水槽用ヒーターの選び方|種類からワット数・電気代・設置位置・寿命・おすすめまで解説
冬に備えて水槽用ヒーターを準備したいけれど、「どれを選べばいいか」、「どれくらい電気代がかかるか」、「パネルヒーターだけでも大丈夫か」など不安に思う方は少なくありません。ヒーターにはさまざまな種類がありますが、基本を押さえれば選ぶのは難しくありません。本記事では基本情報から条件別のおすすめまで、初心者向けに整理します。

目次
水槽用ヒーターの役割
水槽用ヒーターは水温を上げることの他に「水温を一定に保ち、魚などの体調不良や病気リスクを減らす」という重要な役割を持っています。
特に気温が下がる冬は昼夜の気温差や、エアコンなどによる室温の変化で水温が乱高下しやすく、魚・エビ・水草などの生体は調子を崩しやすくなります。ヒーターは水温を上げる方向に限定はされるものの、水温を自動で一定に保ってくれるという大切な機能を持っています。
ヒーターの種類
ヒーターには種類があり、大きく次のタイプに分かれます。
オートヒーター
あらかじめ設定された温度に、自動で調整してくれるヒーターです。26℃固定のものが多いです。
メリット:入れるだけで簡単。安め。
デメリット:温度が固定で変えられない。
サーモスタット+ヒーター(一体型)
温度を自分で調節できるサーモスタットとヒーターがセットになっているタイプです。
メリット:環境に合わせて温度を細かく設定できる。一体型は見た目もすっきり。入れるだけで簡単。
デメリット:ヒーターが壊れると丸ごと交換になる。オートヒーターより高め。
サーモスタット+ヒーター(セパレート型)
サーモスタットとヒーターが別々になっているタイプです。それぞれ別売りされています。
メリット:環境に合わせて温度を細かく設定できる。ヒーターだけを交換できるため、長期的にコスパが良い。
デメリット:一体型より複雑。少々の構造理解が必要。オートヒーターより高め。
パネルヒーター
爬虫類ケージなどで使われる、水槽の外側(底面・側面)から温めるヒーターです。
水槽の加温としては心もとなく、ボトルアクアリウムなどの超小型水槽での使用や、小型水槽の補助的な役割として考えるのが無難です。
ヒーターのワット数(出力)
ヒーター選びで初心者の方がつまずきやすいのが、水量に対する出力不足です。ヒーターにはいわゆる強さがあり、基本的に強くなるほど値段も高くなります。出力が不足すると水が温まらないだけでなく、長時間通電し続けて負荷が増え、故障・事故・電気代増にもつながりやすくなります。
水量の目安
水槽の水量はざっくり次の式で計算できますが、一般的なサイズの水槽であれば下記表のとおりです。
縦cm × 横cm × 高さcm ÷ 1000 = 水量(リットル)
| 呼び名 | サイズ | 水量の目安 |
|---|---|---|
| 30cm規格水槽 | W30×D18×H24cm | 約10L(kg) |
| 45cm規格水槽 | W45×D27×H30cm | 約30L(kg) |
| 60cm規格水槽 | W60×D30×H36cm | 約55L(kg) |
水量別ヒーター出力の目安
水量に対するヒーターの必要出力の目安は以下の通りですが、商品パッケージなどに対応できる水槽サイズが記載していますので安心してください。
- 超小型水槽(〜8L):10〜20W
- 小型水槽:36〜80W
- 45cm水槽:120W前後
- 60cm水槽:160W前後
- 90cm水槽:300Wクラス
ヒーターの電気代
水槽設備の中で、ヒーターが最も電気代を食います。ここでは電気代の目安について解説します。
電気代の計算式
(ワット数 × 使用時間)÷1000 × 電気料金単価(円/kWh)
※電気料金単価は、31円/kWhがよく使われます。
※使用時間は、ヒーターの「稼働率」で見積もるのが現実的です。(24時間稼働しているわけではない)
出力別にざっくり見積もり
