水槽の引っ越しを自力で行う方法〜大変だけど業者に頼るより安い〜

引っ越しはどんな人にとっても大変ですが、重い水槽やデリケートな熱帯魚を所有するアクアリストにとっては、特に一大イベントです。もし、アクアリウム専門の業者を使わず自分で引っ越しをする場合、どのような注意点があるでしょうか。この記事では、自力での引っ越しを2回行った経験から分かったポイントや反省点などを共有します。

水槽の引っ越しは自分でできる?

通常の引っ越し業者(〇〇引っ越しセンターなど)は多くの場合、水を抜いた水槽そのものは荷物として運んでくれるものの、熱帯魚などの生体を運んでくれることはありません。

そのため、飼育している魚などを運搬するためには、自力で行うか、水槽専門の引っ越し会社に依頼するしかありません。外部に発注する際の料金相場は、水槽の大きさや移動距離によって決まることが多いです。小さい水槽であれば1万円程度から、大きな水槽であれば5万円以上までと、それなりにお金がかかります。

大事な熱帯魚の運搬なので、プロに頼んだほうが安心ですが、どうしても予算が足りない場合は自力での引っ越しを検討する方もいると思います。自分で魚を運ぶのはなかなかハードではあるものの、しっかりと準備をすれば可能です。私は実際に2回行いましたので、その経験から準備や当日の行動のポイント、注意点などを解説します。

30cmの熱帯魚5匹までならいける

私が熱帯魚水槽の引っ越しを行ったのは2回で、1回目が都内から神奈川県へ。そして2回目が神奈川県から都内への引っ越しです。どちらも電車や車で1時間程度の距離感です。

1回目は、30cmほどのポリプテルス3匹と、30cm弱のブラントノーズガー1匹。2回目は、30cmほどのポリプテルス3匹と、25cmほどのオスカー1匹、10cmほどのダトニオプラスワン1匹です。

一度に最大5匹の熱帯魚を引っ越ししたわけですが、運搬は相当ハードだったものの、なんとか無事に完了しています。

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おすすめの引っ越し方法

首都圏でしたので、運搬方法は電車か車の選択肢がありました。地方ならば車の選択肢しかないかもしれません。長距離であれば組み合わせかもしれません。県をまたぐ移動は新幹線などでも良いかもしれませんが、通常の運搬は車の利用をおすすめします。

大きな理由の1つとして、飼育水と熱帯魚を入れた荷物は、かなり重いです。電車だけを利用する場合だと、駅と家との間や、乗り換えの移動など、体力消費が著しかったです。また、魚が弱ってしまったり、水漏れしたりする恐怖があるため、なるべく衝撃を加えたくないのも理由です。

車を利用する場合、軽トラックなど荷物を入れるスペースに余裕があるのが理想ですが、自家用車のトランクでも全然運べます。後述しますが、どちらの場合も万が一にも水漏れがないように注意しましょう。

準備は余裕をもって行う

自分1人で熱帯魚の運搬を行う場合は特に、引っ越し全体の流れを把握し、必要なものを早めに取り揃えることが重要です。魚以外の水槽や家具の運搬を通常の引っ越し業者に依頼する場合は、引っ越し当日はかなりバタバタしますので、余裕を持って行動しましょう。

準備物リスト

引っ越しに使う下記のグッズは、遅くとも1か月以上前から準備しておくことをおすすめします。

車を使う場合は、移動の要になります。レンタカーやカーシェアをする場合は、早めに予約を取っておきましょう。

生体を入れる袋と輪ゴム

袋が破れると目も当てられません。熱帯魚などを入れるビニール袋は必ず分厚いものを用意してください。封をする輪ゴムも太く丈夫なものにしましょう。専用のものを使うのが望ましいです。1個体ずつ分けて入れたいので、多めに準備しておきましょう。

専用のビニール袋だと、あまり大きなものは見つけられないかもしれません。その場合は厚手のビニール袋を3重、4重にもしておくと安心です。

大きめの網

意外とあると便利なのが大きめの網です。引っ越し当日、魚をビニール袋に移す際、小さい網だと捕まえられません。また、そもそも網ですくうと大暴れして部屋がびしょ濡れになりますので、ビニール袋を水に入れて待ち構え、大きめの網で逃げ場を無くすように袋の中に追い込むのがおすすめです。

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飼育水を入れるタンク

丈夫なポリプテルスでも水槽の3分の2以上の水を入れ替えるのは負担が大きすぎます。引っ越し前の飼育水を運べるようなタンクも用意したほうが良いです。

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酸素スプレーなど

移動時間が1時間でも、狭いビニール袋に酸素供給なしで入れるのは危険です。酸素スプレーなどでビニール袋に酸素を入れて封をしましょう。

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運搬が長時間になる場合は、最初の酸素供給だけでは不安です。途中で再度供給できるよう、予備の酸素スプレーや、充電できるエアーポンプなどを用意すると安心です。

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発泡スチロール

生体を入れたビニール袋を入れる容器は、発泡スチロールがおすすめです。水温の急激な変化を防ぐことができます。新聞紙などを緩衝材にして隙間を埋めましょう。

ホッカイロや保冷剤

季節によっては、ヒーターやクーラーになるものが必要です。直接ホッカイロや保冷剤を入れるのは急激な水温の変化だけでなく、ビニール袋が破れる危険もあるのでやめましょう。タオルや紙などで分厚く包み、発泡スチロール全体の空間を温める、冷やすように使用します。

