ブセファランドラに発生する虫とは?|害虫の種類と効果的な駆除・対策方法
ブセファランドラに小さな虫が発生した…そんな経験はありませんか? ブセファランドラ愛好家にとって害虫の対処は悩みの種です。ブセファランドラは基本的に丈夫な水草ですが、環境によってはダニやアブラムシなどの害虫が付着してしまい、放置すると葉が枯れる原因にもなりかねません。本記事ではブセファランドラに付きやすい虫の種類や駆除方法・対策、そして虫がブセファランドラに与える影響について解説します。
目次
ブセファランドラに虫が発生する原因とは?
ブセファランドラに虫が発生する主な原因として、水上葉の栽培環境と外部からの持ち込みが挙げられます。
- 水上葉の環境: ブセファランドラは水中でも育ちますが、湿度の高い環境で水上葉を育てることも可能です。このような陸上部分では、害虫が付着しやすくなります。特に通気が悪くじめじめした環境では、害虫が発生・繁殖しやすくなる傾向があります。また植物が弱っていると虫に狙われやすいとも言われます。
- 新規導入時の持ち込み: ブセファランドラを新規導入する場合、目に見えない小さな虫が付いてくる場合があります。水中葉として育てる場合は、虫の多くが水中では生存できないことに加え、ほとんどが魚などに食べられてしまいます。しかし水上葉として育てる場合には、そのまま室内で増殖し、ほかの株にも広がってしまう恐れがあります。
ブセファランドラに付く代表的な害虫の種類
ブセファランドラの葉や茎に発生する虫として、以下のような種類が報告されています。それぞれの特徴や植物への影響、発生しやすい条件を把握しましょう。
アブラムシ
アブラムシは体長2~4mmほどの小さな害虫で、緑色や黒色など種によって色が異なります。普段は葉の裏側や新芽にじっと群がり、口吻(こうふん)を植物に突き刺して汁を吸うため、被害に遭った新芽は縮れたり奇形になって成長が止まります。アブラムシが多く付いた植物では、新葉や芽が萎縮し正常に展開できなくなることがあり、放置すればブセファランドラの生長が大きく阻害されます。
アブラムシは非常に繁殖力が高い害虫で、短期間で大量発生することも珍しくありません。「小さい虫だから」と油断するといつの間にか新芽にびっしり…という事態にもなり得ます。さらにアブラムシは排泄物を葉に残し、これがベタついてカビ(すす病)を誘発することもあります。特に春や秋の涼しい時期に発生しやすく、冬でも室内が暖かければ活動します。
ブセファランドラへの影響: アブラムシ被害が進むと、ブセファランドラは養分を吸い取られて徐々に弱り、葉が垂れ下がって元気がなくなることがあります。新芽が展開せず枯れることもあり、観賞価値を損ねてしまいます。また大量発生したアブラムシは見た目にも不快で、初心者は強いストレスを感じるでしょう。
発生後の挙動: 幸いアブラムシ自体は水に弱く、水に落ちれば多くは溺れるか魚の餌になるため、水中では長く生存できません。しかし一部には体表が撥水性で水面に浮いて移動できる種類も存在し、厄介です。株ごと水没させたにもかかわらず2日間生き延びたという報告もあり、簡単に水で洗い流すだけでは不十分なことがあります。
ハダニ類(葉ダニ、赤ダニ)
ハダニはクモの仲間に属する極小のダニで、体長0.2~0.5mm程度と非常に小さいため一見するとただの小さな黒い斑点のように見えます。色は赤や黄緑など種類によって異なり、ブセファランドラでは葉の裏に赤っぽいダニが付着しているのが見つかることがあります。動きは遅く、葉に密着するようにして吸汁加害をするのが特徴です。
ハダニは植物の葉の汁を吸うため、被害に遭った葉には細かな白や黄色の斑点が散ったようなかすり状の変色が現れます。これは葉緑素が吸い取られて組織が部分的に白くなるためで、次第に葉全体が白っぽくくすんだようになります。ブセファランドラの硬い葉でもハダニ被害を受けると光合成効率が下がり、葉が徐々に衰弱して垂れ下がることがあります。深刻な場合、葉が乾燥して縁から枯れていくこともあります。
