ブセファランドラ ラマンダウの特徴と育て方|失敗例・成功のコツまで解説

ブセファランドラ・ラマンダウ(Bucephalandra sp. “Lamandau”)は、ボルネオ島原産のブセファランドラの一種です。中型サイズの品種で、濃い緑の葉に美しいラメ状の斑点模様が入ります。成長はゆっくりですが比較的丈夫で育成しやすく、初心者にもおすすめできます。本記事では、ブセファランドラ・ラマンダウの特徴や育て方(水中葉の魅力や管理方法)について詳しく解説します。

ブセファランドラ・ラマンダウの特徴

ブセファランドラ・ラマンダウはボルネオ島渓流域が原産地のブセファランドラの一種です。葉は長さ約1.5~2.5cm程度で、縁に強い波状のウェーブが入ります。葉面には絹のような光沢があり、角度によってキラキラと輝くラメのような質感が見られます。色合いはやや暗めの濃緑色で、水槽内では落ち着いた印象を与えます。密生させて茂らせると、この波打つ濃緑の葉とラメの輝きが相まって非常に迫力ある美しさを見せてくれます。

自生地では岩や流木に活着して育ち、水中・水上どちらの環境でも生育します。条件が合えば細長い白い花序を水中に伸ばす姿を見ることができます。

大きさはブセファランドラの中では小~中型クラスで、成長しても葉や草丈はそれほど大きくならず、根茎から子株を出すように横に増えていく性質があります。そのため前景〜中景のレイアウトに向いており、まとまった株を中景に配置すれば群生レイアウトを作ることもできます。

流通量も比較的多く入手しやすいメジャーな品種で、価格もブセファランドラの中では安価な部類です。初心者でも手に入れやすいため、ブセファランドラ入門種としてぜひ育ててみたい種類の一つと言えるでしょう。ゆっくりと成長しトリミングの手間も少ないため、じっくり時間をかけてレイアウトを作り込みたい方にも向いています。

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ブセファランドラ・ラマンダウの育て方

ブセファランドラ・ラマンダウは比較的丈夫で育てやすい水草ですが、他のブセファランドラと同様、成長が非常にゆっくりなためコケ(藻類)対策などいくつか注意すべきポイントがあります。以下に環境ごとの育成ポイントをまとめます。

光量・照明

強い照明を必要としない陰性水草です。低~中程度の光量で十分育成可能で、むしろ明るすぎる環境では調子を崩し葉の展開が悪くなることがあります。特別な高光量ライトを用意しなくても、一般的なLED照明を1日5~6時間程度照射すれば問題ありません。長時間照射や強い光はコケや葉焼けの原因にもなるため避けましょう。

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水質・水温

水温は熱帯魚にも合う22~26℃前後が適しています。高温には弱く水温が30℃を超えるような環境では、数日で葉が溶けてしまうこともあります。夏場はファンやクーラーでの水槽冷却を検討しましょう。弱酸性の軟水を好む傾向がありますが、水質(硬度やpH)には比較的寛容で極端な環境でなければ適応します。ただし急激な水質変化は避けるようにしてください。

また、ブセファランドラはきれいな水を好むため、定期的な水換えやろ過がしっかり効いた清涼な水質を維持することも大切です。とくに立ち上げ初期やコケが出やすい環境では、水質の富栄養化を防ぐために通常より頻繁な換水を行いましょう。

水流

ブセファランドラは止水域よりも適度に水流がある環境を好むとされています。水槽全体にゆるやかな水の循環があるよう、外部フィルターや底面フィルターなどで水流を作ると良いでしょう。常に一定の水の流れがあることで、根茎周辺にゴミや汚れが溜まりにくくなり、水中に酸素も行き渡るため植物が健全に育ちます。

底床・植え付け

ラマンダウを含むブセファランドラは活着水草と呼ばれ、岩や流木に付着させて育てるのが基本です。小粒の溶岩石や流木に糸やテグスで巻き付けたり、水草用接着剤で貼り付けたりするのがおすすめです。根茎の部分をソイルなどに埋めてしまうと腐る恐れがあるため注意しましょう。もしソイルなどに植える場合は根茎が露出するように浅植えにし、根だけが軽く埋まる程度に留めてください。

CO2・栄養

CO2(二酸化炭素)の添加は無くても育成可能ですが、あれば成長がある程度早まり美しく仕上がります。CO2無添加で育てる場合は弱酸性の軟水を維持し、栄養過多にならない環境を心がけると良いでしょう。

またブセファランドラは自然下では栄養分の乏しい清流に自生しているため、過剰な肥料は必要ありません。底床には栄養分を多く含むソイルではなく吸着系ソイルを使うのが好ましいです。

コケ対策と日常管理

ブセファランドラ・ラマンダウを育てる上でコケ(藻類)対策は重要なポイントです。成長が遅い水草ゆえ、新しい葉の展開よりもコケの繁殖の方が早く進んでしまい、葉に付着したコケが景観を損ねたり光合成を妨げたりしがちです。下記のような対策がおすすめです。

