ブリクサショートリーフの育て方|種類や植え方から増やし方まで解説
ブリクサは、テープ状の葉を持つ人気の水草です。水槽レイアウトでは前景から中景によく用いられ、ふさふさと密生する草姿が景観に自然なアクセントを加えます。葉は通常黄緑色ですが、高光量下では黄金色や赤みを帯びることもあり、環境次第で色合いが変化します。アクアリウムでは定番の水草ですが、育成にはコツが必要で「簡単」と言われる一方で初心者にはやや難しい面もある水草です。本記事では、ブリクサの種類ごとの特徴、基本的な育て方や植え方・増やし方、そしてトラブル対処法までを詳しく解説します。
目次
ブリクサの種類(ショートリーフ・ジャポニカ・ロングリーフ)
ブリクサにはいくつか種類があり、アクアリウムで流通する主なものは以下の3タイプです。
- ブリクサ・ショートリーフ
一番ポピュラーなブリクサで、丈が高くなりすぎず前景〜中景草向きです。水槽内で成長すると葉が茂り、ボリュームが出て美しいです。環境に適応すれば新芽をどんどん出してよく増殖します。丈夫で育てやすいとの声もありますが、後述するように光量・CO2・肥料をしっかり与える環境で本領を発揮する水草といえるでしょう。 - ブリクサ・ジャポニカ
一見ショートリーフとよく似た細葉のブリクサです。環境変化に敏感で溶けるように急激に枯れてしまう場合もあり、維持管理はショートリーフより難しい傾向です。1年草のように、冬場を中心に1年で枯れてしまうという情報も耳にします。初心者で長期維持を目指すなら、ジャポニカより丈夫なショートリーフを選ぶ方が無難でしょう。 - ブリクサ・ロングリーフ(ブリクサ・アウベルティ)
ブリクサ属の中でも長く大きな葉を持つ種類です。葉長30~45cmにも達し、水面近くまで真っすぐ伸びるため、60cm以上の大型水槽の後景草に適しています。栽培難易度は高めで、強い照明と十分なCO2添加がほぼ必須です。条件が整えば葉先が赤く色づきダイナミックな草姿を見せます。育成にはテクニックが要りますが、上手く育てられれば存在感のある豪快な茂みとなり、水槽に独特の趣きを与えてくれるでしょう。
以上のように、同じブリクサでも種類によってサイズや育成難易度が異なります。初心者にはショートリーフがおすすめですが、特徴を知った上でレイアウトや好みに合う種類を選んでください。


ブリクサの育成環境
安定した育成環境を整えることが、ブリクサを元気に育てる最大のポイントです。ここでは光量・CO2・水質などの条件や、水槽セット時の注意点について解説します。
光量
ブリクサは中光量〜高光量を好む水草です。低照度でも生育は可能ですが、光が弱すぎると葉が上方へ間延びして、ひょろ長い印象になってしまいます。逆に強い光の下では葉が締まり、赤みを帯びるなど発色も良くなり背丈も抑えられる傾向があります。
照明時間は1日8時間前後が標準ですが、新規立ち上げ直後などコケが出やすい時期は短めに調整してください。光量が強すぎるとコケのリスクが高まるため、コケ対策を十分に行いましょう。
水温と水質
水温は20〜28℃の範囲で維持しましょう。高水温(30℃以上)が続くと溶ける可能性があるため、夏場はクーラーやファンで適温を保つようにします。水質の適応範囲は比較的広いです。弱酸性〜中性の水質が理想とされますが、多少の硬度があっても育成できます。
CO2添加
CO2なしでも育成は可能ですが、添加した方が新芽の展開が早く、茂みも美しく育つ傾向があります。とくに高光量下では光合成を促進するためにもCO2添加が望ましいです。目安として60cm水槽で1秒に1滴程度の添加を行うと良いでしょう。
底床と栄養管理
ブリクサは根張りが強い水草で、しっかり根を張って養分を吸収します。そのため底床にはソイルを用いるのがおすすめです。田砂や大磯砂など栄養分を含まない底床を使う場合は、栄養不足も懸念されますのでイニシャルスティックなどの固形肥料や液肥も検討しましょう。