発生条件: ハダニは高温乾燥した環境で爆発的に繁殖する傾向があります。観葉植物の世界では「暖かく湿度の低い部屋でハダニ大発生」などとよく言われますが、高湿度管理のブセファランドラ水上葉でも、発生リスクが全くないとはいえません。
ブセファランドラへの影響: ハダニ被害の葉は白っぽくカサカサになり美観を損ねるだけでなく、葉自体の寿命も縮みます。ただし葉組織が溶けて穴が開くような直接的な食害は起こさないため、初期段階なら適切に駆除すれば回復可能です。放置すると新芽や柔らかい部分にも拡がり、光合成効率の低下から植物全体が弱ってしまいます。
発生後の挙動: ハダニも基本的には水に弱く、水中では生存できません。株ごと水槽に沈めてしまえば大半は溺死または魚に食べられます。ただし、水をかけただけでは成虫がしがみついて残ったり、卵が残存して再発する可能性が高いです。一度水没させても、水が乾くと再び動き出したという観察結果もあり、完全駆除には至らなかった例があります。
アザミウマ(スリップス)
アザミウマ(通称スリップス)は、体長1~2mmほどの細長い害虫で、葉の表面を走り回ったり飛び跳ねたりする小さな虫です。色は茶色や黒っぽいもの、縞模様のものなど様々な種類がいます。成虫は細い羽を持ちますが飛ぶのは稀で、動きが素早いのが特徴です。「葉の表に白い小さい虫がいて、動くと意外と速い」という場合、このアザミウマである可能性があります。
アザミウマも口針で植物の細胞を吸う害虫です。被害に遭った葉には銀白色~灰色の細かな斑点が現れ、同時に黒い小さな粒(フン)が点々と付着するのが特徴です。ハブセファランドラの葉がまだらに色抜けして黒い汚れが付いている場合、アザミウマ被害を疑ってみましょう。
ブセファランドラへの影響: アザミウマも多発すると葉の色が抜けて見苦しくなり、光合成低下で生長が鈍ります。新芽よりも葉面全体を舐めるように加害するため、斑点だらけになった葉は次第に枯れることがあります。
発生後の挙動: アザミウマは屋内外問わず発生しますが、特に植物が密生した環境や温室で繁殖しやすい害虫です。ブセファランドラを含む水草の場合、温室育ちの株に付いていることがあり、そのまま持ち込まれることがあります。アザミウマも水中では呼吸できず魚の餌になるため、株を水没させる対処が有効といえるでしょう。
トビムシ
トビムシはコケの中や湿った土壌、水辺に棲む小さな昆虫の仲間で、白や灰色、茶色などの個体がいます。大きさは1mm前後と非常に小さく、しばしば水槽のガラス壁面や水面に点々と群れているのが目に付きます。驚かすとお腹のバネを使ってピョンと跳ねるので「トビムシ(跳び虫)」と呼ばれています。
トビムシは腐食性の生物で、落ち葉や枯れた植物、コケ、微生物などをエサにしています。そのため、水槽や鉢内に溜まった腐葉土やコケ、藻類を求めて発生することがあります。一度発生すると環境が合えば繁殖し、水面や土の上に大量発生することがあります。
ブセファランドラへの影響: 基本的にトビムシはブセファランドラ自体を食害することはありません。むしろ枯葉やコケを食べて分解するため、生態系上は「益虫」とも言える存在です。水槽内の小さな生き餌として繁殖されることもあるくらいで、生体や水草に直接の実害はありません。ただし、ガラス面に無数に発生してピョンピョン飛び跳ねる様子は見栄えが悪く、気になる人にはストレスになるでしょう。