  • コケ取り生体の導入: エビや貝などコケを食べてくれる生物と一緒に飼育するのがおすすめです。特にヤマトヌマエビはブセの硬い葉を食害することもなく相性抜群で、付着した藻類をせっせと食べて綺麗にしてくれます。石巻貝やオトシンクルスなど他のコケ取り生体も有効です。
  • 定期的な換水: 前述の通り水質を清潔に保つことでコケの発生を抑えられます。富栄養化した水槽はコケが出やすいので、定期的な水換えで過度な栄養を下抑えましょう。特にコケが増えてきたと感じたら、通常より頻繁に換水することで状況が改善する場合があります。
  • 照明時間の調整: 照明が強すぎたり長すぎたりするとコケが発生しやすくなります。光量を落とす、照射時間を短縮するなどの対策を行います。ブセ自体は低光量で育つため、コケが収まる程度までライトを弱めても問題ありません。また直射日光が当たる環境はコケを爆発的に増やすので避けてください。
  • 物理的除去: 葉に付着したスポット状のコケは、歯ブラシなどで優しくこすり落とす方法もあります。ただし無理にゴシゴシ擦るとブセの葉を傷めかねません。コケがひどい場合は一度葉ごとカットして取り除き、新しい葉の展開を待つ方が安全です。古い葉が黄ばんだりコケまみれになった時は、根元からカットして株元の新芽に養分を回すようにします。

ブセファランドラ・ラマンダウの水中葉と水上葉

「水中葉」と「水上葉」は水草を育てる上で押さえておきたいポイントです。ラマンダウを含む多くの水草は、水中で育った葉(=水中葉)と、水上の湿度下で育った葉(=水上葉)とで形状や性質が異なる場合があります。

水中葉の特徴

ラマンダウの水中葉は、やや細長い楕円形の形状をしています。葉縁の強い波打ち具合は健在で、水中でもそのウェーブの効いた葉を展開します。水中葉では特に光沢感やラメの輝きが引き立ち、美しさが増す傾向があります。

水上葉の特徴

ラマンダウの水上葉は、水中葉よりもやや厚みがあり、葉幅も若干広いしっかりとした濃い緑色の葉を展開します。葉縁のウェーブは一層強く、落ち着いた独特な雰囲気を醸し出します。

水上葉から水中葉への移行

水上葉の株を水槽に沈めて水中育成に切り替えると、古い水上葉は環境変化のストレスで溶けてしまう(腐って脱落する)ことが多いです。しかし心配はいりません。根茎が健全であれば、新しい環境に適応した水中葉が新芽として展開し始めます。溶けてしまった古い葉は早めに取り除き、腐敗が他の葉や株に広がらないようにしましょう。新芽が出てくるまでの間は少し時間がかかりますが、慌てずに水質を清潔に保って待つことが大切です。

水中葉を美しく維持するコツ

先述のコケ対策に加え、 水中葉が傷つかないよう丁寧に扱う こともポイントです。活着させる際やレイアウト変更時に葉を擦ったり折ったりしないよう注意しましょう。水中葉は水上葉よりも柔らかくデリケートな面がありますので、レイアウト作業の際はピンセットなどを使って慎重に扱ってください。また、一度環境に馴染んだ株はむやみに場所を移動させず、そのまま落ち着かせてあげる方が安定します。

ブセファランドラ・ラマンダウの増やし方

ラマンダウは株分けで増やすことができます。種子から育てる方法も理論上はありますが、一般的ではないためここでは株分けによる増殖方法を紹介します。もっとも、ブセファランドラ全般に言えることですが、成長がとても遅いため増やすのにも時間がかかります。気長に育成し、十分に株が大きく育ってから挑戦しましょう。

株分けの手順: 親株の根茎がある程度長く伸び、節々から新芽や根が出ている状態になったら、清潔なハサミで根茎をカットします。この際、切り離す側の茎に最低1枚以上の葉と新芽(成長点)、根が付いていることを確認してください。理想的には2~3枚の葉と数本の根が付いた状態で切り分けると、その後の活着もうまくいきやすいです。切り分けた株は直射の強光を避け、水質を安定させて管理します。2ヶ月もすれば新しい活着根が石や流木に張り付き始め、以降は成長に伴ってさらに強固に活着していきます。

レイアウトでの活用方法

ブセファランドラ・ラマンダウは、中型サイズで葉もそれほど大きくならないため、水槽レイアウトでは中景のアクセントに最適です。濃い緑色の葉色は他の水草とも調和しやすく、明るい緑の有茎草や赤系の水草ともお互いの色を引き立て合います。また、暗めのトーンの葉にラメの輝きがあることで、水槽内に奥行きと高級感を与えることができます。

配置方法としては、まとまったボリュームで密生させるか、ポイント使いで単体を配置するかで印象が変わります。複数株を一箇所にまとめて密生させると、小さな茂みのようになり存在感が増します。例えば流木の根元や岩の隙間に群生させると、自然の渓流で岩に群生するブセの姿を再現でき、非常に雰囲気が出ます。一方、単体または少数株を石の上にワンポイントで配置すれば、シンプルながら目を引くアクセントになります。レイアウトの規模や他の水草とのバランスに応じて使い分けると良いでしょう。

また、流木レイアウトとの相性が良いのも特筆点です。細枝状の流木の節々にラマンダウを活着させていくと、まるで流木から着生植物が自然に生えているかのようなナチュラルな景観を作れます。石組レイアウトでは、岩陰に配置して自然の渓流風景を演出するのがおすすめです。特に溶岩石など多孔質の石はブセの根が絡みやすく活着しやすいので適しています。

まとめ

ブセファランドラ・ラマンダウのシルキーな光沢とラメが入った濃緑の葉は、水槽内でひときわ目を引く存在感を放ちます。成長はゆっくりですが、そのぶんコケ対策など基本を押さえれば手間は少なく、初心者からベテランまで長く付き合える品種と言えます。水質や光量にも広く適応し、CO2無添加でも十分に育成できる丈夫さも魅力です。ぜひ焦らずじっくりと時間をかけて育て、その成長や水中葉の変化を楽しんでみてください。

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なお、ブセファランドラの種類別の特徴や詳しい育成方法については、ブセファランドラ飼育図鑑も参考にしてください。

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