ナヤスが育たない・ちぎれる原因と解決法|育て方から植え方、増やし方まで詳しく解説
目次
ナヤスの特徴と種類
ナヤスは細長い茎に繊細な針状の葉を多数つける完全沈水性(水中葉のみ)の水草で「イバラモ属(Najas属)」の総称です。緑色の透明感ある葉が水中で密生し、美しい群生を作り出します。存在感がありつつ、しなやかで上品な印象もあり、アクアリウム初心者から上級者まで人気の水草です。


種類: ナヤス属の植物は世界に複数種存在し、日本にも数種が自生しています。アクアリウムで流通するものとしては、一般的な「ナヤス」のほか、「ブラックナヤス」や「ナヤス・インディカ(インドナヤス)」などの名前で販売されるものがあります。これら通常のナヤスは非常に丈夫で環境適応力が高く、浮かべておくだけでも育つほどの強健さを持ちます。一方で「ラージ・ナヤス」と呼ばれる大型の種類はやや難易度が高く、強い照明やCO2添加など本格的な設備があった方が美しく育つ傾向があります。ただし見た目はいずれも細い葉が絡み合う似た姿で、基本的な育成方法は共通しています。
アクアリウム向きの理由: ナヤスがアクアリウム初心者にも人気の理由は、その育てやすさと水質浄化能力にあります。水質への適応範囲が広く非常に育成しやすいため、初心者向きの定番水草となっています。環境が合えば驚くほどの速さで成長・繁殖し、水槽内をあっという間に緑でいっぱいにしてくれます。成長が早い分、水中の栄養分(窒素やリンなど)を大量に吸収するため水質浄化にも役立ち、コケの発生を抑えてくれる優れた水草です。また、細かな葉の隙間はメダカやエビなど小さな生体の絶好の隠れ家・産卵床となり、水槽内の生態系づくりにも貢献します。これらの理由から、ナヤスは「入れておけば勝手に増えて水槽を安定させてくれる」頼もしい水草として重宝されています。
ナヤスの基本的な育て方(水質・照明・水温など)
ナヤスは極めて環境適応力が高く、基本的な育成条件は幅広い範囲にわたります。以下に水質・照明・水温といった項目ごとのポイントをまとめます。
水質(水質・硬度)
弱酸性~弱アルカリ性(pH6.5~7.5程度)まで適応し、極端でなければ多少の水質の違いには耐えます。一般的には軟水~中硬水を好みます。水質自体に敏感ではないものの、水質が悪化しすぎると株ごと腐りやすいため注意が必要です。定期的な換水で新鮮な水を保つことが元気に育てるコツです。
水温
最適水温は23~25℃前後とされています。ただし適応範囲は広く、20~28℃程度なら問題なく育成可能です。低水温に強く、15℃前後にも耐える丈夫さがあります。一方、極端な高温(30℃以上)では溶ける可能性があるため、夏場は水温上昇に注意しましょう。
照明(光量)
中程度の光量があれば十分育ちます。強い照明下では成長スピードがさらに上がり、葉色はライトグリーン(明るい黄緑)になります。逆に弱い照明下でも育成自体は可能で、その場合は葉色が濃い緑色になりやすいです。ただし極端に暗い環境では生長が遅くなるため、1日8時間前後の照明時間を目安に適度な光を当ててください。
CO2添加
ナヤスはCO2無添加の環境でも元気に育ちます。ただし、他の水草同様にCO2が豊富な環境では成長が早まる可能性はあります。初心者の方は無理にCO2システムを用意しなくても、ナヤスは問題なく育成できるでしょう。
肥料分(養分)
ナヤスは主に水中の養分を葉から直接吸収します。そのため底床肥料よりも水中の栄養が重要になります。基本的に魚やエビを一緒に飼育していればフンや餌の残りから栄養が供給されるため、特段肥料を足さなくても育つ場合が多いです。
もし水槽が過密で栄養過多になると爆発的に繁茂しますが、逆に生体が少なく栄養が不足する環境では成長が鈍ることもあります。その際は薄めの液体肥料をときどき追加してあげると良いでしょう。新芽が白っぽくなってきた場合は栄養不足のサインなので、液肥を与えることで復活します。
水流
ナヤスの茂みに水流が当たると葉が揺れてとても美しいです。弱め~適度な水流がある環境が好ましく、水流が全くないよりは多少流れがあった方が調子が良いです。ただし、強すぎる直流が常に当たると茎がちぎれやすくなるため注意しましょう。水流を調節したフィルターの吐出口付近に配置し、吸込み口の近くは避ける、という配置が理想です。
