アナカリスの正しい育て方と増やし方|枯れる・茶色くなる原因と解決法を徹底解説

アナカリスの特徴と基本情報

アナカリス(和名:オオカナダモ)は、メダカや金魚の飼育で定番の水草です。明るいライトグリーンの細長い葉を茎に4枚ずつ輪生させながら水中で成長し、美しく茂ります。成長が早く、状態が良ければ水面から飛び出して小さな白い花を咲かせることもあります。その育てやすさから「金魚藻」とも呼ばれ、初心者にも扱いやすい水草として広く親しまれています。茎の節々から白いヒゲ状の根っこを生やすのも特徴で、底床に植えなくても水中に漂わせて育てることが可能です。

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基本情報:環境適応力が極めて高く、弱酸性~弱アルカリ性(pH4.5~9.5)の軟水~硬水まで幅広い水質に耐えます。水温も13~30℃と広範囲で育成可能で、屋外のビオトープでは冬に表面が凍るような水温でも越冬するほど丈夫です。ただし環境によって葉色がダークグリーンからライトグリーンに変化し、栄養が不足すると葉が小さくなる傾向があります。急激な環境変化が起きると新しい芽や根を出して適応しようとする逞しさも持ち合わせています。こうした特性から、水質浄化能力や酸素供給能力も高く、水槽や池の水を綺麗に保つ効果が期待できる水草です。

アナカリスの育て方:水質・光量・温度の基本条件

アナカリスは育て方が簡単で、初心者にうってつけの水草です。適応範囲が広いため、水質管理に神経質になる必要はあまりありません。

水質

極端に汚れた水や極端に特殊な水質でなければ、弱酸性~弱アルカリ性の一般的な水道水で元気に育ちます。硬水にも軟水にも耐えますが、ややアルカリ寄り・硬めの水を好む傾向も報告されています(これは金魚飼育水に近い水質です)。そのためメダカや金魚との相性が良く、彼らの飼育環境に入れやすいのも利点です。

水温

水温は10℃前後の低温から28℃程度の高温まで幅広く適応します。一般的な室内水槽であれば無加温でも冬を越す場合が多いですが、最適な成長温度は20~25℃前後です。真夏の直射日光下で水温が上がりすぎると溶けるように枯れてしまうことがあるので注意しましょう。

光量

光量については、アナカリスは陰性水草ほど耐陰性は高くないものの、強い照明がなくても通常の水槽用照明で十分育成可能です。弱めの光の下でも粘り強く成長を続けますが、極端に光が不足するとさすがに枯れてしまうので注意が必要です。日陰でも育ちますが、元気に青々と太く育てるには適度な光がある方が望ましいでしょう。

水槽の場合は照明時間を8時間程度に管理するとバランス良く育ちます。また、屋外では日照条件により生長スピードや色味が変化し、日当たり良好だと成長が非常に早くライトグリーンの綺麗な葉を茂らせます。一方、弱光下では黒に近い濃い緑色になり成長も緩やかになります。環境に合わせて日当たりや照明を調整し、様子を見ると良いでしょう。

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アナカリスの植え方・浮かべ方・沈め方の違いとコツ

浮かべて育てる場合

アナカリスは底床に植え込まなくても浮かせて育てることができます。浮かべておくと、特に節のいたるところから根を出します。水槽でも、束ねたアナカリスをそのまま水面下に漂わせてOKです。やがて各節から白い根っこが伸び、水中の養分を吸収して成長します。浮かべて育てる利点は、根がたくさん出ることと植え込みの手間が少ないことです。植え替えのストレスもありません。浮かんだ茂みはメダカや稚魚の隠れ家にもなり、また水面近くで光をたっぷり浴びられるため光合成も盛んで成長が早い傾向があります。

ただし、水面に浮かせると伸びすぎて水面を覆いやすくなる点には注意しましょう。放置するとアナカリスが水面全体を覆い、下の方に光が届かなくなります。適度にトリミング(剪定)して、ほどよいボリュームを保つよう管理してください。また、浮かべたままだと見た目が雑然とする場合は、後述するようにおもりや流木に引っ掛けて沈める方法もあります。

おもりを使った沈め方(植え方)

