ミクロソリウムの育て方|基本から、活着レイアウト、種類の違い(プテロプス・ウェンディロフ・ナローetc)まで解説

ミクロソリウムの基本情報

ミクロソリウムは、東南アジア原産のシダ植物の仲間で、一般的な有茎草とはまったく異なるタイプの水草です。CO₂添加・強光がなくても育つ「陰性水草」、流木や石に活着する「着生植物」、葉姿のバリエーションが非常に豊富で多くの品種が存在することが最大の特徴です。その性質から、アクアリウム初心者〜中級者におすすめの水草です。

  • 学名:Microsorum
  • 分類:シダ植物・着生シダ
  • 原産地:東南アジア(インドネシア・マレーシア・タイなど)
  • 草丈:10〜30cm前後(品種による)

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ミクロソリウムの育て方

水温・水質

20〜26℃前後を維持するのが望ましいです。高温はやや苦手で、28℃以上にならないように調整しましょう。水質は、弱酸性〜中性、軟水〜中硬水まで幅広く適応します。ほかの水草同様、1〜2週間に1度、全体の1/3〜1/2程度の水換えは欠かさないようにしてください。

光量

陰性水草のため、光は弱〜中程度で十分です。強光はコケの原因にもなります。

CO₂

二酸化炭素(CO₂)の添加も不要です。添加によって成長はやや早くなるという報告もありますが、基本的にはコケ誘因のリスクが高まってしまいます。

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栄養

陰性水草は要求する栄養も多くありません。ソイルや生体由来の栄養で十分であることが多いです。

植え方

ミクロソリウムはソイルや砂に植えるのではなく、石や流木に「置く」か「巻きつける」のが基本です。素材に固定することによって、数週間~数か月で活着してくれます。根茎が砂に埋まると、腐って溶けてしまうこともあるため注意しましょう。

トリミング

ミクロソリウムは成長がゆっくりのため、頻繁なトリミングは不要です。一方で古くなったりダメージを受けたりした葉は、変色・穴あきの症状が出がちです。光合成の機能を失うほど痛んでしまった場合は、根元からカットしてしまいましょう。

活着のやり方とレイアウトのポイント

活着のステップ

  1. ミクロソリウムの根茎部分を観察し、長すぎる根は少しカットします。
  2. 流木・石の「見せたい位置」に仮置きして正面からバランスを確認します。
  3. 木綿糸かビニタイ、水草用接着剤で、根茎だけを数カ所留めます。(締め付けすぎないように注意)
  4. 数週間~数か月で根が素材に活着し始めます。

レイアウトのコツ

ミクロソリウムは水槽レイアウトにおいて、中景〜後景の「塊」として使うのがおすすめです。

「トライデント」、「本ナロー」、「ナローリーフ」のように葉が細い品種は、動き・流れを演出するのに向いています。一方で「プテロプス」、「ソードリーフ」のように葉が広い品種は、背景のボリューム・陰影を作るのに向いていると言えます。

ミクロソリウムの増やし方

ミクロソリウムの増やし方は大きく2つです。

① 根茎を切り分ける「株分け」

  1. 活着してしばらく経ち、根茎が横に伸びてきた株を対象にする
  2. ハサミかカッターで、2〜3葉以上の単位で根茎をカット
  3. 切り分けた株を、それぞれ流木や石に再び巻き付ける

株分けを繰り返すことで、1株から水槽中を覆うボリュームまで増やすことができます。細かく分けすぎないのがポイントです。

② 葉から出る「子株」を活用する

ミクロソリウムの古い葉の裏側には、丸い黒い点(胞子嚢)や小さな新芽(子株)が出てくることがあります。

  • 子株が1〜2cm程度まで育ったら、古い葉から丁寧にもぎ取る
  • 小さな流木や石に巻き付けて水流の少ない水槽で養生
  • 一定サイズまで育ったら元の環境に戻しても大丈夫

代表的な種類と違い

ミクロソリウムにはさまざまな品種があり、それぞれに葉の形が特徴的でとても個性があります。よく流通するミクロソリウムの代表品種を、初心者目線でざっくり比較します。

ミクロソリウム・プテロプス

  • 基本となるノーマルタイプ
  • 葉幅は中くらい、草丈もやや大きめ
  • レイアウトの中景~後景の主役として使える

ミクロソリウム・ナローリーフ / 本ナロー

  • プテロプスより葉が細く、すっと長く伸びるタイプ
  • 「本ナロー」は、特に葉幅が狭くシャープさが強い選抜系とされることが多い
  • 流木の枝振りに沿わせると川の流れや風の動きを表現しやすい

ミクロソリウム・ウェンディロフ

  • 葉先が細かくフリル状に分岐するタイプ
  • デンマークの水草ファーム「Tropica」の創設者名に由来した品種名とのこと
  • ボリュームをつくりやすく、水流に揺らぐ葉も美しい

