水槽のエアレーション(酸素)は必要?不足するとどうなる?|効果・おすすめ・設置位置まで解説

水槽のエアレーションは、水に酸素を効率よく供給するための機材です。必須ではない場合もありますが、酸素の供給だけでなく油膜取りや水質向上にも効果があるため、設置する方が望ましいことが多いです。本記事では、初心者の方でもエアレーションが必要かどうかを判断できるようになるために、その役割と効果を解説します。

エアレーションの仕組み

エアレーションは、水槽に酸素を供給する機材です。昔から金魚水槽などで「ぶくぶく」と呼んでいた方も多いかもしれません。空気を作るエアポンプ、送るエアチューブ、細かい泡にするエアストーンから成り立つことが多いです。

エアストーンから出る泡から酸素を注入しているというより、泡によって水面が動くことで空気と水が接触し、酸素が溶け込みやすくなるという仕組みです。

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エアレーションの効果(メリット)

エアレーションを導入するメリットはいくつかあります。ここでは、きめ細やか泡が作り出す美しい水景といった感覚的な部分以外で、直接的な効果を解説します。

酸素不足の解消

熱帯魚の過密飼育や、水温上昇による酸素不足の解消が最も大きなメリットです。

過密飼育でなくても、水温が上がるとそもそも水に溶け込める酸素量(飽和溶存酸素量)が下がります。また魚の代謝や行動も活発になり酸素消費量も増えるため、高水温では特に酸素不足の懸念が高まります。水に溶け込める酸素量はざっくり5℃で1割程度減るため、夏場は特に酸素が不足しがちになるということです。

油膜・臭い・白濁りなどの解消

油膜や臭いや白濁りが出ているときは、水面が動いていない/汚れが溜まっている/微生物バランスが崩れているなどの重なりが原因であることが多いです。エアレーションは水面を動かし、飼育水を活性化させる方向に働くため、これらが解消する場合があります。
もちろん定期的な水換え・掃除・給餌量の見直し等、直接的な原因を取り除くこととセットで考えてください。

エアレーションのデメリット

エアレーションは、特定の環境ではデメリットになり得ます。

水草水槽はCO2が抜けやすい

水草水槽でCO2添加をしている場合、エアレーションを常時回すとCO2が空気中に逃げやすくなります。ライト点灯+CO2添加の時間帯はエアレーションを止める or 弱めに設定する/消灯後にエアレーションをするといった運用がとられる場合もあります。

水はね・蒸発

エアレーションは水面を揺らすのと同時に、泡がはじけた水の飛沫も発生させます。水槽の縁などについた飛沫が乾くと、白くこびりつく原因になります。

水槽の中央寄りに設置する、蓋をするなどで飛沫や蒸発による水位低下を予防することが可能です。

エアレーションが「必要な水槽」、「不要な水槽」

エアレーションがもたらす効果は多くの水槽で推奨されますが、無理に導入する必要がない場合もあります。ここでは必要・不要の目安を解説します。

必要な水槽

次のようなサインが出ている水槽は、エアレーションが役に立つ可能性が高いです。
・水面に油膜が張る
・白濁りが続く
・魚が水面で口をパクパクする(鼻上げ)
・水が生臭い
・水温が高い状態が続く
この「5つの症状で判断する」という切り口は上位記事でも採用されています。

不要な水槽

エアレーションが無くても、水面が常にしっかり揺れている水槽は、すでに空気と水が混ざる条件ができています。外掛け式ろ過装置や上部ろ過装置、オーバーフロー水槽などは、フィルターの吐出口で水面を揺らしやすく、構造的にエアレーション状態に近いとも言えます。
エアレーションが唯一の酸素供給手段ではないということも覚えておきましょう。

酸素とろ過バクテリア(硝化)の関係

ろ過装置(フィルター)は水を綺麗にする機材ですが、主役はフィルターそのものではなく、ろ材や底床などに住むろ過バクテリアです。そしてろ過バクテリアは酸素を使って働きます。酸素が不足すると働き(硝化)が鈍り、水が悪化する方向に傾きやすくなります。そのため、過密飼育や高水温の環境ほど「酸素が足りない → バクテリアが働きにくい → 水が崩れやすい」という悪循環に陥ります。
エアレーションは、この連鎖を酸素供給の切り口から軽減する選択肢と言えます。