アナカリスを特定の場所にレイアウトしたい場合は、おもり(リングろ材など)を使って沈めたり、底床に植えたりする方法があります。

ショップで購入するとスポンジと鉛の重りで束ねられていることが多いです。初心者はそのまま沈めがちですが、鉛の成分は生体に良くないため、実はこのスポンジと鉛は外した方が良いです。おもりで沈める場合は、ガラスリングろ材などに刺すのが良いでしょう。ろ材に刺した根元部分は光が届かずやがて枯れてしまいますが、アナカリスは丈夫なため、穂先部分は順調に成長していきます。(枯れて腐ってしまった根元部分は定期的にカットして、再度ろ材に差し込めばOKです。)

植え込む際は茎を傷つけないよう優しく一本ずつ底床に挿しましょう。砂利やソイルに2~3節分ほど埋めれば安定します。植えるメリットは、水槽内で固定できレイアウトしやすいことです。例えば後景にまとめて植えれば、水槽の背景を彩るレイアウトになります。また、底床に根づくことで栄養豊富なソイルから肥料分を吸収し、茎葉がより太く育つ可能性もあります。

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よくあるトラブルと対処法(枯れる・茶色くなる・根が出ないなど)

アナカリスは丈夫な水草ですが、初心者からは次のようなよくある悩みが寄せられます。ここでは「枯れる・溶ける」「茶色や黒く変色する」「根っこが出ない」「伸びすぎて困る」といったトラブル別に原因と対処法を解説します。

枯れる・溶けてしまう場合

比較的タフなアナカリスが枯れる原因としてまず考えられるのは、光量不足です。日陰でもしばらく粘りますが、完全な暗闇が続くとさすがに枯れてしまいます。水槽照明を点けずに放置していないか確認しましょう。また、養分不足も一因です。立ち上げたばかりの水槽では水中に栄養分がほとんど無く、植えても育たないことがあります。メダカや金魚のフンなど生体由来の養分が出て初めて成長するため、魚のいない環境では液体肥料を少量添加すると良いでしょう。さらに、水温や水質の急変も葉が溶ける一般的な原因です。例えば屋内育ちの株をいきなり屋外に出すと、水温変化でトロけるように崩れることがあります。新規導入時は水合わせを丁寧に行い、徐々に環境に慣らしてください。他にも、薬品の影響(農薬や水槽用薬剤)で溶ける場合があります。

なお、「枯れて溶けた部分」は水質悪化を招くので早めに取り除きましょう。溶けても茎の節から新芽が出て復活することもありますが、腐敗部分はカットして健康な部分を残すようにします。それでもダメな場合は、水質(水換え頻度やフィルターの状態)を見直してください。アナカリスでさえ枯れる環境は、他の多くの水草も育たないほど悪化している可能性があります。水質が富栄養すぎたり極端に貧栄養だったりしないか、pHや温度が適正かをチェックしてみましょう。

茶色や黒く変色してしまう場合

葉が茶色くなる、黒くなる場合、大きく二通り考えられます。一つはコケ(藻類)の付着です。特に立ち上げ初期の水槽では褐色の茶ゴケ(珪藻)が葉に薄く被膜を作り、アナカリス全体が茶色っぽく見えることがあります。また、水槽の管理が行き届かず富栄養状態が続くと、黒っぽい藍藻や黒髭ゴケが付着して黒ずんで見えることもあります。対処法としては、まず照明時間や餌の量を調整してコケの発生を抑えることが重要です。既についてしまった茶ゴケであれば、水槽からアナカリスを取り出して軽く水洗いし、葉を擦って落とす方法が効果的です。黒髭ゴケの場合は落としにくいので、思い切って茎葉をトリミングする方が早いでしょう。さらに、コケ取り生物を導入するのも有効です。石巻貝やヤマトヌマエビなどは茶ゴケを食べてくれるため、水槽に入れておくと予防・改善につながります。ヒメタニシなども水質浄化に役立ちコケ防止に貢献します。

もう一つの原因は、アナカリス自体の生体不良です。下葉が光不足や老化で枯れると透明感のある茶色になり、さらに進行すると黒っぽく腐敗します。これは自然な新陳代謝でも起こる現象です。こうした部分は放置せず取り除きましょう。上部の新芽が元気で先端が緑色なら問題ありませんが、下の古い葉っぱが次第に茶色→黒と変色したらトリミングの合図です。茎の先端の緑が濃い部分を残し、色の落ちた部分はカットしてしまいます。切り取った先端を植え直せば、また新しい株として育ちます。逆に根元側は捨てても構いません。定期的にこのような更新をしていくことで、常に青々とした部分だけを維持できます。

