リシアの育て方|浮かせる方法・活着の可否・絨毯レイアウトの作り方を解説
リシアは明るい黄緑色の草体と、光合成でつける気泡が美しいウキゴケの仲間です。水中に小さな草原や絨毯が広がったようなレイアウトを作ることができるため人気があります。しかし、リシアは水面付近に浮かぶ浮草の仲間で、根を持たず、石や流木に自然活着するわけではありません。本記事では、リシアの育て方からレイアウトへの活用まで解説します。
目次
リシアの特徴
リシアは水面に浮かぶ浮遊性の水草です。学名は「Riccia fluitans」で、ウキゴケの仲間として扱われます。アクアリウムでは、水槽内で石などに釣り糸で固定して沈めることで、前景草のように使われることもあります。
見た目の特徴は、細かく枝分かれするような明るい緑色の草体です。ひとつひとつは小さいですが、密集するとふわっとした塊になり、光が当たると非常に明るい印象になります。
特に人気が高い理由は、状態よく育ったときに細かな気泡をたくさんつけることです。水草水槽でリシアが一面に気泡をつけている様子はかなり見応えがあり、水草水槽らしさを強く演出できます。


リシアを浮かせる育て方
リシアを最も自然に近い形で育てるなら、水面に浮かせる方法が簡単です。水面に浮かべておけば、光を受けやすく、CO2も水面付近で取り込みやすいため、比較的育ちやすいです。
浮かせて育てるポイント
まず傷んだ部分や茶色くなった部分を軽く取り除きます。その後、水槽の水面にそっと浮かべます。
そのままでも育ちますが、フィルターの排水であちこちに散らばる場合は、浮草用のリングや目の粗いネットを使って、ひとまとめにしておくと管理しやすくなります。
浮かせて育てる場合のポイントは、強すぎる水流を避けることです。水面でぐるぐる回り続けたり、フィルターの吸水口に吸い寄せられたりすると、細かくちぎれて管理しにくくなります。水流はゆるやかにし、リシアが落ち着いて浮いていられる場所を作ってあげましょう。
浮かせるメリット
リシアを浮かせるメリットは、育成難易度が下がることです。水面に近いため光を受けやすく、沈めて育てるよりも調子を戻しやすいです。また、メダカや小型魚、稚魚、エビの隠れ家にもなります。細かく絡み合ったリシアの隙間は、小さな生き物にとって安心できる場所になります。
一方で、増えすぎると水面を覆い、下にある水草へ光が届きにくくなります。増えすぎた分は定期的に間引きましょう。
リシアは活着する?石や流木につく?
結論から言うと、リシアはウィローモスのように自然活着する水草ではありません。
リシアには根がなく、石や流木に自力でしっかり張り付く性質は基本的にありません。そのため、レイアウトで使うときは、テグス、リシアライン、リシアネットなどで固定します。
ウィローモスとの違い
ウィローモスは、時間とともに流木や石に絡みつき、ある程度自力で定着していきます。そのため、最初に糸で巻いておけば、後から糸が分解されても残りやすいです。
しかしリシアは、糸がなくなったり、固定がゆるんだりすると浮き上がります。木綿糸のように時間とともに溶ける素材で巻くと、後から外れてしまう可能性があります。
リシアを水中レイアウトに使うなら、溶けにくいテグスや糸、ネットを使う方が安定します。
リシアは植える水草ではなく「固定して沈める水草」
リシアは底床に植えて根付かせる水草ではありません。前景草のように使われることはありますが、実際にはネットや石に固定して沈めている状態です。
そのため、ニューラージパールグラスやグロッソスティグマのように、底床へ根を張って広がる水草とは管理方法が違います。
リシアで前景の絨毯を作るポイント
薄く広げる
リシアは、厚く乗せすぎないことが大切です。厚く詰めすぎると、内側に光や水流が届きにくくなります。その結果、下の方から傷んで茶色くなる原因となります。
また、購入直後のリシアは輸送や環境変化で弱っていることもあるため、いきなり沈めず、数日ほど浮かせて様子を見る方法もよく使われます。