発生後の挙動: トビムシは湿度が高い環境を好みます。水槽内で発生した場合、蓋をしていても隙間から出てくることはほとんどなく、水槽内部(ガラス面)だけで生活しています。水位を上下させても棲み場所が変わるだけで駆除は難しく、水をかけても素早く逃げてなかなか全滅させられません。有効な完全駆除法は確立されていませんが、フタをする、水位を下げてガラス面を乾かす、水上部分を減らすなどで発生を抑えることは可能です。水槽の場合、小型魚(グッピーなど)がいれば水面に落ちたトビムシを喜んで食べてくれることもあります。
害虫がブセファランドラに与える影響
前述のように害虫の種類ごとにブセファランドラへの影響は異なりますが、総じて言えることは「放置すればブセファランドラの健康が損なわれる」という点です。
- 生長阻害: アブラムシやハダニ、アザミウマといった吸汁性の害虫は、ブセファランドラから栄養を奪い取ります。その結果、新芽の展開不良や葉の縮れ、変色が起こり、光合成が低下して株全体の生長が鈍くなります。特に新芽や若い葉が被害に遭うと、ブセファランドラの増殖スピードが落ちてしまいます。
- 葉の枯死・落葉: 被害が重度になると、葉が乾燥してチリチリになったり、茶色く変色して枯れることがあります。ハダニの大量繁殖で葉緑素が失われた場合や、アブラムシ・アザミウマの食害で組織が損傷した場合など、ダメージが大きい葉は回復せず落葉するでしょう。ブセファランドラは比較的丈夫ですが、葉数が減れば光合成量が減り、株の弱体化に繋がります。
- 見た目の悪化: 害虫が付着している状態そのものも美観を損ねます。黒や緑の小さなアブラムシが葉裏にびっしりいたり、白い斑点(ハダニ被害痕)や銀色の痕跡(アザミウマ被害痕)が葉に残ったりすると、鑑賞価値が大きく低下します。ブセファランドラは葉姿を楽しむ水草なので、葉が汚染されると魅力が半減してしまいます。
- 二次被害: アブラムシの排泄物(甘露)が付いたままだと、これにカビが生えて葉が黒ずむ「すす病」を招くことがあります。また害虫で弱った葉は溶けやすくなり、環境の悪化にも繋がりかねないため、注意が必要です。
ブセファランドラに付いた害虫の駆除方法と対策
それでは、実際にブセファランドラに害虫が発生した場合の効果的な駆除方法と、発生を未然に防ぐ予防策(対策)を解説します。
物理的駆除(洗浄・除去)
薬剤を使わずに安全に行える方法として、水洗いや手作業での除去があります。
- 水で洗い流す: 被害が軽微なうちであれば、ブセファランドラの株を、流水で念入りに洗い流す方法が有効です。葉裏に付いたアブラムシやハダニは指でそっと撫でるようにして取り除きます。ただし、水道水で洗うだけでは葉裏の卵やしがみついた成虫を完全に除去できないこともあります。実際に水没攻撃を試みてもアブラムシが生き残った例もあるため、洗浄は繰り返し行うか後述の他の方法と組み合わせると安心です。
- 水没(水槽に沈める): ブセファランドラが水上葉で管理されている場合、一時的に完全水中化してしまうのも手です。水中では大半の害虫が生存できず、魚がいる環境なら餌になって駆除されます。特にアブラムシやアザミウマは水に沈めると浮き上がってくるため、網ですくって除去することもできます。撥水性の種類は一部生き残る可能性がありますが、魚に食べてもらう作戦は確実と言われています。水没はハダニにも有効ですが、一度沈めただけでは卵が残り再発することもあるため、数日おきに何度か沈めるとより効果的です。
- 手で取る・潰す: 葉を指で弾いて落としたり、指ですり潰す方法も有効という報告があります。葉が硬いブセファランドラなら指でそっと擦っても傷みにくいため、筆などで掻き落とすより確実に潰した方が早い場合もあります。潰した後は念のため水洗いしておきましょう。
- 剪定して除去: 被害がひどい葉や茎は、思い切ってカットして取り除くのも一つの方法です。アブラムシが群がった新芽や、ハダニの糸が張った葉などは、その部分を切り捨てることで他への拡散を防げます。
