ポリプテルスの種類とそれぞれの飼育方法。必要な設備や費用、注意点まで解説
ポリプテルスは原産国がアフリカの熱帯魚であり、古くから形を変えずに生きてきた古代魚です。この記事ではポリプテルスの種類ごとの特徴をまとめ、飼育に必要な設備、費用、飼育上の注意点などを解説します。ポリプテルスの飼育を検討している方は参考にしてください。
目次
ポリプテルスの特徴
ポリプテルスは、主に水の底を生活圏とする夜行性の魚です。細長い体に多数の上鰭と、力強く泳げる尻鰭、手のような胸鰭がついており、恐竜や龍のようにも見えます。その特徴的な見た目や、丈夫で飼育が容易なことなどから日本でも観賞魚として人気があります。

上顎系と下顎系
ポリプテルスは大きく「上顎系」と「下顎系」のタイプに分類されます。上顎系は鼻が長く口が下向きについており、下顎系は口が上向きについており、しゃくれているように見えます。下顎系のポリプテルスは、大きくなる種類が多いです。どちらのタイプもアクアリウムショップや、ホームセンター併設のペットショップなどで販売している種類があり、簡単に購入することができます。大型の種類では60㎝を超えてくるため、初心者が飼育を検討するのであれば上顎系から始めるのが良いでしょう。

大きさ
ポリプテルスは「上顎系」と「下顎系」のタイプの中にも、さらにいくつかの種類が存在します。30㎝程度にしかならない種類から、90㎝にまで育つ種類があり、大きさは種類によって大きく変わります。当然、大きくなればなるほど、相応の水槽や設備が必要になりますので、事前にどのくらいの大きさまで育つのか、飼育し続けることができるのかを検討した上で、購入を決めましょう。
種類一覧
下記の一覧で、それぞれの種類の特徴を大きさ順にまとめました。
外鰓(がいさい、そとえら)
ポリプテルスは、エラ呼吸と肺呼吸の両方を行う変わった生き物です。そのため、肺が成長するまでの稚魚の間は、外鰓(がいさい、そとえら)と呼ばれる、酸素を取り込むための器官がついています。アホロートル(ウーパールーパー)についているタテガミのような器官というと、イメージがつきやすいかもしれません。アホロートルは成魚になってもずっとついていますが、ポリプテルスの場合は成長に従って退化していきます。

