水槽の水温は何度が適温?|管理の基本と調整方法(上げ方/下げ方)まで初心者向けに解説
アクアリウムにおける水温の適温は生体・水草によって変わるため、正解はありません。しかし水温を急に変化させてはいけないことや、高水温では酸欠になりがちになることなど、水温に関わる最低限の知識は身に着けておきましょう。この記事では、条件別の適温の目安から管理のコツ、調整方法まで、知っておくべき知識を解説します。
目次
水槽の水温「適温」の目安
「熱帯魚といえば26℃」という情報は何となく多いですが、生体によって適温は変わります。ただし実務上は26℃固定のオートヒーター製品が多いように、26℃前後で整えられる環境がほとんどです。
代表的な生体の適温目安
適温帯を維持するのが理想ですが、極端な低温(18℃以下)・高温(30℃以上)を避けることが重要です。
- 一般的な小型熱帯魚(グッピー、ネオンテトラ等): 22〜28℃
- メダカ: 23〜28℃
- 金魚: 23〜26℃
- 水草:20〜28℃
水温管理でいちばん大事なのは「一定に近づける」こと
水温は「低い/高い」だけでなく、変動(上下)がストレスとなります。人間と同じように、急激な水温(水質)変化は体調不良・病気の原因になるため、適温内で「一定温度を保つこと」が失敗を避けるために重要です。
水温を一定に保つコツ
- 直射日光に当てない(急上昇)
- 水換えは水温を合わせてから入れる(特に冬は急低下)
- 室温や機器でゆっくり寄せるのが基本(氷などを使わない)
水温を管理する方法
水温を適温の範囲で一定に保つために大切なのは、現在の水温を常に把握して対応を行うことと、そもそも温度の変化が小さくなるように調整することです。
水温を把握する
水温を測る方法はシンプルで、水温計を設置することです。アナログとデジタルがあり、好みにもよりますがデジタルの方が数字を一目で確認できます。
- 基本的には見やすい位置に設置(アナログであれば水槽前面、デジタルなら蓋の上など)
- ヒーターの近くや、水が滞留する/水流が強い場所には設置しない(正しい水温が測れない)
- 魚の通り道も避けた方が無難(固定する吸盤が外れる可能性)
温度変化を小さくする工夫
水温は外気温の影響を受けやすいため、基本的には屋外より室内の方が温度変化は小さくなります。
また水槽内だけを加温・冷やすより、部屋(室温)全体を空調管理したほうが安定しやすいでしょう。その他水槽に蓋をすることで水温の変化をさらに小さくすることが可能です。
水温の上げ方
主に冬の対応となります。水温を上げる方向性と、保温する(熱を逃がさない)方向性となります。
方法1:水槽用ヒーターで上げる(王道)
水槽用ヒーターで直接水温を上げるのが最も直接的で安全と言えるでしょう。あらかじめ設定された温度で固定されたオートヒーター(26℃固定が多い)と、サーモスタットを使って自分で温度を設定できるヒーターがあります。
水槽の大きさ(水量の多さ)に合ったヒーター(出力・ワット数)を使わなければ、水温を目標まで上げることができないため注意してください。またヒーターを使う場合は安全上の注意事項(最低水位・露出禁止など)を必ず守ってください。
- 超小型水槽(〜10L):10〜20W帯
- 30〜45cm水槽(〜35L目安):80〜120W帯
- 60cm(〜57L目安):160W帯
方法2:室温を上げる
エアコンなどで室温そのものを上げるのも効果的です。小型水槽ほど室温に合わせやすいと言えるでしょう。乾燥する場合があるため、保湿や蓋などの対策も行いましょう。
方法3:保温して下がりにくくする
ヒーターやエアコンが使えない場合、屋外で対策したい場合には、熱が逃げないように少しでも保温することで水温が下がりにくくなります。
- 蓋をする
- 断熱シート、保温材で巻く
- 容器を発泡スチロールにする
水温の下げ方
主に夏の対応となります。直接冷やす方向性と、気化熱を利用する方向性、こもる熱を逃がす方向性があります。
方法1:室温を下げる
エアコンなどで室温そのものを下げる方法です。水槽用のクーラーは高価なため、リビングなど生活圏に水槽を設置している場合などは、エアコンで調整するのが手っ取り早い場合があります。
方法2:水槽用クーラー
水槽用クーラーが最も確実で安定します。初心者の方にとっては、価格と専門性が少々ハードルになるかもしれません。
方法3:冷却ファン(気化熱で下げる)
水槽用の冷却ファンも販売されています。これは「水面に風を当てて気化熱で冷やす」方式で、安価ですがクーラーほど強力ではありません。数℃下げられる可能性がありますが、蒸発が増えるため水位低下には特に注意しましょう。
方法4:エアレーション
冷却ファンと似た効果が期待できるものの、下がる水温はわずかですので併用が基本です。ただし高水温時は酸素が不足しがちなので、酸欠を防ぐという意味でも推奨できます。
方法5:フタを開ける/換気する
こもる熱を逃がすという方向性です。フタを閉めっぱなしにすると湿気と熱がこもりやすいので定期的に換気をしましょう。ただし魚の飛び出しや蒸発量増には注意してください。もちろん直射日光は避けてください。
保冷剤・氷・凍ったペットボトルで水温を下げて良い?
水温を下げる方法の一つとして、保冷剤・氷・凍ったペットボトルを使用して良いかがよく疑問に上がります。結論から言うと、水温の急激な変化を招くため推奨されません。原則使用しないのが安全です。
どうしても使うなら、凍らせたペットボトル
使わないのが安全ですが、凍らせたペットボトルならまだ工夫の余地はあります。
- 接触面/接触時間をわずかにする
- 接触面にタオルや袋をかませる
- 直接水槽に入れず、ろ過装置などに入れる
水温と酸素の関係
水温が上がると、魚が酸欠になりやすくなります。水に溶ける酸素(溶存酸素量の上限)が減ることに加え、魚は代謝・呼吸量が増えやすいからです。「酸素は減るのに、必要量は増える」ことから、夏になると急に酸欠気味になることも少なくありません。
水温調整や、エアレーションなどの対策をしっかりと行いましょう。
水温とバクテリアの関係
水温は水質の安定にも影響を与えます。ろ過バクテリアは水温の影響を強く受けるため、水温が崩れると「ろ過(硝化)」が不安定になります。ろ過バクテリアの適温は25〜30℃付近とされ、28℃近辺で最適な硝化反応が見られるという報告があります。高温では上述の通り酸素も減るため、さらに生物ろ過が働きにくくなります。
夏に調子を落としやすいという話はよく出ますが、直接的な水温上昇だけでなく、酸素不足、水質悪化が連鎖的に起きやすいからとも言えます。
まとめ
適した水温は生体によって異なります。また魚や水草を健康に飼育するためには、適温だけでなく安定も欠かせません。特に夏場は水温を下げるのに苦労しやすく、酸欠や水質悪化にもつながります。水温の役割や重要性が分かったら、安定した温度を保てるよう環境を整えてみてください。
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