- 45cm水槽(120W):約893円/月(8h稼働目安)
- 60cm水槽(160W):約1,190円/月(8h換算目安)
電気代を下げる工夫
電気代を下げたいからと言って、ワット数を下げるのはNGです。水温が上がりきらず生体に悪影響なのに加えて、長時間通電(稼働)することで、逆に電気代が高くつくことがあります。電気代を下げたいなら、ヒーターの稼働率を下げる工夫を行いましょう。
稼働率を下げる工夫
- 室温を上げる:部屋そのものを温めることで水温は下がりにくくなります。
- フタをする:水が蒸発すると熱が逃げるため、フタは意外と保温に直結します。
- 断熱材・断熱シートを使う:水槽の側面・背面に断熱を入れると、ヒーターの稼働率が下がりやすいです。
- 水量を増やす:水量が多いほど水温は下がりにくくなります。
ヒーターの設置位置
「安全」と「温度の正確さ」を最優先に、次点でレイアウト上「見えにくい所に隠す」などでOKです。
深め + 水流が当たらない場所 + 底砂に埋めない
ヒーターは水面に露出すると故障の原因になります。水位が下がって露出しないよう、深めの位置に設置するのがおすすめです。また正確な温度が測れるよう、水流が直接当たらない場所に設置してください。底砂に埋めるのもNGです。
水温計・センサーは、ヒーターから離す
セパレート式のサーモスタットのセンサーはヒーターから離しましょう。水温を把握する水温計も同様です。
縦置きは、製品が対応している場合のみ
縦置き不可の製品もあるため、取扱説明書の確認が必須です。
ヒーターの寿命(交換目安)
ヒーターは「壊れてから交換」では遅い設備です。さらに、突然故障することがあるから厄介です。一定期間で思い切って交換する、予備をあらかじめ用意しておくことで、事故を回避できる可能性が高まります。
商品にもよりますが、交換目安として1〜2年を推奨する情報が多いです。設定温度まで届かないといった、これまでとは違う状態が見られたら、交換を検討したほうが無難です。
事故事例
私の経験上、よくある事故を紹介します。
空焚き防止機能で使用不可になる
ヒーターは空焚き(空気中で加熱)によって火事の危険性もあるため、空焚き防止機能がついている商品が多いです。つまり空気中に本体が露出すると、ヒューズが飛んで二度と使えなくなります。水換えや蒸発で水位が下がって使用不可になる、というパターンは少なくない事故ですので注意してください。
もちろん、それ以上に火事のリスクには注意が必要です。露出防止・取り出す際の電源OFF(プラグ抜き)は必ず徹底してください。
セパレート式のヒーターを単独で使用する
オートヒーターやサーモスタット一体型のヒーターは大丈夫ですが、セパレート式のヒーターは単独では水温調整機能が付いていません。つまり、出力に応じて水温を上げ続けてしまいます。セパレート式のヒーターは他の製品と混同しないよう管理し、絶対に単独で使わないようにしましょう。
故障による水温低下・水温上昇
ヒーターが故障することによって、温める機能を失い水温低下を招きます。そのほかにも温める機能は生きたまま、水温を感知する機能が故障し水温が上昇し続けるパターンもあります。突然発生し、すぐに気づけない可能性も高い事故ですので、定期的な交換が最も安全な対策と言えます。
条件別おすすめ
ここでは、初心者の方のニーズに応じたおすすめを紹介します。
- とにかく簡単、シンプル、安価:オートヒーター
- 今後いろいろな生体にチャレンジしたい:サーモスタット
- 故障に備えたい:サーモスタット(セパレート式)
- 水槽サイズアップも視野に入る:出力強めのタイプ
まとめ
水槽用ヒーターは、基本的な知識を身に着ければ簡単・安全に使用することができます。また電気代が高いイメージがありますが、節約する工夫の余地もあります。熱帯魚を飼育する上ではほぼ必須のアイテムとなりますので、正しく学んで自分に合ったものを選べるようになってください。
水草の販売も行っています。