根っこが出ない場合

アナカリスを植えても根っこが出ないと心配になるかもしれません。しかし実は、アナカリスは根を持たなくても水中の養分を葉や茎から直接吸収できるため、根が出なくてもすぐ枯れることはありません。特に浮かせて育成している場合、根は無くても問題なく成長します。根が出にくい原因としては、スポンジや鉛で茎が締め付けられているケースが考えられます。植え込む際にそれらを外していれば、環境に慣れるにつれ節から白い根が伸びてくるはずです。根の発生を促すには、適度な光と栄養、そして時間が必要です。逆に言えば、根が出ないからと焦って触りすぎると茎が傷んでしまいます。静かに見守りつつ、新しい白根が見え始めたら底床に軽く押さえてやるとしっかり活着します。一度根付けば、底床の肥料も吸収してより丈夫に育つでしょう。

茎が伸びすぎて困る場合

アナカリスは環境が良いと伸びすぎるほど成長が早いです。放っておくと水槽の高さを超えて水面を覆い尽くし、他の生体の泳ぎや水流の循環を妨げることもあります。対処法は定期的なトリミングです。ハサミで適当な長さにカットすればOKで、切り口からはまた新芽が出てきます。特に水面まで達した茎は横に広がりがちなので、30~40cm程度に揃えておくと管理しやすくなります。切り取った先端部分は捨てずに再利用可能です。元株の根元は捨て、新しい緑の先端(穂先)を束ねて植え直せばリフレッシュできます。こうすることで常に若い部分を育成し、古い茎の崩壊を防げます。また、伸びすぎを抑えるコツとして光量を適度に制限する方法もあります。強照明下では成長速度が増すため、あえてやや弱めの照明環境にすると伸び方が緩やかになります。ただし弱くしすぎると前述のように枯れる恐れもあるので加減が大切です。基本は「切って調整」が手っ取り早いでしょう。

太く・青々と育てるためのテクニック

アナカリスを太く青々と育てるには、いくつかのポイントがあります。まず十分な光量を確保しましょう。弱い光でも育ちますが、葉が細く間延びしてしまいます。適度に明るい照明の下で育てると茎が太く詰まった姿になります。屋外の太陽光は直射日光によるコケの問題がありますが、遮光しつつ日光を当てるとより頑丈に育ちます。次に栄養補給です。魚がいればフンやエサの残りが栄養源になりますが、より青々と茂らせたい場合は液肥を少量添加すると効果的です。特に窒素やカリウムを好むので、水換えの際に規定量の半分程度を目安に水草用肥料を与えてみてください。肥料不足だと葉色が薄くなったり新芽が白化することがあります。適度な栄養補給で葉に厚みと緑の濃さが増すでしょう。

また、水温は中温域を保つと安定して太く育つ傾向があります。低温だと成長が鈍り、高温すぎると徒長しやすいため、20~25℃前後の環境が理想的です。さらにトリミングで株数を増やすのもテクニックです。先端をカットすると脇芽が出て株が枝分かれし、結果的にボリュームが増します。一定間隔で剪定し脇芽を伸ばすことで、密度の高い茂みを作ることができます。剪定した先端を差し戻して本数を増やすのも良いでしょう。このように手をかけてあげれば、アナカリスは期待に応えてどんどん繁茂します。

最後に、CO₂添加は必須ではありませんが、より旺盛に育てたい場合には有効です。CO₂が十分に供給されると光合成が活発になり、気泡を付けるほど元気になります。ただし初心者であれば無理に添加しなくても構いません。アナカリス自身が強健なので、基本的な環境を整えるだけで十分青々と育ってくれるでしょう。

アナカリスの増やし方

アナカリスの増やし方はとても簡単です。基本は挿し木(茎切り)繁殖で、ハサミで切って増やします。具体的には、適当な長さに茎をカットし、その切り取った方の茎を新たに植え直すだけです。すると切り口付近の節から白い根が出て、新天地でぐんぐん成長し始めます。水草水槽の用語で「トリミング&差し戻し」と呼ばれる手法で、伸びすぎた茎を間引きつつ本数を増やせる一石二鳥の方法です。