ナヤスの増やし方のコツ(繁殖方法と成功条件)
ナヤスは極めて増やしやすい水草です。基本的には放っておいても適した環境下では勝手に増殖しますが、ここでは意図的に繁殖させる方法やコツを紹介します。
自然増殖
ナヤス最大の特徴は茎や葉の断片からでも新たな株が成長するという驚異的な繁殖力です。水槽内で茎が折れて細かくちぎれても、それらの破片が各所で根を出し新芽を展開していきます。そのため、「いつの間にか水槽中がナヤスだらけになっていた」という状況も珍しくありません。特に何もせずとも適度な照明と栄養がある環境では爆発的に増えるでしょう。
カットによる繁殖
ナヤスを計画的に増やしたい場合、わざとカットしバラバラにすることで、増殖スピードを高めることが可能です。注意点として、あまりにも一株が小さくなると、そのまま枯れてしまう可能性があります。
- 茎をカットする: ある程度長く成長した茎を手やハサミでカットします。一節でちぎってしまうのが簡単です。
- 切り取った上部を育てる: カットした茎の上側(先端側)の部分をそのまま浮かせるか、束ねて、底床にそっと植え込みます。
- 残った下部も再生: 元の茎の下側(根元側)も水槽内にそのまま残しておけば、再生して伸びていきます。
このように上部を植えて増やし、下部も新芽を出して増えるという循環で、効率的に数を増やすことができます。
ナヤスを計画的に増やす際はトリミング(間引き)後の管理にも注意しましょう。切り取った茎の破片がフィルターに詰まらないよう除去する、間引きすぎて光が一気に強く当たりコケが生えないよう量を調節する、といった配慮があるとベターです。ですが基本的にはナヤスは繁殖力旺盛なため、大きく構えずとも自然に増えていくでしょう。
ナヤスが育たない・ちぎれる場合のお悩み対策
丈夫なナヤスとはいえ、状況によっては「思うように育たない」「すぐバラバラにちぎれてしまう」といった問題が起こることもあります。ここでは、そうしたよくあるお悩みの原因と対策について解説します。
トラブル① 育たない・枯れる
もしナヤスがうまく育たず、新芽が出なかったり溶けるように枯れてしまう場合、まず疑うべきは飼育環境です。考えられる原因と対策は次の通りです。
- 栄養不足: 葉先が白く透明になっていたり、全体にコケも生えず痩せた印象の場合、明らかに栄養不足です。液体肥料を適量追加し、水中の養分を補ってください。ナヤスは肥料が行き渡ればすぐに新芽を出すので、改善が見られるはずです。
- 光量不足: 葉が極端に間延びしてヒョロヒョロになったり、下葉がポロポロ外れていく場合、光量不足が疑われます。照明時間を延長するかライトを明るいものに換えてください。弱光でも枯れませんが、適度な光がないと成長スピードが著しく低下します。水槽の場所を窓際の明るい場所に移すだけでも違います。
- 水質悪化: 水替えを長期間怠っていると、水中に老廃物が蓄積していきます。ナヤスは「きれいな水」を好み、水が古くなりすぎると株全体が溶けるように腐る恐れがあります。対策はこまめな換水です。
- 水質急変のショック: 急なpH・水温変化があるとナヤスが耐えきれない可能性があります。例えば水槽の引越しや大量換水の直後に枯れるケースがあります。これは環境変化によるストレスと考えられるため、導入・移動時には時間をかけて水合わせをする、換水も一度にやりすぎない、といった配慮が必要です。
- 高水温/低水温すぎ: ナヤスは広範な水温に耐えますが、あまりに高温(30℃超)や低温(15℃以下)では調子を崩します。夏場は冷却ファン等で28℃以下に保つ、冬場はヒーターで加温するなど、適温範囲内に保つようにしましょう。
トラブル② ちぎれて散らばる
ナヤスは非常に折れやすい、ちぎれやすい水草としても知られています。茎が特段硬いわけではありませんが、節でポキッと折れる性質があり、扱いを誤るとすぐバラバラになってしまいます。この「ちぎれる」トラブルとその対処法は以下の通りです。
- 原因: 茎が折れる主な原因は物理的な力が加わることです。例えば強い水流に長時間晒される、フィルターの吸入口に引き寄せられる、大型魚に引っ張られる、トリミング時に乱雑に扱う、といったケースです。
