ブセファランドラ・ティアとは?特徴や育て方【ティアグリーン・ブルー・レッドも紹介】
ブセファランドラ・ティアは、ボルネオ島原産の水草「ブセファランドラ」の一種で、アクアリウム愛好家の間で人気が高いです。小型~中型程度の草姿で、厚めの根茎(リゾーム)から丸みを帯びた葉を展開し、葉には青みがかった金属光沢(ラメ)が乗る美しい特徴があります。名前の「ティア(Theia)」は採集地に由来します。本記事では、ブセファランドラ・ティアの基本的な特徴やティア系各種(ティアグリーン・ティアブルー・ティアレッドなど)の違い、そして育て方について詳しく解説します。
目次
ブセファランドラ・ティアの特徴
ブセファランドラ・ティアは、アヌビアスなどと同じサトイモ科に属する陰性水草で、流木や石に活着させて育成できます。草丈は5~15cm程度と小柄でレイアウトに取り入れやすく、葉は全縁で丸みを帯び、見る角度によって鮮やかな青や緑に輝きます。特に「ティア」と名の付くブセファランドラは葉に光沢のあるラメが多く密に入る傾向があり、独特の存在感があります。水中ではゆっくりとしたペースで成長し、水質の変化にも比較的強い丈夫な種類と言われています。また、水上葉でも育成可能で、環境に慣れれば白い仏炎苞状の花を咲かせることもあります。
ティアには野生採集株とファーム株(養殖株)が存在し、見た目にいくつか違いがあります。一般に野生株のティアは葉が明るめの緑色でやや大きく、アクアフルール社の養殖株のティアは葉色が暗めの深緑で成長もやや早い傾向があります。どちらも葉に青い光沢が乗り美しい点は共通しています。ファーム株は流通量が多く入手しやすいため、初心者にも扱いやすいでしょう。一方で野生由来のティアはコレクション性が高く、希少なものでは高額で取引されることもあります。


ティア系ブセファランドラの種類(ティアグリーン・ブルー・レッドなど)
ブセファランドラ・ティアには、いくつかのバリエーションが存在します。代表的なものに「ティアグリーン」「ティアブルー」「ティアレッド」などがあり、それぞれ葉色や形状に特徴があります。また、過去の採集株には番号付きで呼ばれたタイプもあり、「ティア6」などの名称で流通することもあります。以下に主要なティア系品種の特徴を紹介します。
ティア(ノーマル)
ティア(ノーマル)は、基本種です。葉は濃い緑色で丸みがあり、小型~中型程度のサイズ感です。葉表面には青いメタリックな輝きが現れ、環境によっては新芽に淡い赤みが差すこともあります。野生株とファーム株で若干葉色や形が異なりますが、いずれもレイアウト水槽で扱いやすい中小型ブセファランドラと言えます。
ティアグリーン
ティアグリーンは、その名の通り明るめのグリーンの葉色が特徴の品種です。アクアフルール社から導入されたファーム株が主に流通しており、葉はノーマルのティアに比べて細長く、縁に波打つウェーブが入ります。水上葉の状態では鮮やかなライトグリーンで、光沢も強く出るため非常に美しい印象です。入荷時は水上葉の場合が多いですが、そのまま水中に沈めて育成することも可能で、パルダリウムなどでの水上栽培にも適しています。

ティアブルー
ティアブルーは、葉に角度によって青く輝く強い光沢が現れる品種で、光の当たり方によって鮮やかなメタリックブルーを鑑賞できます。葉の形状は丸みを帯びた全縁で、サイズはノーマルのティアと同程度かやや大型になる傾向があります。

