生長には強い光が欠かせません。屋外なら自然光で問題ありませんが、室内で育成する場合は高出力の照明が必要です。市販のLEDライトでは複数本設置するか、水草育成用のハイパワーなライトを選ぶと良いでしょう。また照明時間も適度に確保しましょう。1日8~10時間程度の照明時間を目安に、タイマーなどで管理すると安定します。
光量が足りない環境では、ウォーターダイヤは葉が小さく縮れてしまい、最終的に枯れてしまうことが多いです。逆に十分な光が当たれば、葉が大きく展開し、先述のように葉先が赤く色づくこともあります。赤みを出したい場合は特に直射日光に当てるのが有効です。
水質・水温
水質は弱酸性~中性(pH6前後)を好むとされますが、それほど極端に神経質になる必要はありません。しかし新規立ち上げ直後の未熟な水槽や、長期間水換えをしていない富栄養化した水は避けてください。特にアンモニアや亜硝酸が出ている環境では、他の水草同様にウォーターダイヤも調子を崩しやすいです。硬度については、多少ミネラル分を含んだ水の方が育ちやすいとの報告があります。極端な軟水よりは、石灰質の砂利を少し入れるなどして中硬水寄りにすると生長が良い場合があります。ただしこちらも極端に気にする必要はないといえます。
水温は20~28℃程度が適温です。熱帯~亜熱帯の植物なので、水温が15℃を下回る環境では生長が止まり、10℃以下では急激に弱ります。日本の冬季に屋外で維持するのは困難です。一方、夏場の高水温には強く30℃前後の水温でも元気に育つことも多いです。ただし水温変化が激しいと葉を落とすことがあるため、急激な温度上下は避け、安定した水温管理に努めましょう。
植え方と用土
ウォーターダイヤは水面に葉を浮かせることから浮き草のように見えますが、底床に根を張る有茎水草です。ビオトープや水槽で飼育する場合にも、底砂に植え付けてあげる必要があります。根があるまでは抜けて浮きやすいので、根元から茎の一部までをしっかりと植え込みましょう。底床には栄養分を含んだソイルや赤玉土などを使用しましょう。砂利など栄養が無い用土だと、栄養不足に陥るかもしれません。
植え付けの手順:まず茎の下部の葉を数枚取り除き、節の部分を露出させます。次に、その茎を底床に深めに挿し込みます。ウォーターダイヤの茎は浮力が強いので、できるだけ深く植えてしっかり固定することがポイントです。浅く植えると浮き上がってしまうため、場合によっては水草用のおもりや石などで茎を押さえると良いでしょう。植えた直後はまだ根が出ていないため不安定ですが、1~2週間ほどで新たな根が土に張り始めます。植え込みからしばらくはそっとしておき、浮いてきていないか様子を見守りましょう。
鉢植えに植え込み、水に沈めることもできます。100均にも売っている素焼きの鉢などは重さがあっておすすめです。環境が良ければどんどん増えて、株自体も大きくなるので、睡蓮鉢やプラ舟など大きい容器に沈めるのが理想的です。
浮き草飼育に慣れていると、用土に植え込むのにハードルを感じてしまうかもしれませんが、鉢に植える程度であれば想像以上に手軽にウォーターダイヤを楽しむことができます。少量の赤玉土とセットで、すぐに始められる商品をAmazonで販売していますので是非ご利用ください。
肥料・CO2の添加
上記の通り、底砂には適度に栄養があるほうが望ましいです。栄養分に不安がある場合は、イニシャルスティックなどの底床肥料を利用するのも効果的です。追肥する場合は、水が痛みづらい少量タイプの固形肥料を株元に差し込みましょう。葉の色が薄くなったり成長が鈍化してきたら、栄養不足のサインかもしれません。
CO2添加については、屋外飼育であれば特に意識する必要はありません。一方、屋内水槽でより良いコンディションを維持したい場合、CO2システムの導入は有効です。CO2を添加することで光合成が促進され、新芽の展開や側枝の発生(枝分かれ)を後押しできます。
ウォーターダイヤの増やし方(繁殖)
ウォーターダイヤは上手に育てると自然にどんどん増えていく水草です。茎が成長するに連れて枝分かれし、水面に新たな葉のロゼットが形成されます。放っておいても側枝が伸びて複数の株のように広がっていくため、ビオトープ環境では水面が一面ウォーターダイヤで覆われることもあるでしょう。
計画的に株数を増やしたい場合は、挿し木(挿し戻し)による増殖が可能です。具体的には、十分に成長して子株(側枝)が出てきたタイミングで、その枝を親株から切り離します。切り離す場所は、元の茎から分岐した部分で、なるべく葉が数枚付いた状態でカットすると成功しやすいです。うまく根付けば新しい独立した株として育っていきます。
ウォーターダイヤは浮き草として浮かべられる?
結論から言えば、ウォーターダイヤを他の浮き草のように単に水面に浮かべて育てることはできません。根を土に下ろさず浮かせているだけでは必要な栄養を吸収できずに衰弱してしまいます。
なお購入したばかりの株は、茎の長さが足りず、用意した容器によっては葉まで沈んでしまうこともあります。経験上、沈んだままでも問題はありません。環境が良ければぐんぐんと成長し、あっという間に水面まで茎を伸ばすでしょう。
また茎にクセがついていて、植え付け直後はうまく上を向いてくれないことも多いです。こちらについても、その状態で1~3日様子を見てください。しっかりと光が当たれば、そちらに向かって自らロゼットを展開します。