物理的駆除は安全ですが、取り残しがあると再発する可能性が高い点に注意が必要です。一度で完全に駆除しようとせず、数日おきに観察・除去を繰り返して根絶を目指しましょう。
薬剤による駆除(農薬の使用は慎重に)
害虫の数が多く手に負えない場合や、再発を繰り返す場合には殺虫剤(農薬)による駆除も検討します。ただし、薬剤を使うのはリスクが高いため慎重に検討しましょう。
- 市販の園芸用殺虫剤: アブラムシやハダニには、園芸用のスプレー式殺虫剤が効果的です。葉の裏表に薬剤を散布して駆除します。薬剤散布後は十分に水洗いし、薬液が残らないようにしてから戻してください。ブセファランドラ自体は多少の農薬では枯れないことが多いですが、リスクはあります。
- 浸透移行性の粒剤: 浸透性農薬の粒剤を土に混ぜる方法もあります。水上葉を鉢植えで育てている場合、用土に粒剤を撒けばアブラムシやコナジラミ、カイガラムシなどに一定の効果があります。
- 手作りの対処法: 農薬を使わない民間療法的な対処もいくつか知られています。たとえばアブラムシ対策として炭酸水に植物を浸ける方法があります。炭酸水中では二酸化炭素濃度が高く、気泡が虫の気門を塞ぐため窒息死させる狙いです。また牛乳スプレー(薄めた牛乳を吹きかける)も観葉植物では有名な方法で、乾燥した牛乳がアブラムシの呼吸孔を塞ぎます。
再発防止策(予防法)
害虫は発生してから駆除するよりも、発生させない予防が理想です。以下の対策でブセファランドラへの害虫付着を予防しましょう。
- 新規水草のトリートメント: 新しく購入したブセファランドラなど水草を水槽に入れる前に、「水草その前に」等の水草用殺虫剤で薬浴する習慣をつけましょう。市販の水草用薬剤にはプラナリアや貝、害虫の卵を殺す効果があるものがあります。これに数時間~一晩浸けてから水槽に導入すれば、アブラムシの卵や小さなダニ類を持ち込むリスクを低減できます。また、一緒に梱包されていたロックウールやソイルは廃棄し、植物をよく水洗いすることも効果的です。
- 定期的な点検: ブセファランドラの葉裏や新芽を定期的に観察し、早期に害虫を発見できれば大事に至りません。特に水上葉の場合、週に1度は葉の裏に黒や白の小さな虫がいないか確認しましょう。葉が白っぽくなっていないか、新芽の展開が悪くないかもチェックポイントです。早めに見つけて対処すれば被害拡大を防げます。
- 環境整備: 害虫が好む環境を作らないことも大切です。室内栽培では適度な通風と葉への噴霧(水やり)でハダニの繁殖を抑えられます。また植物が弱ると害虫に狙われやすいため、ブセファランドラが健全に育つ環境を維持しましょう。枯葉はこまめに取り除き、鉢や水槽内に腐敗物を溜めないことでトビムシの発生も抑制できます。
- 他植物からの波及防止: 周囲の観葉植物や水草にも害虫が付いていないか注意します。特に屋外から室内に植物を入れるときはアブラムシが付いていないか、水槽近くに観葉植物を置く場合はハダニが繁殖していないかチェックしましょう。害虫の温床が近くにあると、いずれブセファランドラにも飛び火します。
まとめ:ブセファランドラの害虫対策は早期発見・早期対処が鍵
ブセファランドラに発生する主な害虫として、アブラムシ、ハダニ、アザミウマ、トビムシなどが挙げられ、それぞれに異なる被害状況と駆除法があります。基本方針としては、まず日々の観察で害虫を早期発見し、見つけ次第物理的に除去・駆除することが大切です。水洗いや水没でどうしても駆除し切れない場合は安全を確認しながら薬剤の活用も検討しましょう。本記事の内容を参考に害虫トラブルを乗り越えてください。


なお、ブセファランドラの種類別の特徴や詳しい育成方法については、ブセファランドラ飼育図鑑も参考にしてください。


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