また、茎の途中から脇芽(わき芽)が伸びてくることがあります。この脇芽が十分長く育ったら元の親株から切り離し、別株として植えることも可能です。いずれにせよ株分けというより「茎分け」で増える水草なので、株分けのように根元から分割する必要はありません。

メダカや金魚との相性と水質浄化の役割

アナカリスはメダカや金魚との相性抜群の水草です。メダカ水槽では産卵床や隠れ家となり、金魚水槽では水質浄化に役立ちます。金魚藻と呼ばれる由縁も、金魚との組み合わせで素晴らしい効果を発揮するからです。金魚やメダカはアナカリスの茂みを住処や遊び場にし、産卵期にはメスが産んだ卵が葉に付着して稚魚の保護にも役立ちます。特にメダカは水草がある環境で繁殖させると稚魚の生存率が上がるため、アナカリスはよく用いられます。金魚やメダカ以外にも、熱帯魚全般、エビ類、貝類とも問題なく共存できます。弱酸性水質を好むネオンテトラなどの熱帯魚水槽にも導入できます。

一方、金魚やヤマトヌマエビなどは餌が不足するとアナカリスを食べてしまうことがあります。これは「食害」と言われますが、裏を返せば餌切れ時の足しになる非常食になっているとも言えます。予防策としては、金魚に十分餌を与えることと、アナカリスの量を多めに入れておくことです。食べられてもまた成長してくるので、ある程度減る前提で多めに入れると良いでしょう。丈夫で増やしやすいアナカリスだからこそ可能な使い方です。

また、アナカリスは水中の養分をどんどん吸収して成長するため、水質浄化の役割も大きいです。メダカや金魚のフン由来の栄養を吸い取ってくれるので、コケの発生を抑え、水を澄ませる効果があります。いわば天然フィルターのような存在で、初心者が水質悪化に悩む場合にも助けになります。特に屋外ビオトープでグリーンウォーター化(緑水)するのを防ぐために投入する例も多いです。ただし、水質浄化のためには適度に繁茂している状態が望ましく、枯れた部分が多いと逆に水を汚すので、トリミングで常に新鮮な部分を維持してください。

アクアリウムレイアウトでの使い方とおすすめ配置例

アナカリスはあまりに一般的な水草のため、レイアウト素材としては地味なイメージがありますが、草体自体は美しい植物でアクアリウム水槽にもよく映えます。基本的には後景草として背景に茂らせ、緑のカーテンを作る使い方がおすすめです。例えば水槽の背面にまとめて植えれば、フィルターやヒーターを隠しつつ自然な雰囲気を演出できます。明るい緑色の葉が水景に爽やかさを加え、魚たちの色も引き立ちます。中景〜前景には向きませんが、流木や石に引っ掛けて流れるように配置すると水草レイアウトの一部として溶け込むことも可能です。金魚鉢に流木とアナカリスだけを入れたシンプルな和風水景も趣があります。流木の陰にアナカリスを結んで固定し、金魚がその周りを泳ぐ様子は金魚藻ならではの風情です。

また、ビオトープや睡蓮鉢での使い方も人気です。屋外の睡蓮鉢にアナカリスを入れると、水面下で自然に漂って水中を緑で満たしてくれます。メダカ鉢では産卵床兼シェルターとなり、見た目にも水面から水草がのぞいて風情があります。浮草(ホテイアオイやアマゾンフロッグピット等)とも相性が良く、下層をアナカリス、上層を浮草が覆うことで立体的なレイアウトになるでしょう。

このようにアナカリスは、レイアウトコンテスト向きの水草ではないものの、どんなレイアウトでも主張しすぎず脇役に徹するので、「緑のアクセント」として加えてみると良いでしょう。水景にボリューム感と安定感を与えてくれる名脇役です。

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まとめ:アナカリスを美しく育てるポイント

アナカリスは水質や温度の適応範囲が広く初心者でも育てやすい水草ですが、美しく育てるには適度な光量と栄養補給が重要です。枯れる・茶色くなる主な原因は光量不足、栄養不足、水温・水質の急変、コケの付着なので、定期的な水換えやコケ取り生物の導入を検討しましょう。増やす際は茎をカットして差し戻す方法が簡単で効果的です。メダカや金魚の水槽で水質浄化や産卵床としても役立つため、初心者には特におすすめの水草です。

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