ネットやテグスで固定する
固定する方法は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、ネットを使う方法です。ステンレス製やプラスチック製のネットにリシアを挟み、前景に置くことで、ネットの隙間からリシアが伸びてきます。広い面を均一に作りたい場合に向いています。
もうひとつは、平たい石やプレートにリシアを乗せ、テグスで巻き付ける方法です。自然な丘や小さな島のようなレイアウトを作りたい場合に向いています。
明るい場所に置く
リシアを沈めて育てる場合、光量はかなり重要です。リシアは明るい環境で光合成が活発になり、状態が良いと気泡をつけます。また、背の高い水草の影にならない場所に配置しましょう。
CO2を添加する
浮かせて育てるだけならCO2添加なしでも維持できる場合がありますが、沈めて美しい絨毯を狙うならCO2添加は有利です。CO2が不足すると、成長が鈍くなり、色が薄くなったり、コケに負けやすくなったりします。CO2なしで長く美しく維持するのは難易度が高いと言えるでしょう。
伸びすぎる前にトリミングする
美しい状態を維持するうえでは、トリミングが重要です。リシアは成長すると厚みが出て、内部に酸素を含みやすくなります。そのまま放置すると、浮力が増してネットごと浮き上がることがあります。
厚みが1〜2cmほどになったら、表面を軽く刈り込むイメージでトリミングすると維持しやすいです。切った破片は水中に散らばりやすいので、ネットやスポイトで回収しましょう。
リシアの育成環境
リシアをきれいに育てるには、光、CO2、水流、栄養、トリミングのバランスが大切です。
光量
リシアは明るい環境でよく育ちます。特に沈めて絨毯状にする場合は、しっかり光が届く照明を使いましょう。光が弱いと、成長が遅くなったり、色が薄くなったりします。気泡も出にくくなるため、リシアらしい魅力が出にくくなります。
ただし、光だけを強くしてCO2や栄養が不足すると、今度はコケが出やすくなります。リシアは細かく密集するため、一度コケが絡むと取り除きにくいです。光量を上げる場合は、CO2添加や水換えもセットで考えましょう。

CO2
リシアはCO2なしでも維持できる場合があります。ただし、水中に沈めて密度のある絨毯レイアウトを作りたい場合や、気泡をしっかり楽しみたい場合は、CO2添加がある方が成功しやすいです。
水温
リシアは極端な高水温を避けた方がよい水草です。一般的な熱帯魚水槽の水温で育成できますが、夏場に30℃前後の高水温が続くと、状態を崩したり、溶けるように傷んだりすることがあります。特に強い照明を使う水草水槽では水温が上がりやすいため、夏場は冷却ファンや室温管理で水温上昇を抑えると安心です。
水流
リシアは細かく軽い水草なので、強い水流が直接当たるとバラけやすくなります。特に巻きたてのリシアや、ネットからまだ十分に伸びていないリシアは、フィルターの排水で浮き上がることがあります。排水口を壁面に向けたり、シャワーパイプで水流を分散させたりして、やわらかい水流にしましょう。
ただし、水流がまったくない場所もよくありません。水がよどむとコケが出やすくなります。
肥料
リシアは根から栄養を吸うタイプではありません。液体肥料を使う場合は、少量から様子を見ましょう。肥料を増やしすぎると、リシアより先にコケが増えることがあります。
特に立ち上げ初期の水槽や、魚が多い水槽では、すでに水中の栄養が多い場合があります。まずは光とCO2、水換えのバランスを整えることを優先しましょう。
リシアが浮く・バラバラになる原因
リシアでよくある失敗が、「せっかく沈めたのに浮いてきた」というものです。原因は主に4つあります。
固定がゆるい
リシアは浮力があるため、軽く巻いただけでは外れやすいです。テグスで巻く場合は、間隔を狭めにして、リシアが隙間から抜けにくいようにします。