ウォーターダイヤに花は咲くの?
ウォーターダイヤは調子よく育つと、黄色い可憐な花を咲かせることがあります。花芽は茎の先端、葉の中心部から上に突き出すように現れ、水上で直径1~2cmほどの花が開花します。花は一日花であることが多く、朝に咲いて夕方にはしぼむこともありますが、連続して次々と咲く株もあります。開花期は一般的に夏~初秋が一般的です。開花には十分な日照と株の充実が必要なため、植え付けから日が浅い株や、環境が合っていない株は花を付けない場合もあります。室内水槽でも、条件が整えば花を見ることは可能です。
また咲いた花はしおれたら早めに摘み取ると、株の負担を減らせます。
ウォーターダイヤの葉が赤くなる理由
ウォーターダイヤの葉が赤く色づく現象は、多くの愛好家にとって魅力の一つでしょう。「どうすれば赤く育つのか?」という疑問もよく聞かれます。まず押さえておきたいのは、ウォーターダイヤの基本の葉色は緑色だという点です。裏面がやや赤みを帯びるのが特徴ですが、通常の環境下では表面は明るい緑色になります。
葉が赤くなる主な要因は、光量の強さと環境条件の変化です。特に直射日光下や高照度のライトで育成された株は、葉が赤く染まりやすいです。また栄養がやや少なめの水で育てている株で、葉先や新しい葉が赤く発色することがあります。そのほか、秋口に気温が下がってくると紅葉するケースも報告されています
したがって、赤く育てたい場合は可能な限り強光下で、肥料分は適度に与えつつも窒素過多にしないように育成することが近道です。

ウォーターダイヤが枯れる・溶ける原因と対策
ウォーターダイヤが元気を失い、枯れ(溶け)てしまう主な原因と対策をまとめます。
- 原因1: 光量不足 – 室内水槽で起こりがちなケースです。光が弱いと葉が小さく縮み、新葉が出ずに古い葉が溶け始めます。対策としては、照明をグレードアップするか、思い切って屋外の日当たりに移すことです。特に日照不足だった株を屋外に出すと一気に新芽が展開し始めることがあります。
- 原因2: 水温低下 – 寒さに当たると急速に葉が落ちていきます。春先に気温が乱高下しただけでも調子を崩すほどデリケートです。野外飼育では秋が深まる頃に徐々に葉が傷んできます。対策はシンプルで、寒くなる前に加温できる環境へ移すことです。
- 原因3: 水質の悪化 – 底床や水が古くなり富栄養化した環境では、ウォーターダイヤは葉を次々に落として崩れるように溶けていきます。葉がボロボロ取れるようになったら要注意です。対策として、状態の良い水へ移すか、水換え・底床クリーニングなど環境改善を図ります。
- 原因4: 植え付け不良 – 浮き気味でしっかり植わっていない場合、根から栄養を吸えずにやがて枯れます。購入直後に葉が溶けていく場合は、植え付けが浅く根付かなかった可能性があります。深植えにやり直すか、活着するまで石で押さえる等の工夫をしましょう。
- 原因5: その他ストレス – 急激な水質変化(pHや硬度の急変)、農薬の残留(購入時についてきたもの)、他の生体による食害なども考えられます。心当たりがあれば取り除いてください。
ウォーターダイヤはもともと葉が落ちやすく、弱ってくると葉に触れただけでホロホロ崩れるようになることもあります。「あれ、調子が悪いかな?」と思ったら、早期発見・早期対処が肝心です。上記原因をチェックしてすぐに環境を見直しましょう。
ウォーターダイヤの越冬方法
ウォーターダイヤは寒さに極端に弱く、屋外での越冬はほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。関東以北では秋が深まる10月頃から気温低下で葉が傷み始め、初霜の時期にはまず持ちません。
越冬させる場合は室内の加温環境で管理することが必須です。具体的には、ウォーターダイヤを鉢ごと室内に取り込み、ヒーターで加温した水槽やプラケースに沈めて冬を越させます。水温は20℃以上をキープしたいところです。照明も強めに当ててあげる必要があります。
筆者も、まだ肌寒い春先にウォーターダイヤを買い(ほぼ「茎だけ」の状態でお世辞にも状態は良くありませんでした)、室内で上記環境で飼育したところ、真っ赤にロゼットを展開してくれました。
まとめ
ウォーターダイヤはあまり流通が多くなく、有名な水草ではありませんが、一度見たら記憶に焼き付くような独特な美しさを持っています。また夏場にビオトープや水槽で育てるのであれば、植え付けが必要ということ以外、特に育成が難しいこともありません。1株でもビオトープの主役級の迫力がありますので、ぜひチャレンジしてみてください。


そのほかの水草情報は「水草飼育図鑑」で確認してください。