- 影響: ちぎれた破片は水槽中を舞い、フィルターに詰まったり他の水草に引っかかったりします。見た目も散らかった印象になり、レイアウトを乱す原因になります。また、根付かせたい場所から浮上してしまい、意図しない場所で繁殖してしまうこともあります。
- 対策: 基本対策は「折れないように優しく扱う」ことですが、具体的には次のような方法があります:
- フィルター対策: ナヤスが吸い込まれないよう、外部フィルターの吸水パイプにはスポンジフィルターを装着すると良いです。これにより破片がスポンジに引っかかり、モーター部への侵入を防げます。レイアウト上も吸込み口付近には配置しないようにしましょう。
- 水流調整: 強すぎる水流は避けます。フィルターの出水口の向きを変える、拡散パイプで拡げる、流量を落とす等でナヤスの茂みが激しく揺れない程度の流れに調整します。適度なゆらぎは◎ですが、茎が千切れるほどの流れはNGです。
- 生体の選択: 大型で草を引きちぎるような魚(大型シクリッドや草食性のコイ科魚など)との混泳は避けます。後述しますが、金魚など草をついばむ魚はナヤスを食害・破壊する可能性が高いです。混泳相手は穏やかで小型の魚やエビ類が望ましいです。
- トリミングの工夫: 前述のようにハサミで適切な長さに刈り取るのが望ましいです。手でちぎると細かい破片が無数に出る可能性があるため、水草バサミを使うのがおすすめです。また、トリミングや間引きを行う際は網をスタンバイし、破片をすくい取るようにします。これで大半のちぎれ片を回収できます。
以上のように、ナヤスのトラブルは環境さえ整えば回避できるか、あるいは性質上割り切って付き合うしかないものが多いです。特に「ちぎれ」はナヤスの宿命でもあるといえるでしょう。
初心者向けのナヤスの植え方(重りの使い方など)
ナヤスの根は各節から細いものが1本程度出るだけで、他の水草のようにがっしりと底床に活着するタイプではありません。以下に初心者におすすめの飼育方法をいくつか紹介します。
- そのまま浮かべる方法: 最も簡単なのは、ナヤスを浮草のように水槽に浮かべてしまう方法です。購入したナヤスをよく洗い、水槽にポンと入れるだけで基本OKです。ナヤス自身が沈水性なので、数本束ねて入れると自然と沈んで中層~下層に留まる場合もあります。この方法だと植え込みの手間もなく、水面近くから中層にかけてナヤスが自由に漂いながら成長します。フィルターの吸込みにだけ注意しつつ、自由奔放に茂らせたい場合に適しています。
- 底床に植える方法: 一般的な有茎水草と同様に、ナヤスを底床(砂利やソイル)に植え込む方法です。やり方はシンプルで、数本を束ねて軽くねじり合わせ、根元から1~2cmほどを底砂に埋めて固定します。ポイントは深く植えすぎないことです。ナヤスは深植えされるのを嫌う傾向があります。茎の下部が少し砂に刺さって立つ程度で十分です。浅く植えて抜けやすい為、底床の素材は細かめで比重の思い砂がおすすめです。
- 重りを使った固定: ナヤスを植える際によく用いられるのが「重り」の活用です。市販の水草用おもりや、ガラスリングろ材を利用します。ナヤス数本を束ねておもりを巻くかろ材に挿し、沈めたい場所に置くだけでOKです。おもりを使えば底床に植え込まなくても確実に沈められるため、レイアウト上好きな位置に配置しやすくなります。また、植え込みの際に茎を折ってしまうリスクも減ります。ただし強く固定しすぎて茎を潰すと、そこから腐敗してしまう恐れがあるので、優しく対応します。
- 流木や石に絡ませる方法: ナヤス自体は活着する水草ではありませんが、葉が細かいため周囲のものに絡みつくように成長する性質があります。この性質を利用し、流木や石にナヤスの束を引っ掛けたり、枝の股などに挟み込むようにして配置します。うまくいけば根が流木表面や他の水草に絡まり、その場に定着します。だし確実性は低いので、初心者の方はまずおもりや浅植えで固定する方が簡単でしょう。

植え付け時の注意点
いずれの方法でも共通して注意したいのは、植え付け作業は丁寧にということです。前述の通りナヤスは折れやすいため、乱暴に掴んでグイグイ砂に押し込むようなことをするとボロボロになってしまいます。可能であればピンセットなどを使い、優しく植えるようにしましょう。作業中に茎が折れても、破片は後から回収すれば問題ありません(むしろそれも繁殖に使えます)。