ただし、強く締めすぎるとリシア自体が傷むことがあります。押さえるけれど潰しすぎない、という加減が大切です。
厚く盛りすぎている
最初からリシアを厚く乗せると、内部に光が届きにくくなります。下の方が傷むと、次第に溶けて崩壊する可能性があります。薄目を維持するように管理しましょう。
トリミング不足
リシアは育つと浮力が増します。見た目がふわふわしてきれいな時期でも、放置しすぎると突然浮き上がることがあります。絨毯として維持したい場合は、「きれいになったら完成」ではなく、「きれいなうちに刈る」意識が必要です。
魚やエビに動かされている
底をつつく魚や、石の隙間を探る魚がいると、固定が甘いリシアは外れやすくなります。コリドラスやローチを入れる場合は、テグスで軽く巻いただけの状態よりも、リシアネットやベースにしっかり挟んで使う方が安定しやすいです。大型魚や底床を掘る魚との組み合わせでは、レイアウトが崩れやすい場合があります。
リシアが枯れる・白くなる・コケる原因
リシアがうまく育たない場合は、次の原因を確認しましょう。
光量不足
リシアの色が薄くなったり、成長が止まったりする場合は、光が足りていない可能性があります。特に水槽の前景まで光が届いているか確認してください。背の高い水草や流木の影になっている場合は、配置を見直しましょう。
CO2不足
沈めて育てているリシアで気泡が出ない、成長が遅い、色が悪いという場合は、CO2不足も疑います。
ただし、気泡は水換え直後や照明時間、環境によって見え方が変わります。気泡が出ないだけで即失敗とは言えませんが、リシアの成長が悪い場合はCO2添加を検討する価値があります。
コケの付着
リシアは細かく密集しているため、糸状ゴケやシアノバクテリアが絡むと取り除きにくいです。
コケが出る場合は、照明時間を短くする、水換えを増やす、肥料を控える、CO2を安定させるなど、水槽全体のバランスを見直しましょう。
水流のよどみ
リシアの表面に汚れがたまり、コケが出る場合は、水流が弱すぎる可能性があります。強すぎる水流はリシアをバラけさせますが、弱すぎる水流もコケの原因になります。ゆるやかに水が通るように調整しましょう。
リシアを使ったレイアウト例
リシアは、使い方によって印象が大きく変わる水草です。
前景の明るい絨毯レイアウト
最も定番なのが、前景にリシアを敷きつめるレイアウトです。リシアの明るい黄緑色は、水槽全体を一気に明るく見せます。石組みレイアウトと組み合わせると、岩場の間から草原が広がるような景色を作れます。
石に巻いて小さな丘を作るレイアウト
平たい石や小さな溶岩石にリシアを巻くと、丸みのある小さな丘のような表現ができます。水槽の前景から中景にかけて配置すると、自然な起伏を作りやすいです。
流木に添えるレイアウト
リシアは流木に巻き付けて使うこともできます。ただし、活着はしないため、長期維持には巻き直しやトリミングが必要です。流木の上に明るいリシアを乗せると、暗い茶色の流木とのコントラストが出ます。ウィローモスよりも明るく、軽やかな印象にしたいときに向いています。
浮かせて自然感を出すレイアウト
あえて沈めず、水面に浮かせる使い方もあります。浮かせたリシアは、稚魚やエビの隠れ家として使いやすく、自然な雰囲気を出せます。メダカ水槽や小型魚水槽では、繁殖補助や隠れ場所としても役立ちます。
ただし、増えすぎると水面を覆ってしまうため、下の水草に光が届かなくならないよう注意しましょう。
まとめ
リシアは、明るい黄緑色と美しい気泡が魅力の水草です。前景に使えば、絨毯のような華やかなレイアウトを作ることができます。少しクセのある水草ですが、そのクセを理解すれば、水槽の印象を一気に明るくしてくれます。浮かせて楽しむのも、絨毯のように使うのも魅力的です。自分の水槽に合った方法で、リシアの美しい黄緑色を楽しんでみてください。


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