エアレーションの失敗しない選び方

エアレーション選びで失敗する可能性があるポイントは「吐出量(水槽サイズ対応)」、「調整機能(流量)」、「音」です。

吐出量(水槽サイズ対応)

多くの商品は、メーカーが「30〜60cm」、「45〜60cm」など、対応水槽サイズを明記しています。吐出量が足りないと水面が十分に揺れず、本来の効果が期待できません。例えば「静かさ」を重視して小さめのエアレーションを購入するなどは避けた方が賢明と言えます。

調整機能(流量)

吐出量が足りないと効果が出ない反面、強すぎても稚魚やベタなどといった生体が落ち着かない環境となってしまいます。流量を調節できる機能がある商品だと、様々な水槽サイズ・設置場所に対応ができて便利です。

昔ながらのエアレーションのイメージを持つ方は「ぶくぶく=うるさい」と思うかもしれませんが、近年の商品は静音化がかなり進んでいます。有名メーカーの商品を選んだ場合には、音の大きさは商品の性能よりもむしろ『置き方』にかなり影響されると言えます。

エアレーションは直置きだと共振してうるさくなりやすく、吊り下げで使用すると音や振動を軽減できます。また直置きする場合も、クッションを挟んだり、扉付きの水槽台の中に入れたりすることで改善することも多いです。ぜひ工夫してみてください。

  1. S字フック等で吊り下げる
  2. 防振材(マット)を敷く
  3. エアチューブを突っ張らせない

逆流防止弁は必要?

逆流防止弁とは、水槽内の水がエアポンプに逆流して故障することを防ぐ設備です。エアポンプを水面より低い位置に置くと、停電などでポンプが止まった際に水が逆流する可能性があるため、ないよりはあったほうが安心と言えるでしょう。

エアストーンの種類

細かな泡を出すエアストーンにも、サイズや形状、泡の細かさなどで様々な種類の商品があります。ここでの選択肢はレイアウトやおしゃれな見た目など、好みの要素が大きくなります。

エアカーテン

細長く伸びたエアストーンです。名前の通り背面で泡の壁を作ることや、針金のように曲げて使うことができます。

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ディフューザー

水槽の縁にかけて、CO2のように吐出できるエアストーンです。小型で端の方に固定されるためすっきり見せることができます。レイアウト水槽などにおすすめです。

超微細泡

とても細かな泡を作ることができるエアストーンです。繊細で細かい泡で水景をおしゃれに表現することができます。

白濁りと白い泡は別物

エアレーションで改善できる可能性がある白濁りと、白い泡が症状として混同されることが多いため解説します。

白濁り

前述の通り、白濁りはエアレーションにより改善できる可能性があります(ろ過バクテリアの活性化)。ただし原因は複数なので、同時に「掃除・換水・給餌量」もセットで見直すのがポイントです。

白い泡

水面に白い泡が出て、なかなか消えない症状が出ることがあります。これは有機物(餌の残り・タンパク等)が多い「汚れのサイン」であることが多いです。エアレーションで根本的な解決はできないため、汚れの原因を除去するようにしましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 夜だけエアレーションするのはアリ?

A. アリです。エアレーションをするとCO2が抜けやすいため、水草水槽では特に夜間エアレーションする運用が採用されることがあります。

Q. 外部フィルターでもエアレーションは必要?

A. 不要な場合もあります。水面が揺れていれば酸素供給自体は起きるため、酸素不足が懸念されなければ必ずしも必要ではありません。

Q. 逆流防止弁は必須?

A. 無いよりはあったほうが良いです。水面より低い位置にポンプを置くなら、故障リスクを下げる意味で入れるのが安全です。

まとめ

エアレーションは水槽に酸素を供給することで、様々なメリットをもたらします。一方で、CO2が抜けやすくなることで、特定の環境ではデメリットにもなり得ます。また酸素供給はろ過装置など、エアレーション以外でも役割を持つことができるため、必ずしも必要というわけではありません。基本を押さえることで、自分の環境に必要かどうかを簡単に判断できるようになります。

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