また、新しく導入したナヤスは一度環境に適応するまで少し時間がかかる場合があります。導入直後に一部が溶けたり葉が落ちることがありますが、これは他の水草でも見られる「環境変化による初期の溶け」現象と言えます。焦らずに様子を見守ることも大切です。
メダカ・熱帯魚との相性と混泳時の注意点
ナヤスは魚との相性も良く、特にメダカや小型熱帯魚との組み合わせで多くのメリットをもたらします。しかし一方で注意すべき点もいくつかあります。ここでは、代表的な生体との相性や混泳時の注意点を解説します。
メダカとの相性
メダカ水槽やビオトープでナヤスは非常に有用です。まず、ナヤスの細かい葉はメダカの産卵床として理想的です。メダカは産卵シーズンになると水草の茂みに卵を産み付けますが、ナヤスなら卵が葉に絡みつきやすく、自然な産卵床を提供できます。人工の産卵床を使わなくても、ナヤスを浮かべておけば勝手に卵がくっついている、ということもあるでしょう。また、生まれた稚魚にとってもナヤスの茂みは格好の隠れ場所になります。親メダカによる捕食から身を守り、安心して育つためのシェルターとなります。さらに、ナヤスはメダカの飼育によくある無加温屋外環境でも夏場は水質浄化と日陰提供の役割を果たしてくれます。茂ったナヤスが水面近くに浮かぶことで強い日差しを和らげ、水温の急上昇を防ぎます。加えて成長しながら水中の有害物質(アンモニアや亜硝酸)を吸収するため、メダカにとって住み良い水質維持(浄化)に貢献します。
注意点: メダカとの相性で一点注意するなら、冬場の取扱いです。メダカは屋外越冬できる丈夫な魚ですが、ナヤスは後述の通り寒さに弱く屋外冬越しが難しい水草です。屋外ビオトープでナヤスとメダカを混泳させている場合、冬場にナヤスが枯れてしまうと水質を悪化させ、メダカにも悪影響が出ます。
小型熱帯魚との相性
グッピーやプラティ、ネオンテトラ、ラスボラ類など一般的な小型熱帯魚ともナヤスは非常に相性が良いです。中でもグッピーなどの卵胎生メダカとの組み合わせは抜群です。茂みが稚魚の隠れ家となり繁殖を助ける点はメダカと同様で、グッピーの稚魚もナヤスがあれば生存率が上がります。また、テトラやラスボラといった温和な魚はナヤスの間を縫うように泳ぎ回り、隠れたり出てきたりを繰り返すことでストレスなく過ごせます。ナヤスの茂みは魚にとっても安心できる隠れ場となるため、混泳ストレスを緩和してくれるのです。さらに、ナヤスは葉が柔らかく細いので魚が怪我をする心配もありません。
注意点: 熱帯魚との混泳では、水草を食害する魚種との相性に注意します。例えばプレコの仲間や大型のコイ科(シルバーシャーク等)、金魚は食害したり、水草を引きちぎることがあります。一方で、ナヤスは成長が早いため金魚のおやつとして活用されることもあります。
エビとの相性
エビとの相性も良好で、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビはナヤスについた微細なコケを食べて綺麗に保ってくれます。赤系シュリンプ(レッドチェリーなど)との色のコントラストも美しく、エビ水槽にナヤスを入れるのもおすすめです。
混泳時全般の注意
ナヤスと魚を混泳させる際、いくつか共通の注意事項があります。
- 酸素管理: ナヤスは光合成により昼間は酸素を供給しますが、夜間は魚と同様に呼吸で酸素を消費します。水槽いっぱいにナヤスを繁茂させている場合、夜間に酸欠気味になる可能性もゼロではありません。基本的には問題ないレベルですが、念のためエアレーションやフィルターの撹拌で酸素供給は十分にしておきましょう。
- 薬剤使用: 魚の病気治療で薬浴を行う際、水草にダメージを与える薬剤を使うことがあります。ナヤスは比較的繊細な草体なので、薬浴中に溶けたり色抜けする可能性があります。病魚治療は可能なら隔離して行い、本水槽のナヤスには影響が出ないようにするのが無難です。どうしても同居水槽で投薬する場合、塩分濃度を抑える、一時的にナヤスを他の容器に避難させるなどの対策を検討してください。
- フィルター詰まり: 混泳環境ではナヤスの断片がフィルターに吸い込まれるとろ過不良を起こします。魚が元気に泳いでいるときほど葉が引っかかりやすいので、日々フィルターの吸水口を点検し、必要に応じてフィルターの清掃や詰まり除去を行いましょう。