食べるもの
ポリプテルスはフィッシュイーター(肉食魚)です。野生では魚や昆虫、カエルなどを食べています。飼育下でも生餌を好みますが、人工餌にも比較的慣れやすいので、稚魚の頃から慣らすことができれば、経済的にも育てやすい生き物です。
病気
ポリプテルスは、ガノイン鱗と言われる堅い鱗を持っていて、病気や水質の変化、外傷などにも強い丈夫な生き物です。基本的な熱帯魚飼育設備があれば、飼育を始めることができます。一方で古代魚であることから薬への耐性が強くありません。薬浴などは慎重に行う必要がありますので、そもそも病気やケガをしないように配慮した飼育環境を整えましょう。
寿命
ポリプテルスの寿命は、10~15年くらいと言われています。魚としては非常に長く、犬や猫の寿命と同じくらいと言えます。一度飼育を始めると、長い付き合いになります。途中で飼えなくなって、自然に放つことなどは許されません。計画を練ったうえで、最後まで責任をもって飼いましょう。
混泳
ポリプテルスは、上顎系、下顎系ともにどの種類も穏やかな性格であることが多く、他の魚と喧嘩をすることはあまりありません。また、普段は水槽の底で生活をしているため、特に中層や上層を泳ぐ魚を中心に混泳させることが可能です。
しかし、気が強い魚にはいじめられたり、ちょっかいをかけられたりするため、混泳できる魚はある程度選びます。また、肉食魚であるため、自分より小さい魚は基本的に捕食対象となるため、混泳することはできないと考えておきましょう。
飼育に必要な設備
ポリプテルスは、基本的な熱帯魚飼育セットを揃えれば、容易に飼育することができます。他の魚も含め複数飼育するための、十分な設備を整える場合、50,000円~ほどあれば揃えることができるでしょう。単独飼育であれば、もっと費用を抑えられます。具体的にどのような設備が必要か、解説していきます。
水槽
水槽の大きさは水量に直結し、水量が多いほど水温や水質が安定するため、基本的には大きい水槽のほうが良いでしょう。稚魚・幼魚の頃は小さい水槽でも大丈夫ですが、30㎝程度のポリプテルスを終生飼育するのであれば、最低でも60㎝の水槽は容易したいところです。混泳や、ポリプテルスを複数飼育する場合は90㎝以上の水槽を用意しましょう。
私の場合は、90×30×36㎝の水槽(外部ろ過装置)で、約30㎝のポリプテルス3匹、約20㎝のオスカー、約10㎝のダトニオといった飼育数であれば、問題なく飼育できていました。(オスカーが大きくなると、他の魚をいじめだしましたが…)
60㎝水槽単体であれば、3,000円強から購入できます。一から始めるのであれば、セット商品を選ぶとお得で簡単に揃えることができます。特にライトやろ過装置はセットになっていることが多く、それぞれ単体で購入すると高額になりがちなのでおすすめです。90㎝の水槽に外部ろ過装置が付いたセットだと、30,000円弱~の費用感になります。
ろ過装置
ろ過装置は、外部、上部、底部、外掛け、水中型など様々な種類があります。ポリプテルスは肉食魚で水を汚しやすい傾向にあるため、ろ過能力が強い外部ろ過装置、あるいは上部ろ過装置などがおすすめめです。この二つは手入れもしやすいため、初心者の方でも慣れれば取り扱いは難しくありません。
90㎝水槽用の外部ろ過装置、上部ろ過装置で10,000円弱~となります。一般的には外部ろ過装置の方が費用は高くなる傾向にあります。
ヒーター
ポリプテルスにとっての適温は20~28℃であるため、日本の多くの地域では、冬場にヒーターが必須になります。経験上、夏場に一時的に30℃を超えても全く問題はないため、クーラーは必須ではありません。水温を常に28℃前後に保つと良いでしょう。
ヒーターは、あらかじめ決められた温度に自動で調整をしてくれるタイプや、サーモスタッドで好きな温度に調整ができるタイプがあります。後者のほうが費用としてはかさみます。前者のタイプでも通常26度などに自動調整するものがほとんどなので、問題ありません。水槽の大きさ(水量)に合った出力のヒーターを選ばないと、水温が上がり切りませんので注意しましょう。
64ℓ以下向けのヒーターで4,000円前後~、110ℓ以下向けのヒーターで5,000円前後~の費用感です。
| 水槽のサイズ | 水量 |
|---|---|
| 幅60㎝×奥行30㎝×高さ36㎝ | 約60ℓ |
| 幅90㎝×奥行30㎝×高さ36㎝ | 約90ℓ |
| 幅90㎝×奥行45㎝×高さ45㎝ | 約140ℓ |
エアーレーション
ポリプテルスは成魚になると肺呼吸とエラ呼吸を併用しますが、稚魚の頃は外鰓を使ったエラ呼吸です。稚魚のころから飼い始める他、複数の魚と混泳させるのであれば、エアレーションは必須です。
エアーレーションにも出力がありますが、経験上ポリプ3匹と他種の魚2匹の混泳であれば、出力は気にしなくても大丈夫でした。また、エアポンプの音が気になると思いますが、静音を売りにした商品であればあまり気になりません。また、最近の商品であれば、あまり大きな音はしなくなっていると感じました。種類にもよりますが大抵2,000円以下の費用で購入できます。
底砂
必須ではありませんが、水槽の底に敷く砂も検討しても良いでしょう。砂を敷かない「ベアタンク」で飼育する方法も可能で、好みに合わせて選択しましょう。
| 底砂の有無 | メリット |
|---|---|
| 底砂あり | ポリプテルスが落ち着きやすい バクテリアの住処になる レイアウトを楽しめる 体色が飛びにくい |
| 底砂なし | 掃除やメンテナンスが楽 砂に汚れがたまらず清潔 魚が目立つ 鏡面の底だと反射して、ポリプテルスの腹側も観察できる |
ポリプテルスの底砂は、よくガーネットサンドがおすすめされます。きめが細かく、きれいな砂で、重く舞いにくい砂と言えます。
飼育上の注意点
ポリプテルスは、水質の変化にも強く、上部で飼いやすい魚です。基本的に飼育の難易度は低いですが、よく起こる事故に脱走が挙げられます。体が細長く、全身筋肉質で非常にパワフルなため、水槽には必ず蓋をかぶせてください。また単に蓋を乗せただけでは、簡単に突破してしまいます。蓋の上に水の入ったペットボトルなど、1~2㎏ほどの重りをしましょう。脱走事故は「必ず」起こるという危機感で対策しましょう。私も油断して脱走事故を起こしたことがあります。
まとめ
ポリプテルスには様々な種類があり、非常に大きくなる種類もあります。丈夫な生き物で飼育がしやすいため、基本的には熱帯魚の飼育セットでスタートすることができます。必要最低限の設備を整え、脱走などの対策を行った上で、ぜひポリプテルス生活を始めてみてください。