なお、植え付け直後のタイミングでは新しい根が伸びるまで栄養を十分吸収できません。そのため、植栽直後に栄養を与えすぎるのは避け、植えてから少し時間をおいて根付いてから肥料を与えると安心です。またブリクサは底床の通水性(酸素供給)も重要です。密生した茂みの根元に汚れが溜まりやすいため、通水性を保つ目的で水換え時にプロホースなどで根元の汚れを吸い出すようにしましょう。粒が大きめの底床を選ぶのもおすすめです。
ブリクサの上手な植え方とレイアウト配置
植え方のポイント
ブリクサは植え付け時に浮力で浮いてきやすく、抜けやすい水草です。上手に植えるコツは、深めにしっかり植え込むことです。具体的には、根元の白い部分(茎の下部)が見えなくなる程度まで底床に埋めるようにします。ブリクサは一見ロゼット型(根生型)の植物に見えますが、実はルドウィジアやロタラのような有茎水草(茎を持つ水草)の仲間です。下葉が少し土に被るくらい深めに植えてしまって構いません。埋まった下葉は後で枯れても、そこから発根します。
植える前に下処理もしておきましょう。購入直後の株は根元付近に汚れやゴミが絡まっている場合があるため、水で軽くすすいでください。また、傷んだ葉やコケの付いた葉があれば取り除きます。根が長すぎる場合は植え込みやすい長さにカットしてもOKです。準備ができたら、ピンセットで底床にねじ込むようにゆっくり差し込みます。一度で狙った深さまで植えることがポイントで、浅く植えて何度も直しながらだと浮いてしまいやすくなります。
もし水槽内にヤマトヌマエビやサイアミーズフライングフォックスなど力の強いコケ取り生体が多い場合、植え付け直後に引っこ抜かれることがあります。その場合は通常よりさらに深め(葉の中腹くらいまで)埋めてしまうと良いでしょう。
植え付けた後は、できるだけその場所から動かさないようにします。ブリクサは植え替えのたびに適応に時間がかかるため、何度も抜いて差し戻すと根付く前に調子を崩す恐れがあります。根が十分張るまでは我慢して育成しましょう。

レイアウトでの配置位置
ブリクサ・ショートリーフは前景〜中景向きの草丈です。高さ約10cm程度まで成長するため、中景草として使うのが一般的ですが、レイアウト次第では前景のアクセントにもなります。水槽の両サイドの前寄りに配置したり、流木・石組みの根元に植えると自然な雰囲気になります。密生したブリクサの茂みは後景の有茎草の根元を隠す役割も果たし、背景と前景を繋ぐ中景として重宝します。
ブリクサは根を深く張るため、ボトルアクアリウムのように底床を厚く敷けない環境には不向きです。できれば45cm以上の水槽で、本領を発揮させてあげるのが望ましいでしょう。
ロングリーフ種(ブリクサ・アウベルティ)は後景専用と考えてください。葉が長く伸びるので、水槽背面に植えて茂らせると水流になびくダイナミックな演出ができます。ただし背が高くなる分、陰になった下葉が溶けやすいので、高さが出てきたら適宜差し戻し(植え直し)を行って株元をリフレッシュすると綺麗に維持できます。ロングリーフは45cm以上の深さがある水槽だと見映えがします。前景や中景には向かないので、広い水槽で伸び伸び育てましょう。
他の生体・水草との相性
ブリクサの茂みはエビ類との相性が抜群です。ミナミヌマエビなどがコケ対策となる一方で彼らの隠れ家にもなります。ただし大型のヤマトヌマエビは力が強く葉をかじってしまったり、植え込み直後の株を引き抜いてしまうことがあるので注意しましょう。
魚に関しては、小型熱帯魚ならどんな種類とも合わせやすいです。緑の茂みにカラフルな熱帯魚が泳ぐ光景は非常に映えます。一方で草食性の魚との相性は良くありません。金魚やプレコの仲間はブリクサを食害したり、根ごと掘り返してしまいます。
他の水草とのレイアウト上の相性は非常に幅広いです。ブリクサは自己主張の強すぎない緑色の細葉なので、どんな水草とも馴染みやすいという長所があります。例えば前景にニューラージパールグラスやショートヘアグラス、後景にロタラやパールグラスなどを配置してもよいでしょう。
ブリクサの増やし方とトリミング
株分けと差し戻しで増殖