レイアウト例とナヤスのおすすめ活用法
ナヤスはその独特の形状と成長スピードから、アクアリウムレイアウトにおいても様々な使い方ができます。ここではナヤスを用いたレイアウトの具体例や、効果的な活用法を紹介します。
- レイアウト例① 「ナヤスで森をつくる」: ナヤスを主役に据え、水槽全体をナヤスで覆い尽くす大胆なレイアウトです。あえて他の水草は入れず、ナヤス一種だけを密植すると、茂み全体が統一感のある美しさを醸し出します。水槽全景がダークグリーンに染まるので、流木や岩を配置すればレイアウトの引き立て役(脇役草)として自然な背景を形成します。ナヤスのみでレイアウトする利点は、増えすぎてもトリミングで間引きやすい点です。多少切りすぎてもすぐ脇芽が出て復活するので、レイアウト調整が比較的簡単です。
- レイアウト例② 「ナヤスで草原をつくる」: ナヤスの繊細さを活かし、中景~後景にかけて一方向に傾けて植栽するレイアウトです。フィルターの水流が一定方向にある場合、ナヤスの茂みも流れに沿ってたなびくように成長します。その姿は水中にそよぐ草原のようで、美しい動きのある水景を演出します。たとえば水槽奥から手前に向かう水流があるなら、後景に植えたナヤスが前景方向に向かって靡き、奥行きを感じさせます。
- レイアウト例③ 「ワンポイントアクセント」: 全面に使うのではなく、ナヤスを少量だけ配置してアクセントにする手法もあります。例えば、水槽の一角にナヤスをふわりと浮かせ、小さなグリーンの塊としてレイアウトに動きを与えます。ナヤスの明るい緑は他の水草とも調和しやすく、密度が低ければ周囲に広がりすぎる心配もありません。増えすぎても簡単に間引けるので、意外と扱いやすいアクセントプランツと言えます。特に小型水槽では、少し入れるだけで動きと立体感が出るのでおすすめです。
- レイアウト例④ 「和風レイアウト」: ナヤスの繊細な見た目はどこか和風の水景を連想させます。石組みにも合いますし、大磯砂や田砂など和テイストな底床との相性も抜群です。例えば、底床に砂利と石を配置し、その隙間からナヤスが自然に生えているように演出すれば、日本の清流を切り取ったかのような景観になります。メダカやタナゴなど日本産淡水魚と合わせれば、まさに和風ビオトープのミニチュア版です。
- レイアウト例⑤ 「陰性水草と組み合わせ」: 活着系の陰性水草(アヌビアス、ミクロソリウム、モス類など)と組み合わせて、自然感あふれるレイアウトを作ることもできます。流木や石に陰性水草を配置し、その周囲をナヤスが取り巻くように茂らせます。陰性水草は成長が遅いためコケが付きやすいですが、ナヤスが栄養を吸収してくれることでコケ予防効果も期待できます。陰性主体の半開放的なレイアウトにナヤスの揺らぎを加えれば、静と動のバランスが取れた水景になるでしょう。
ナヤスの越冬についての注意点
ナヤスの越冬(冬越し)について解説します。熱帯由来の水草であるナヤスは、基本的に寒さに弱い傾向があります。屋外・屋内それぞれのケースで注意点をまとめます。
- 屋内水槽での越冬: 室内飼育の場合、冬でも室温が極端に下がらない限りナヤスは越冬可能です。ヒーターで加温していれば言うまでもなく問題なく冬を越しますし、無加温でも室温15℃前後を保てれば枯れることはあまりありません。ただし、水温が下がると成長は止まり、見た目にも変化が出ます。冬場のナヤスは節間が詰まり、葉も小さくなって色が薄くなる傾向があります。春に水温が上がればまた元通りに繁茂します。
- 屋外ビオトープでの越冬: メダカ用の屋外ビオトープなどでナヤスを育成している場合、冬場は注意が必要です。日本の冬の寒さでは、ナヤスは基本的に枯死します。基本的には「屋外ナヤスは一年草」と割り切るか、秋の終わりに室内水槽へ株を避難させ保管し、春になったら再び屋外容器に戻すというサイクルを取ると確実です。もし屋外で越冬に挑戦する場合は、容器を凍結させない工夫(簡易なヒーターなど)を検討してください。
まとめ
ナヤスは初心者にとって心強い水草であり、水槽の水質浄化や生体の隠れ家として大いに役立ってくれる存在です。ぜひナヤス育成にチャレンジしてみてください。


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