水槽のバクテリアとは?立ち上げ最短ルートと確認方法|白濁り・コケ・入れすぎまで解説

水槽のバクテリア(とくに、ろ過バクテリア)は、有害物を処理してくれる見えないインフラです。これが定着することで、魚が住める(水槽が立ち上がった)環境となります。この記事ではバクテリアの仕組みから、具体的な水槽の立ち上げ方法、よくあるトラブルまで解説します。

水槽のろ過バクテリアとは?

アクアリウムで飼育する魚などの生体やそのフン、餌などは、直接あるいは分解の過程でアンモニアを発生させます。

ろ過バクテリアの役割は、一言でいうとこのアンモニアを亜硝酸→硝酸塩へと2段階で変える(硝化)ことです。アンモニアと亜硝酸は魚にとって毒ですが、硝酸塩まで酸化されると毒性がかなり低くなるのです(ただし溜めすぎるとコケや不調の原因になるため管理が必要です)。

硝化が回り出すと水槽は安定し、立ち上がります。

バクテリアはどこから来る?自然発生する?

バクテリア自体は水槽の外から自然に入ってきます。ただし、入ってくることと、アンモニアを処理できるだけの硝化能力として定着することは別です。だからこそ、立ち上げで重要なのは「水の中にバクテリアを足す」よりも、バクテリアが定着できる(硝化が回る)環境を用意することです。

そのためには、バクテリアの住処・酸素・餌・時間が必要です。ろ過バクテリアは水中を漂うより、ろ材・底床などの表面に付着して増えやすいと言われます。水槽立ち上げの際に、ざらざらして表面積の大きなろ材を用意したり、底床やレイアウト素材を入れたりするのは、住処を増やすためです。

また、硝化には酸素が必要なので、酸素や水流も重要です。餌については、第一段階ではアンモニア、第二段階では亜硝酸が使われ、これらが継続的に供給されることで処理能力として育っていきます。

定着にかかる時間の目安

ろ過バクテリアが定着して水質が安定するまでには、バクテリア剤を使用しても即日で完了するわけではなく、目安として3〜4週間前後は見ておくのが無難です。 

立ち上がりを確認する方法

ろ過バクテリアは、目に見えません。そのため、水槽が立ち上がったかどうかを確認するためには、下記3項目を数値で確認するのが失敗を避ける最良の方法です。アンモニアと亜硝酸が0を維持できている(かつ硝酸塩が適度に検出される)状態に近づいたタイミングで、魚を導入できます。

どうしても測定できない場合は、4週間以上待ってからごく少数の丈夫な生体を導入し、水の濁りや油膜といった異常、魚の不調、コケの大量発生など、明らかな問題が出ないか毎日確認してください。

アンモニア

0が理想です。検出されるなら、まだ処理が追いついていないサインです。

亜硝酸

0が理想です。亜硝酸が検出される間は、硝化の処理が追いついていない可能性が高いため、安定した立ち上がりと判断するのは危険です。

硝酸塩

亜硝酸が硝化された結果として増えるため、多少検出されても問題ありません。むしろ硝酸塩がまったく出ない場合は、硝化が十分に回っているか判断しづらいことがあります。ただし硝酸塩は蓄積していくため、数値が上がりすぎないよう管理しましょう。

バクテリアの増やし方

水槽の立ち上げに必要なろ過バクテリアは、基本的には自然に増えていきます。ただし条件を整えることで、処理能力として育つスピードを人工的に早めることも可能です。ここでは2ルートで解説します。

自然派(王道)

時間を味方にする方法です。住処となるろ材などを最初から多めに用意し、ろ過を回し続けながら、アンモニア源を少しずつ供給して処理能力を育てていきます。

アンモニア源の供給には、餌だけをわずかに入れて進める(フィッシュレス立ち上げ)のが基本です。なお、立ち上げが進んだ段階で「パイロットフィッシュ」と呼ばれる丈夫な魚を少数導入して進める方法も紹介されますが、生体に負担がかかる可能性があるため、基本はフィッシュレスで進めるのが安全です。どうしても行う場合は、アンモニア・亜硝酸を測定しながら慎重に進めましょう。

このルートは遅いようで、結果的に一番事故りにくい方法です。

最短派

バクテリア剤を使い、住処・酸素・アンモニア源を整えることで、立ち上がりまでの時間を人工的に短縮できる場合があります。具体的には、住処となるろ材(必要に応じて底床)を十分に用意し、エアレーションで酸素を補い、ろ過を止めずに回し続けます。アンモニア源の供給(餌の少量投入など)も行いますが、必ずアンモニア/亜硝酸を測定しながら少量ずつ調整するのが基本です。

バランスが崩れると水質が悪化する可能性があるため、「早くするほど慎重に」を徹底しましょう。

バクテリア剤はおすすめ?

バクテリア剤は「魔法」ではありませんが、立ち上げ初期の補助としてはメリットがあると言えます。

使うタイミング

前述の通り、アンモニア源がない状態で入れても効果が出にくいという前提があります。

  • 立ち上げ直後〜初期
  • ろ材を増やした/ろ過を強化したタイミング
  • リセット、大掃除などでバクテリアが減ったタイミング

入れすぎるとどうなる?

「多いほど立ち上がりが早い」は危険で、メーカー推奨量を上限とします。数値測定とのセット運用が安全です。

  • 白濁り:バクテリアの増えすぎ、定着できなかったバクテリアの死骸=有機物、製品の成分など
  • 魚が水面でパクパクする(酸欠):バクテリアが増殖・分解する過程で酸素が消費され、特に夜間〜早朝に酸素が不足しやすくなる
  • 臭いが強くなる(生臭い):有機物(餌の残り・フン・枯れた水草・定着できず死滅したバクテリアの死骸など)の分解が一時的に活発になり、結果として匂いが強くなる
  • コケが増えやすくなる:バクテリア剤そのものの影響というより、過剰な給餌などで栄養バランスが崩れてコケが出やすくなる

まとめ

水槽のバクテリアは目に見えませんが、魚などが暮らすために必要不可欠な働きをする、まさにアクアリウムのインフラです。仕組みと役割を理解して、安心して水槽の立ち上げにチャレンジしてみてください。

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