ミクロソリウム・トライデント

  • 葉先が三つ叉(トライデント)状に枝分かれする品種
  • 群生させるとボリュームが出て、中景〜後景のふさふさした茂みを作るのに最適

ソードリーフ / ドラゴンウィング など

  • 「ソードリーフ」:剣のようにまっすぐ伸びる葉姿
  • 「ドラゴンウィング」:葉先がうねるような独特のシルエット
  • いずれも存在感が強く、ポイントとして1〜2株置くだけで雰囲気が変わる

よくあるトラブルとシダ病対策

初心者が悩みやすいのが、「コケ」と「シダ病」と呼ばれる症状です。

コケ

ミクロソリウムは成長が遅く、光や栄養なども多く要求しないため、環境によってはコケに覆われて調子を落とすことが少なくありません。葉に大量のコケがつくと光合成ができなくなるため、予防と対策をしっかり行いましょう。また、水流が直接当たる場所にミクロソリウムを設置すると、黒ひげ苔という頑固なコケが付着する場合があるため注意してください。

対策:

  • 強光や栄養過多を避けるなど、飼育環境を工夫する。
  • ミナミヌマエビやヤマトヌマエビ、オトシンクルスなどのコケ取り生体を導入する。

シダ病

ミクロソリウムは「シダ病」と呼ばれる様々な症状に悩まされることが多いです。具体的には、下記のような症状が複合的に出ると言われます。なお、一度シダ病が広がった株でも、根茎が生きていれば復活するケースは多いです。

  • 黒ずみ:葉が部分的に黒く変色していく
  • 溶け:透明〜茶色く溶ける
  • カビ:白っぽいカビのようなものが付着する
  • 穴あき:葉に小さな穴があき、ボロボロに見える

対策:

  • 黒ずんだ古い葉は根元から切り取る。
  • こまめな水換えと、ミクロソリウム周辺の水流確保で水質悪化を防ぐ。
  • 痛んだ葉を剪定し、新芽に栄養を送る(光合成できる葉を残す)。
  • コケ対策を徹底する。

水上葉と水中葉

ミクロソリウムは、ショップでは水上葉の状態で育成されていることが多くあります。水上葉は、葉が空気に直接触れる環境に適応しているため、水中でレイアウトするためには水中環境に馴染ませる必要があります。水上葉と水中葉で見た目が大きく変わる水草も多いですが、ミクロソリウムはもともと葉が硬く丈夫な方なので、そこまで大きな変化は見られません。

水上葉から水中葉への「入れ替わり」

水上葉は水中環境に入ると、もともとあった葉に「変色」、「 穴あき」、「溶け」 といった症状が出ることがあります。

特に初心者の方は「病気」や「水槽環境の悪さ」だと勘違いしやすいですが、これは水中環境用の葉に入れ替わる過程であることが多いと認識しておきましょう。古い水上葉はボロボロになって無くなってしまうこともありますが、水中葉に適応した新芽が次第に出てきます。

この時期にやってはいけないこと

この時期に「調子が悪い」と判断して、照明や栄養、水質などの環境をコロコロ変えると逆効果となり、成長や発芽にも悪影響となります。古い葉の状態は割り切って「新しい水中葉が出てきているか」だけに注目し、1〜2ヶ月は大きく環境をいじらず見守るのが成功への近道です。

ミクロソリウムを主役にしたレイアウト事例アイデア

ここでは、初心者でも真似しやすいレイアウトの型をいくつか紹介します。

プテロプス・トライデントの「熱帯雨林の森」レイアウト

  • 中〜後景に、プテロプスやトライデントを流木の枝にびっしり活着
  • 足元には小さめの石+背の低い陰性水草(アヌビアスナナ・ブセファランドラなど)
  • 魚はネオンテトラ・ラスボラ系の小型魚

→ 「奥行き感のある熱帯雨林の渓流・森林」のような水景を作れます。

ナローリーフ+本ナローで「流れ」を作るレイアウト

  • ナローリーフを流木に倒し気味に活着
  • すべて同じ方向に葉が流れるように配置
  • 水流の向きと葉の向きを揃える
  • 魚はネオンテトラなど水の流れに沿って隊列を組んで泳ぐ小型魚

→「きれいな水が淀みなく流れる渓流の川底」のような水景を作れます。

ウェンディロフ・ドラゴンウィングをアクセントにしたレイアウト

  • ベースは背の低い陰性水草や、プテロプスなどシンプルな葉姿の水草で構成
  • 枝ぶりの良い長めの流木を、水槽の左右どちらかに高さを出して設置
  • 背の高い側の流木に、ボリュームのあるウェンディロフやドラゴンウィングを活着

→「どこに置いても映える迫力のある三角構図」レイアウトを作れます。

まとめ

ミクロソリウムはCO₂なし・弱光で育つ初心者にもおすすめの水草です。レイアウトの自由度が高く、魅力的な葉姿から、アクアリウムを長く楽しむ土台になってくれます。特徴や種類、育て方を把握してぜひ育ててみてください。

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