ティアレッド
ティアレッドは、葉に赤みを帯びた発色が現れるタイプです。新芽や葉裏が赤褐色になる個体などが「ティアレッド」として扱われます。一般的には水中より水上で育成した方が赤みが強く出やすい傾向があり、渋い深緑にわずかに赤みを帯びた葉が独特の風格を醸し出します。ラメ感(光沢)はティアグリーンやブルーほど強くない場合もありますが、落ち着いた色合いが魅力の品種です。
その他のティア系(ティア6 など)
上記のほかにも、ティアの採集地「Theia」で見つかった株に番号を付けて分類した系統が存在します。例えばティア6と呼ばれるタイプはコレクターズアイテム的な存在で、市場では高価な希少株として扱われることもあります。こうした多様なバリエーションがある点もブセファランドラのコレクション性を高める要因となっています。
ブセファランドラ・ティアの育て方
ブセファランドラ・ティアは比較的育成難易度の低いブセファランドラで、初心者でも育てやすい種類です。陰性水草ゆえに強い光やCO2添加を必要とせず、レイアウト水槽の脇役から主役まで幅広く活躍します。ここでは、水質や照明、レイアウト方法など育成のポイントを解説します。
水質・環境
水温は20~28℃程度と熱帯魚水槽に適した範囲です。極端な高水温(30℃以上)や低水温(15℃以下)は避けましょう。pHは弱酸性~中性付近(目安5.0~7.0)を好みますが、比較的水質変化に強く弱アルカリ環境でも緩やかに成長する報告もあります。硬度は中程度が成長は早いと言われますが、軟水~中硬水であれば大きな問題はありません。いずれにせよ急激な水質変動は避け、安定した水質管理を心がけることが大切です。ろ過の効いた綺麗な水と適度な水流のある環境を用意しましょう。
照明とCO2
ティアは陰性水草で弱めの照明でも育成可能です。むしろ過度に明るい照明や長時間の照射はコケ(藻類)の発生を招きやすくなるため注意が必要です。成長を促進したい場合はCO2添加を行うと新芽の展開が速まりますが、CO2無しでも問題なく育ちます。栄養はほとんど必要としないため、栄養系ソイルや液体肥料などは避けるのが望ましいです。
植え付け方法とレイアウト
ブセファランドラ・ティアは活着性の水草で、ソイルや砂に直接埋めず流木や石に活着させて育てるのが一般的です。糸やビニタイで根茎部分を流木や岩に軽く縛り付けるか、水草用接着剤で固定します。ポイントは、固定する際に強く縛りすぎないことです。やがて根を張ってしっかりと固定され、自力で活着します。レイアウト素材の上に置くだけでも育ちますが、流れに乗って動いてしまうことがあるため、軽く固定しておくと安心です。ティアは小型レイアウトの前景~中景にも使いやすく、複数株を流木に付けて ブセファランドラの森 のような演出をするのも人気です。岩陰や流木の根元に配置すると、レイアウト全体に奥行きと趣を与えてくれるでしょう。
増やし方・繁殖
成長はゆっくりですが、株が充実してくると脇芽が出て増えていきます。十分に育った株はハサミで根茎(リゾーム)をカットして株分けすることで増やすことが可能です。より早く増やしたい場合、水中よりも水上栽培で管理する方法もあります。湿度の高い容器や温室で密閉して育成すると、新芽の展開が早まることがあります。
育成上の注意点(コケ・葉の溶け)
育成する上で注意したい点はコケの発生と葉の溶けです。前述のように、光量が強すぎたりCO2や肥料を過多に添加したりすると、ブセファランドラの葉にコケが付きやすくなります。特に成長の遅いティアでは、一度葉面をコケに覆われると除去が難しく、美観を損ねてしまいます。対策として、照明は適度な明るさに抑え、コケ取り生体(オトシンクルスやヤマトヌマエビなど)を導入すると良いでしょう。
またブセファランドラは飼育が容易といわれるものの、葉が溶ける現象が起こる場合が少なくない水草です。これは、主に水上葉から水中葉へ適応するときや、水質変化・環境悪化時に起こる現象です。購入直後の株は水上葉であることが多いため、水中に植栽後はしばらくは古い葉が溶け落ちることがありますが、新しく出てくる水中葉は環境に適応した形で成長します。ブセファランドラは比較的耐久力があり、株自体が腐らず葉が数枚溶けてしまった程度であれば、環境を見直しすことで新芽が展開することも少なくありません。
まとめ
ブセファランドラ・ティアは、その美しい葉姿と丈夫さから初心者にもおすすめできるブセファランドラです。ティアグリーンやティアブルーなど複数のバリエーションがあり、集める楽しさもあります。ぜひ本記事のポイントを参考に、ティアの育成にチャレンジしてみてください。


なお、ブセファランドラの種類別の特徴や詳しい育成方法については、ブセファランドラ飼育図鑑も参考にしてください。