簡易飼育ケース

通常の荷物の引っ越しを業者に依頼している場合は、当日かなり時間に追われると思います。直前になって水槽から生体をを取り出し、できれば水槽や濾過装置も掃除するのでは間に合いません。

さっと生体を取り出して、水洗いができるような簡易な飼育ケースがあると便利です。小さな魚であればバケツでも大丈夫かもしれませんが、大きな熱帯魚などであれば別途用意しておきましょう。

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キャリーケース

もし電車を利用し、家から駅間など徒歩の部分が発生するのであれば、キャリーケースも必須です。水を入れたビニール袋を複数運ぶ場合は相当な重さになりますので、リュックやトートバッグなどで運ぶのはハードです。

引っ越し1か月前にやること

熱帯魚は飼育水と併せて運搬しますが、新居では少なからず新しい水を入れることになります。水換えのストレスに慣らせるために、徐々に水換えの頻度を高めましょう。

私の場合、通常でも週に1回水換えを行なっているので、可能な週は2回行うなど、少しだけ頻度を高めた程度です。ポリプテルスやオスカーなど、丈夫な熱帯魚であれば、それほど神経質になる必要はありません。

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引っ越し1週間前にやること

引っ越しの季節によっては、運搬中に水温が極端に上がったり下がったりしてしまいます。ホッカイロや保冷剤を使ってもある程度の水温変化は防げませんので、1週間ほど前から外の気温と合わせるように水温を調整してください。

私の場合は、熱帯魚を冬に運搬することもあったため、普段は28℃ほどの水温を徐々に22℃くらいまで下げていました。

引っ越し前日にやること

引っ越し前夜から当日は、熱帯魚にエサを与えないようにしましょう。運搬中にフンで飼育水が汚れるのを防ぐとともに、食べ物の消化によって体力を消費するのを防ぐことができます。

また、もし通常の引っ越し業者に依頼をしている場合、当日は時間に追われることとなります。生体は前日から簡易飼育ケースに入れておくと、メイン水槽や濾過装置などの掃除をしておくことができます。簡易飼育ケースはしっかり蓋をして、魚が脱走しないように注意してください。

引っ越し直前にやること

いよいよ引っ越し当日です。レンタカーやカーシェアをしている場合は、車を取りに行きましょう。出来るだけストレスを小さくするため、生体のパッキングは直前にできるのが望ましいです。

1.飼育水をタンクに入れる

まずは飼育水をタンクに入れて確保しましょう。熱帯魚をビニール袋に入れる際に、暴れて汚れが舞う可能性がありますので、最初に行うと良い工程です。

2.魚をビニール袋に入れる

次は、魚をビニール袋に入れます。なるべく魚にストレスがかからないよう、大きめの袋を用意したいところです。最初から袋を二重以上に重ねておき、簡易飼育ケースに入れて飼育水で満たします。袋の口を大きく開けて、網などで魚を追い込むように袋の中まで泳がせましょう。

魚が入ったら、酸素スプレーで酸素を供給し、輪ゴムなどでしっかりと封をします。水漏れが絶対に起こらないよう、入念にチェックしてください。

3.発泡スチロールに詰める

次は、魚が入ったビニール袋を発泡スチロールに詰めます。できれば、広く泳げるよう広い面で寝かせてあげられると良いです。

全て詰め終わったら、必要に応じてホッカイロや冷却材を入れます。袋に直接当たらないよう、新聞紙やタオルなどで包んでください。隙間ができないよう緩衝材を詰めたら完成です。

もし、持ち上げられないくらい発泡スチロールが重くなるようでしたら、先に車のトランクなどに発泡スチロールをセットしておくなどの工夫をしてください。

4.車やキャリーバッグに詰める

車のトランクやキャリーバッグに入れます。ここでも振動や揺れが伝わりすぎないよう、入れ方を工夫してください。

運搬中の注意点

なるべく揺れないよう、安全に運転、歩行してください。長時間の移動になるようでしたら、途中で水漏れなどのチェックを行いましょう。また、酸素供給も必要に応じて行います。

万が一激しく水が漏れていた場合、ビニール袋の中で魚が窒息する可能性があります。危険性を感じたら、いっそのこと発泡スチロールの中に解放してあげた方が良いかもしれません。

新居到着後にやること

新居に着く頃にはヘトヘトだと思いますが、大事な熱帯魚のためにもうひと踏ん張りです。まずは安静な場所に魚を解放し、エアレーション や温度調整を行ってあげましょう。

水槽を立ち上げる

水槽が手元にあれば、早速水槽を立ち上げてください。タンクから飼育水を入れ、カルキ抜きを行った新鮮な水を足します。濾過装置、エアレーション、ヒーターなどを設置するのは通常の水槽立ち上げと同様です。

水合わせを行う

水槽には飼育水に加えて新しい水も入っているので、水合わせを行いましょう。熱帯魚も疲れているはずですので、水温はもちろんのこと、水質もきちんと合わせてあげてください。

生体を入れる

水槽が立ち上がったら、生体を投入して引っ越し完了です。飼い主もようやく休めますね。

まとめ

水槽の引っ越しは、とても大変ですが自分で行うことは可能です。準備すること、注意すべき点が沢山ありますので、事前によく確認してください。ハードな一日になると思いますが、可愛いペットのために頑張ってください。