ブリクサはランナーを伸ばして増えそうな見た目をしていますが、実際は株分けと差し戻しで増やします。茂ってきた株を見ると、根元から新しい芽(わき芽)が出て複数の株が連なった状態になります。増やしたい場合は、親株を一度抜き取り、根元付近で茎をカットして子株を分離します。切り離した株はそれぞれ単独の株として再度植え直せばOKです。分けた株は少し間隔を空けて植えることで、またそこから茂みが広がっていきます。
また、トリミングした茎から発根させて増やす方法もあります。ブリクサは有茎草なので、ロタラやバコパなどと同じように差し戻しで増殖させることが可能です。成長した株の密集した葉をかき分けてよく見ると、茎が伸びています。その茎をカットすると上部は差し戻しでまた根を張らせることが可能です。残った親株も、カットした部分から脇目がでてきます。
トリミングとメンテナンス
ブリクサのトリミングは基本的に葉を株元からハサミでカットする形で行います。ボリュームが出過ぎて密になった部分は、外側の古い葉を間引くように切り取ると通水性が改善され、コケの発生も抑えられます。
ブリクサ・アウベルティのようにトリミングに弱い種類では、差し戻しが有効です。差し戻し後はまた根付くまで少し時間がかかりますが、新しい葉だけの若々しい株姿になるため美観を保てます。
トラブル対処法
育成中によくある悩みについて原因と対策をまとめます。
植えてもすぐ“抜ける”
ブリクサがすぐ抜けてしまう場合、植え方が浅いことが原因です。上記「植え方のポイント」で述べたように深めにしっかり植え込むことでかなり防げます。特に導入初期は根が十分出ていないため浮きやすいので、葉の根元まで埋めるくらい大胆に植えて大丈夫です。植えた直後にエビや魚が引っ張って抜いてしまう例も多いので、ヤマトヌマエビを入れている場合は小型のミナミヌマエビに替える、プレコ類を別水槽に移す、なども効果的です。どうしても浮いてしまう場合、ストーンや沈め石で一時的に押さえて根付かせる手もあります。
“溶けて”葉が透明になり腐る
ブリクサが溶ける原因はいくつか考えられますが、導入直後なら水上葉や古い葉が環境になじめず、枯れているだけの可能性が高いです。この場合は新しい水中葉が出るまで待つしかありません。溶けた葉は早めに取り除き、根と茎の部分が残っていればそのまま様子を見ましょう。次に、光量や養分不足も原因になります。さらに、底床の通水不良やコケの付着も原因になり得ます。
なお、一度環境変化で溶けても根さえ生きていれば新芽が再生することがあります。焦らず安定した環境を維持することが大切です。
思ったより育たない・葉が小さく色が薄い
成長が遅く葉が貧弱な場合、栄養とCO2が不足している可能性があります。葉が白っぽくなっていたら栄養不足のサインです。ブリクサは光合成による吸収だけでなく、根からも栄養を取る水草です。液肥だけでなく根肥を与え、CO2も添加すると元気になる場合があります。硬度の高い水槽では特定の栄養素が欠乏しやすいので、鉄分などを補給することも有効です。
また、水槽の環境自体が新しすぎるとバクテリアや底床環境が整っておらず、水草が調子を上げにくいことがあります。一度軌道に乗れば、ブリクサは回復力が高く環境に適応して根を張り始めます。
葉にコケが付く
ブリクサの細い葉は密集しているため、間にゴミや汚れが溜まりやすくコケも付きやすいです。特に黒髭ゴケが付着すると除去が困難なので、早期対策が必要です。予防策としては栄養過多にしないことと、定期的な清掃・間引きです。茂りすぎたら適度に間引いて株と株の隙間を作り、水の流れを通すようにします。それでも付いたコケは、手でこするかピンセットで葉ごと除去します。ヤマトヌマエビはコケと一緒に柔らかいブリクサの葉先までかじることがあるので、コケ対策生体はミナミヌマエビなどがおすすめです。
まとめ
ブリクサはしっかり育て上げるとレイアウトの名脇役にも主役にもなり得る水草です。ふさふさとした緑の茂みは水景に自然な躍動感を与え、他の植物や生体とも調和してくれるでしょう。初心者の方もぜひ本記事のポイントを参考に挑戦してみてください。


ブリクサ以外の水草についても興味がある方は、水草図鑑もぜひ参考にしてみてください。




